時々雑録

ペース落ちてます。ぼちぼちと更新するので、気が向いたらどうぞ。
いちおう、音声学のことが中心のはず。

208F

2009年09月13日 | Indiana大学
言語学科のあるメモリアルホールの3Fには、言語学科から分科した、Second Language Studies(第二言語習得の言語心理学的研究が強い)も所帯を構えています。そこに、言語学科と共用のキッチンがあって、常にコーヒーがいれてあるし、お茶を入れて飲むこともできます。写真は、そこに、今年あらたに導入された湯沸しポットの一部。

見てのとおり、象印社製。でもアメリカ向け製品らしく、表示は全て英語。一番下の、保温の設定温度表示も華氏。その温度が「208」となってるのに目を惹かれました。日本のものも「98」とかなんとか中途半端な温度(というかお茶を入れるのに最適な温度)になっているので、不思議ではありませんが、ちょっと疑問がわきました。「アメリカ人は、水の沸点を、華氏で知ってるのだろうか」。

何人かに聞いてみました。もっとたくさんに聞いたほうが確実ですが、みんな答えが同じだったので、打ち切りました。たいてい、凍る温度が32Fであることは知っています。さて沸点は、「知ってるよ」という人もいたのですが、実際は、「え~っと・・・」と考えたきり、ホントには知らないことを悟っていました。ということで、誰も知りません。

ちなみに、摂氏では100℃だと知っている人もいました。「だから華氏では・・・」となんとか換算しようとするのですが、結局成功した人はいません。(実際には
32+100×(9/5) = 212(F)。ということで、208Fは98℃くらい)

じゃあ、華氏の0度と100度には、どんな意味を感じるの、と聞くと、たいてい「とくに意味はない」。せいぜい「すごく寒い」とか「かなり暑い」とか、とても曖昧な感覚しかないらしい。

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補助講師をやらせてもらった音声学の授業で、空気中の音が一定時間に進む距離を使って、人のフォルマント値の推定の概算を行う、という作業がありました。そこでもPort先生は、まずFeetを使って説明して、「で、Metersでは・・・」と単位を切り替えていました。それを思い出し、ひょっとして理科の授業なら摂氏を使っているのでは、と聞いてみましたが、そんなことはないらしいです。

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なぜそれでも華氏を使い続けるのでしょう? Feetも、Yardも、Gallonも(燃費のMiles per Gallonはホントに勘弁してほしい)。自分たちで選んだ大統領が、選挙の焦点にしたはずの保険改革も、変化を恐れて反対する勢力のせいで大混乱、などという話を聞くにつけ、アメリカという国の保守性は日本なんかの比ではない、と再確認します。

伊吹いりこ

2009年09月12日 | Bloomingtonにて
伊吹島で買って帰ったいりこ(かたくちいわしの煮干)を、いろいろな方法で食べてます。写真は佃煮。「伊吹いりこ」はブランドらしく「うちは伊吹島のいりこ使ってます」とうどん屋が宣伝するほどのようです。

小魚ならではの旨みがあって、他に代えられない、けどBloomingtonでは手に入らない(伊吹島のものは、たぶんシカゴでも、あるいはサンフランシスコでも無理では)。島で買うと、さまざまな業者が入ってない分、格安、かつほんとに美味い。買ってきてよかった。

アメリカに来て、「日本で売ってたこれは、元はアメリカだったのか」と気づかされたものがいろいろあって、サプリメントもその一つ(あと、ファブリーズとか)。思うに、アメリカ人は食生活がなってなくて、ろくな栄養バランスでない人が多いので、補助食品に頼る、ということになってしまうのでは、と。日本人は、そんな貧困な食生活の真似なんかしてないで、日本食を中心に多様な食品をバランスよく食べたほうがよっぽどいいんじゃないかと。アメリカ製品を輸入しろ! という圧力もあるのかもしれないけど、アメリカの真似なんかするもんじゃないな、と思うことが多いです。

