TDY、Temporary Duty。アメリカの軍隊用語で出張を意味する。世界の僻地の出張記録!TDYの次は日常の雑感

現役時代の出張記録。人との出会いと感動。TDY編を終え、写真を交えた日常の雑感を綴る。

折々の写真&雑感 120

2017年07月03日 | エッセイ
 紫檀の代用となるカリンを輸入する目的でビルマに通っていたとき、先輩に頼まれて宝石屋を何度か連れて行ったことがある。2013年9月6日からのTDYビルマ編をお読み頂ければお分かりのように、当時のビルマには非常に厳しい入国制限があった。従って、その宝石屋を私の会社の社員と偽って入国させた。ビルマには世界に誇る「鳩の血の色」をした世界で最高の品質のルビーがある(2013年9月23日付のTDYビルマ編4をご参照願いたい)。

 宝石が売られている市場で仕入れたのでは利幅が非常に少ないので、その宝石屋は個人が所有している指輪やネックレスを所有者から直接買いたいと私に計画を持ち掛けてきた。だが、ビルマに行く前に取引先にこの計画を事前に話すわけにはいかなかった。軍事政権下のビルマでは盗聴が日常的になっている電話、必ず検閲される手紙、公衆電話のように共有されているテレックス等々、秘密が守られる通信手段は何一つなかった。従って前以て準備を依頼するなど不可能な話だった。取引先には直に会って協力を依頼するしかなかった。犯罪を犯すわけではなかったが、ビルマの住人から直接宝石を買うことを軍事政権が賛成するとは思えなかった。それに米ドルを申告せずに税関を通ってしまうのはビルマの関税法を犯すことになる。だがその金額は、他の国では旅行者が少し多めに持ち込んだぐらいの額でしかなかった。

 ルビーと云えばビルマ産であるが、マダガスカルではかなり良質なサファイアが産出される。ルビーもサファイアも同じコランダムであることをご存じだろうか?コランダムはダイヤモンドの次に硬い石である。組成の段階で、赤くなった石がルビーと呼ばれ、青くなったものがサファイアと呼ばれている。元は同じコランダムである。

 ルビーやサファイアと並んでご婦人方に人気があるのはエメラルドだが、この石はコランダムの鉱脈とは全く別のところにある。世界で最も多く高品質のエメラルドを採取しているのは南米のボゴダ(コロンビア国のやや北に位置する)である。コランダムは玄武岩や変成岩の中にあるが、エメラルドは黒い頁岩(ケツガン)の中から採れる。

 私は宝石の値段は全く不案内だが、その石の良し悪しは自信を持って判断出来る。宝石屋は私を手伝わせる魂胆で親切を装いながらレクチュアーしたのである。その中で、特に熱を入れたのがルビーとガーネットの見分け方である。見た目はルビーである。だが、価値はルビーの1/10以下と説明された。よく見れば、どことなく違う。質のいいガーネットだとプロの宝石屋でも見分けがつかないそうだ。その場合は比重液に入れて判断するのだ。日本からの観光客が、東南アジアでこの石を騙されて買わされていると聞いた。

 以下のアジサイであるが、上の三枚と下の三枚では夫々別のカメラとレンズで撮った。どちらのレンズがより適しているか、好みによって違うだろうが、レンズによる違いは歴然としている。


キャノンEOS5DにEF28-135mm、f3.5-5.6を装着。ISO:100、 f5.6、 1/125秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キャノンEOS5DにEF28-135mm、f3.5-5.6を装着。ISO:400、 f5.6、 1/160秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キャノンEOS5DにEF28-135mm、f3.5-5.6を装着。ISO:400、 f5.6、 1/125秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キャノンEOS7DにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:100、 f2.8、 1/250秒、 露出補正:±0、 WB:オート。


キャノンEOS7DにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:100、 f5.6、 1/40秒、 露出補正:±0、 WB:オート。


キャノンEOS7DにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:100、 f4、 1/125秒、 露出補正:±0、 WB:オート。

お報せとお願い:
 私事で恐縮ですが、7月10日(月)に白内障の手術を受けることになりました。これを機に、次回からは月曜日に代えて毎週日曜日に更新するよう致したく存じます。何卒ご理解を賜るようお願い申上げます。

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