時々雑録

ペース落ちてます。ぼちぼちと更新するので、気が向いたらどうぞ。
いちおう、音声学のことが中心のはず。

EURO 2012 決勝を前に

2012年06月30日 | サッカー
ついに決勝を残すのみとなりました。予想は案の定外れ、スペインvs.イタリアという組み合わせに。まあ、グループリーグのベストゲームがこの2チームの対戦だったので、正当な組み合わせ、と言えなくもないでしょうか。

ポルトガルのロナルドは、結局PKを蹴らないまま大会を去ってしまいました。守備の荒いポルトガルが退場者を一度も出さなかったのは驚きですが、審判が上手にコントロールした、というところもあるかも。今大会、全体的にジャッジの仕事が優秀な気がする。あの、ゴールのミスジャッジくらい?

予想で「イタリアは、ホントのバルサではないので、ドイツは止められるだろう」と書いたのは、逆にいえば、本当に技術の高いチームだと、ドイツは上回れない、と思ってたから。イタリア戦の結果はいってみればそのとおり(強弁か)で、微細なボールコントロール技術が本当に高いのがエジルくらいのドイツは、崩しきれない、ボールを支配されてしまう。Number Webのコラム等では、本当は今大会のベストチームだったのだけれど、油断による采配ミス等があって負けたような書きかたになってますけど、そうじゃない。今のドイツは、あるレベルまではあらゆる点が優れているけど、限界があるチームなんだ、と、前回のEURO2008、W杯南ア大会のスペインに対する負けを見て、思いました。

で、イタリアは解説の金田さんがおっしゃってるように、中盤に技術の高い選手を選んだプランデッリ監督のプランがよかったんですね。わたしは、予想を上回られました。さて、ではスペインをも上回れるか。グループリーグの戦いを見ると、かなりやれる。でも、後半は足が持たなくい走らないとその戦いを遂行できない、という感じに見えました。ということで、まだ中盤の技術はちょっとだけスペインが上か。でも、スペインはビジャという計算の立つFWがいなくて、得点を奪う決め手に欠けるので、まだ試行錯誤。予想したとおり、中盤の選手がかわりばんこに得点者になって最少得点でしぶく勝ってきている。フィニッシャーの比較なら、カッサーノ、バロテッリ、ディ・ナターレのほうがちょっと勝るかも。

だから、決勝はスペインの森監督がカギを握っている、と思います。イタリアが前半でリードを奪うために前から当たってくるとして、それをかわしてボール保持率を上げるプランはあるか。具体的には、グループリーグでやられた3バック・デロッシCB作戦に対する対策は見つけられたか。後半勝負をかけるとして、そこでトーレスを使うのか、逆にゼロトップなのか。さらに、延長も視野に入れて、慎重に戦うとして、本当に足が止まった延長に得点を狙うなら、誰か(ペドロ?)などなど。相手の戦い方の読みも含めた、試合全体のプランを間違えずに実行できれば、やっぱりスペインが勝つ、と思います。

もしスペイン優勝なら、MVPはそりゃもうカシジャス。一方、イタリアならピルロになるんでしょうか。決勝は、バロテッリの日にはならない気がする。ともあれ、楽しみです。

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追加の感想。今大会、バルサの選手が全体的にフィジカルコンディションが悪そうなのが残念。シャビ、ブスケツはミスが多いし、イニエスタだって、コンディションがよければ、もっとすごいと思う。一方、マドリーの選手は、レギュラーシーズン後なのに、動きがよくて、カシジャス、ペペ、ラモス、コエントラン、アルベロア、ケディラ、クリロナ...みんなそれぞれのチームでがんばりまくった。今シーズン、バルサがタイトルを逃し、マドリーがリーガを獲ったのが残念ながら納得できました。スペインが勝っても、2008年、2010年とは異なり、バルサで勝った、という見方はできなそうに思います。

早稲田にて

2012年06月23日 | ことば
教員控え室でソファに座ったら、対面に座ってた背の高い男の人が「ごめんなさい、座っていいですか?」と言う。日本人の日本語じゃない。「いや、そっちが先に座っていたでしょ」と言うと、「いや、荷物が置いてありましたから」。日本語で本を読んでるし、日本人以上に日本的なへりくだり方。話してみるとアルゼンチンの人。ブエノス・アイレス出身で、サッカー名門チームRiver Plateが好きだというので、あのチームはなんで英語みたいなのか、と聞いてみた。ラプラタ川(Rio de la Plata)を気取って英語に直したら、ちょっと間違えちゃったのではないか(Silver Riverくらい?)とのこと。

