現役時代には海外への出張を多く繰り返したが、二つのこと以外にあまり感動したことはなかった。神経が鈍くなっていたと云われればその通りだが、大騒ぎするほどの感動は覚えなかった。そのうちの一つは南十字星を見たことである。最初はパプアニューギニアの孤島で、その次はマダガスカルで凄く感動した。此の事についてはTDYのパプアニューギニア編の「7」及びマダガスカル編の「6」をご参照願いたい。
もう一つはミネソタ州の州都のミネアポリスでミシシッピー川の源流を見たときである。然もその源流を一跨ぎにして対岸に渡ったのである。
ミネアポリスはアメリカの中では黒人の居住者が極端に少ない。そして清潔できれいな街であった。此処の住人が黒人を特に嫌っているわけではないだろうが、当時(1982年)は全住民の2パーセントぐらいしか黒人が住んでいないと聞いていた。落着いた住宅街はまるでヨーロッパを旅しているのではないかとの錯覚さえ覚えさせる。ケバケバしさがない。樹木に囲まれた家々は落着いた外壁の色で、住みよさそうだった。
空港で拾ったタクシーの運転手は数少ない黒人であった。「旦那、日本の旦那、何処まで行きますか?」。運転手が私の荷物をトランクに入れ終るとすぐに行先を聞いてきた。聞かれても、すぐには返事が出来なかった。ポケットを探り、住所を書きとめておいたメモを出した。行き先を告げると、タクシーは北へ向い、ミネアポリスの中心地に入る前に右に曲った。直ぐそこだと云っていたが、かなり走った。前方に銀色に輝く建物がミネソタ・ツインズのドーム球場だと説明された。十字路を右折し、住宅街に向かった。そして湖の縁で停まった。「ミネアポリスに来るなら、必ず俺の家に泊れよ」と米空軍に勤めていた時の上官に云われていた。彼は除隊してこの新興住宅街に居を決めたのである。彼の話によると、ここに住宅街を建設するときに人工湖も一緒に作ったのだそうだ。奥多摩湖程もあるように大きく見えた。
車を貸してくれたお陰で仕事は2日ほどで片付いた。元上官はゆっくりしていけと、ミシシッピー川の源流まで私を連れて行ってくれた。「ここが源流だ」と指さされた時、にわかには信じられなかった。下流では川幅が最大で2キロメートルもある。私が見たのは20センチもないようなものだった。私は何度も川を跨いだ。巨人になった気分だった。
以下の写真はレタッチのソフトで油絵のようにしたのではなく、小石川後楽園の池と鯉がそのように描いてくれたのである。このような写真は太陽が容赦なく照りつける8月にしか撮れない。
EOS5DにEF17-40mm、4Lを装着。 ISO:100、 f11、 1/20秒、 露出補正:-1、 WB:オート。
EOS5DにEF17-40mm、4Lを装着。 ISO:100、 f11、 1/15秒、 露出補正:-1、 WB:オート。
EOS5DにEF17-40mm、4Lを装着。 ISO:100、 f11、 1/15秒、 露出補正:-1、 WB:オート。
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EOS5DにEF17-40mm、4Lを装着。 ISO:100、 f11、 1/20秒、 露出補正:-1、 WB:オート。
EOS5DにEF17-40mm、4Lを装着。 ISO:100、 f11、 1/15秒、 露出補正:-1、 WB:オート。
もう一つはミネソタ州の州都のミネアポリスでミシシッピー川の源流を見たときである。然もその源流を一跨ぎにして対岸に渡ったのである。
ミネアポリスはアメリカの中では黒人の居住者が極端に少ない。そして清潔できれいな街であった。此処の住人が黒人を特に嫌っているわけではないだろうが、当時(1982年)は全住民の2パーセントぐらいしか黒人が住んでいないと聞いていた。落着いた住宅街はまるでヨーロッパを旅しているのではないかとの錯覚さえ覚えさせる。ケバケバしさがない。樹木に囲まれた家々は落着いた外壁の色で、住みよさそうだった。
空港で拾ったタクシーの運転手は数少ない黒人であった。「旦那、日本の旦那、何処まで行きますか?」。運転手が私の荷物をトランクに入れ終るとすぐに行先を聞いてきた。聞かれても、すぐには返事が出来なかった。ポケットを探り、住所を書きとめておいたメモを出した。行き先を告げると、タクシーは北へ向い、ミネアポリスの中心地に入る前に右に曲った。直ぐそこだと云っていたが、かなり走った。前方に銀色に輝く建物がミネソタ・ツインズのドーム球場だと説明された。十字路を右折し、住宅街に向かった。そして湖の縁で停まった。「ミネアポリスに来るなら、必ず俺の家に泊れよ」と米空軍に勤めていた時の上官に云われていた。彼は除隊してこの新興住宅街に居を決めたのである。彼の話によると、ここに住宅街を建設するときに人工湖も一緒に作ったのだそうだ。奥多摩湖程もあるように大きく見えた。
車を貸してくれたお陰で仕事は2日ほどで片付いた。元上官はゆっくりしていけと、ミシシッピー川の源流まで私を連れて行ってくれた。「ここが源流だ」と指さされた時、にわかには信じられなかった。下流では川幅が最大で2キロメートルもある。私が見たのは20センチもないようなものだった。私は何度も川を跨いだ。巨人になった気分だった。
以下の写真はレタッチのソフトで油絵のようにしたのではなく、小石川後楽園の池と鯉がそのように描いてくれたのである。このような写真は太陽が容赦なく照りつける8月にしか撮れない。
EOS5DにEF17-40mm、4Lを装着。 ISO:100、 f11、 1/20秒、 露出補正:-1、 WB:オート。
EOS5DにEF17-40mm、4Lを装着。 ISO:100、 f11、 1/15秒、 露出補正:-1、 WB:オート。
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