Hiltop Garden

2009年09月10日 | Bloomingtonにて
インディアナ大の農学科の、教育用施設で、Hiltop Gardenという名の小さな農園があって、管理人のGregさん夫妻が中心となって食用、観賞用などさまざまな植物を育ててます。その一角を貸し出すシステムがあり、今年、10×10ヤードの一区画を借りました。一シーズン$50。

農機具、堆肥、水などは全てコミ、使い放題で、アドバイスももらえます。Farmers' marketで買ってきた苗や、日本からこっそり持ってきた種などを植えてみました。植えたのは

オクラ、かぼちゃ(育たず)、トマト(2種)、バジル、いんげん(英語がぜんぜん話せない中国人のおっちゃんがくれた)、にら、レタス(2種)、ほうれん草

耕運機を使って土と堆肥を混ぜたり、雑草を生えにくくするために枯葉や木のチップを撒いたりと、初めての経験をいろいろ。夏中、日本にいたときは、代わりに水を撒いてくれた友人が収穫、お宅で消費してもらいました。

植えたのはほとんど夏の野菜で、もうこちらはすっかり寒くなったので、ほぼ終わり。とくに成功だったのオクラ。150本は取れたでしょう。写真は最近のある一日の収穫。トマトは間引きをしなかったのでちょっと小さめ。これも200個はとれたはず。黄色いのは確かローマという種で、酸味が少なくてフルーティ。にらも細いながらも餃子がたっぷり3回作れたし、利用料の元を取って余りある収穫。家からも歩いていける距離で、管理もラクでした。こういうシステムはあちこちにあるようですが、またぜひ利用したいものです。

5年目に突入

2009年09月03日 | Indiana大学
留学一年目の冬、2006年1月、アメリカ言語学会での発表のため、ニューメキシコ州・アルバカーキに行きました。そのとき、たまたま懇親会で2人の日本人女性と同席しました。もうひとり、インディアナ大から来ていた学生(男)と4人で飲もうということになり、そのホテルのバーに行き、まあ、楽しく会話していたのですが・・・ 

そこへ、一人の若い男が席に加わってきました。Ph.Dを取って今はポスドクをしているというその男は、同席していた女性の一人と一度会ったことがあるとかで、その人だけに熱心に話しかけ、言わば「横取り」せんばかりの勢い。まーなんとずうずうしいというか、呆れた野郎だと。友人が「みんなで話そう」と引き戻したのですが、その場では笑い顔を作っていたものの、「あいつのやり方は失礼で不愉快だ」と、あとで怒ってました。

まだ留学して間もなく、他の大学の院生に会うのも初めてだったこともあり、「アメリカで生き抜いていくには、こんなふうに押しが強くないといけないもんなのか?」と思ったのですが(その男自身は、アジア人)、今振り返ると、そんなヤツにはお目にかかったことがありません。アメリカの大学院生、教員は少なくとも表面的にはむしろ控えめな人が多いと思います。

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今週から2009年度秋学期が開始。博士候補になったのでもう授業を受ける義務はないのですが、面白そうな授業を聴講して刺激を受けようと、ある言語心理学の授業に出てみることにしました。新任のその先生が教室に入ってきてびっくり。アルバカーキで会った、割り込み野郎ではないですか。苦笑いを抑えられませんでした。

授業概要の説明のあと、教室にいた院生15人ほどが一人ひとり自己紹介を行ったのですが、言わずにおられるかと「ところで、先生とは前にお会いしてますね、アルバカーキで飲みましたよ」と言うと、「あ~そうね、君は酔っ払ってたよね」と、適当なことを言う(酔ってね~よ! 俺は酒は飲まないの!!)。でもそのあと、「ああ、君の連れが酔っ払ってたか」(これは事実)と言ったので、どうやら思い出したようです。

あのときの、あいつに教わることになるとは。思えばあれから3年半。学生生活も長くなったということだなと。というわけで、五年目がスタートしました。