こちら、寝室の本棚を整理しているときにひっぱりだした絵本たち。
これらはわたしが子どもの頃買ってもらった絵本です。
だから・・・何年前?っていうか、何十年前の本?(すぐにはもうわからないくらい・笑)
どれもこれも、子どもだったころの記憶がよみがえるものばかり。
特に右上の「みにくいおひめさま」なんて!
ある国に、エスメラルダという名前の
それはそれは恵まれた環境に育つ小さなおひめさまがおりました。
(いきなりあらすじを語り始める・笑)
しかし、国中の人が、うちの国のおひめさまは器量が悪いと嘆いておりました。
いや顔立ちが、とかいうよりも
目に輝きがなく、鼻がつんと上をむいてて、口がへの字にまがってて・・・ていう
傲慢でわがままな雰囲気が顔に出ちゃってるってことらしく(笑)
そこでそれを気に病んだ王様が、国中におふれを出した。
「王女の器量をよくしたものには金貨をさずける」
「しかし、しっぱいしたものは首はないと思うがよい」(王様~!笑)
そしてそのおふれを見て名乗りをあげた人物は意外なひと、
一見なんの変哲もない普通の質素で上品な婦人で
しかも、5人いる娘はすべて美しい器量よしばかり。
女王様を3か月、我が家にお預かりさせてください、って言うんです。
豪華な服も宝石も全部持っていくことは許されなかった王女様は
粗末な家でわが身を嘆きますが、誰も特別扱いはしてくれません。
優しくはしてくれるのですが、みんな、いそいそと自分の仕事に忙しそう。
でも、一番下の小さな妹エコーちゃんだけはエスメラルダのあとをくっついて
とってもなついてくれるので、王女も彼女にだけは少しずつ心を許すのです。
そして、まあ、この家でいろんなことを覚える間に、いろんな奇跡が起こるのですが、中略(笑)。
もうすぐ王女の滞在期間が終わろうという頃、かわいいエコーちゃんのお誕生日が近付きます。
上のおねえさんたちは、エコーちゃんのために内緒でお人形をつくったり
上手に美味しそうなクッキーやケーキを焼いて喜ばせる準備にかかりきり。
不器用でなんにもできないエスメラルダはこっそり涙を流します。
でも、でも、思いつくんです。
自分があげられる唯一のプレゼント。
赤ちゃんの頃から身につけていて、ここにくるとき唯一持ってくることを許された
大事な大事な真珠のついたロケットペンダントをあげよう・・・。
そのエスメラルダからの贈り物の包み紙を開けた時
ちいさいエコーちゃんは、わっ!と嬉涙の歓声をあげてエスメラルダに抱きつきます。
そしてそのとき、最後の奇跡は起こったのです!
エスメラルダの両目は喜びに光り輝き、鼻はつつましく下を向き、
口元はかわいらしく両端があがっているではありませんか!!
エスメラルダが美しくなった・・・!!!
みんなが彼女を取り囲み、歓喜と祝福の声をあげました・・・
って
・・・・か、か、感動しません~!?(笑)
もうわたしなんか、エコーちゃんに真珠のロケット、って聞いただけで
もうだめ!(←うちの母もダメ・笑)
と、まあこんなふうに、ページをめくれば世界はまた広がり、
本には何年たっても宿っている命、みたいなのがあるように思うんです。
すぐに消えてしまう本もあるのかもしれないけど
古い本にはなにかその年月を越えてきた、不思議な力が宿ってるような気がして・・・。
だから、せっかくうまれた自分の本が、裁断されかかってるってことが
こんなふうに本が、本という不思議な力を持つ存在自体が好きなわたしにとって
すごくすごく残念なことで・・・、だからこそ、
びびりながらも「営業」ってやつからね、逃げるわけにはいかない、と(笑)。
わたしの本の居場所を探す旅は続きます・・・。