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いつも会うスペイン語の先生と、初めて名前を紹介し合った。(NHKの講師をしてる方なので、スペイン語講座で勉強してるこちらは知ってた)。この方や、いつもいっしょに話している方々も日本語がとても上手。でもふだんは英語で話している。その中で一人だけ、米国人がいて、この方は日本語は不十分なのか、われわれが日本語で話してたところ、「Japanese is good.」と言う(気に入らなかったのでしょう)。米国人だなー。

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帰り、高田馬場駅に向かう途中、信号待ちをしていたら、後ろで「アイゴー」という声が聞こえたので、誰か冗談で言ったかと思ったら、ふつうに韓国の人でした。こんなの、もはや珍しいことではないですね。

EURO 2012 ここまで

2012年06月21日 | サッカー
グループリーグが終わり、ベスト8が決まりました。全部観てないのでエエカゲンですが、予想とも照らし合わせて、ここまでの印象をまとめると。

1. 印象に残ったチーム

クロアチア:1998仏W杯のチームのようなスターチームではなくても、相変わらず一人ひとりの技術が高い。ビリッチ監督と、彼が1998仏W杯の準決勝で退場に追い込んだ仏のブラン監督(で決勝戦に出られず、ビリッチ選手には三位決定戦中ブーイングの嵐)との対戦を期待したのに、残念。

ポルトガル:攻撃はあんなもんでしょうけど、思ったより守備が堅い。やばいファウルも少ない(とくにペペ)。

イングランド:思ったほどひどくない。若い前線の選手がかなりいい。もう、思い切って今後、ルーニー以外の常連はおしまい、ということでどうでしょう(やっぱり、さすがにジェラードは必要か)。とはいえ、やはりグループリーグ突破が精一杯、というチームに見えます。

2. 優勝候補に挙げたチームのできばえ

スペイン:なんとも危なっかしい。クロアチア戦は、カシジャスだから止めた(?)というシーンが2回もあったし、唯一のゴールだって、ナバスはオフサイドでは? PKだったかもしれないのを見逃してもらってるし。応援するけど、ちょっと今回の内容は優勝に価する気がしません。

フランス:最終戦負けてしまって、ファイナルに予想した組み合わせが準々決勝で行われることに。ここまで見た限り、優勝には何か足りない。何だろう。実は結束かな。

その他、チームの勝ちあがりはまあまあ予想通り。残念なのは共同開催の二国。一方だけでもなんとかならんもんか。オランダは相変わらず、ミドルシュートが炸裂するかどうか、という確率の低い戦い方。実際に観たことはないのですが、クライフのチームのトータルフットボールというのは、今のオランダの個人技頼みの戦い方とは違うのでしょうね。これであの黄金世代も終焉。

3. 印象に残った選手

ケディラ(独):今のところ、彼がわたしの大会最優秀選手。細かい技術や、パスセンスはイマイチでも、ともかく急所に飛び込んでくる。エジルよりチームへの貢献はずっと高く見えます。

カシジャス(西):いつもどおりの聖イケル。今大会、計算の立つFWがいないスペインは、「カシジャスじゃなければやられてた」というレベルの危機を彼がスーパーセーブで救う、というのがさらに何回か必要かも。

コエントラン(葡):どこがいい選手なのか初めて分かりました。走れる。ドリブルもいい。シュートもかなり上手そう。今シーズンのマドリーでのプレーより良いのでは。

おお、全部レアル・マドリーの選手だ。

得点王に予想したレバンドフスキ(ポーランド)は大会初ゴールだけで去ってしまいました。活躍を予想した仏のコシェルニーは、そもそも試合に出てない(泣)。こっちの予想は今のところ全然ダメ。ディフェンシブハーフも、西のブスケツじゃなくて、ケディラや仏のディアラのほうが目立ってるし。あと、目立つのはミゲル・ヴェローゾの男前っぷり。

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さて、決勝トーナメントが始まりますが【という記事を準備してるうちに始まってしまいました】、スペインびいきの私は、守備が堅くて負かしにくいフランスと当たるのは嫌だった。ドイツとの決勝戦ならば、まだ、ちょっとだけスペインが上回れると思うんだけど、むしろその前に、やっぱり守備が堅くて、速攻の精度が高いポルトガルをちゃんと倒せるかが問題。こないだのW杯ではまだ上回れたけど、今回は、それこそ今年バルサがマドリーにやられたのと同じパターンでやられるかも。良くも悪くもペペ次第(そして審判次第)か。

もう一方の山のファイナリストはドイツと予想。バルサみたい、という評判のイタリアは、ホントのバルサではないので、ドイツは止められるだろうと。で、決勝がポルトガルとドイツになったら、こんどはグループリーグと逆の目が出て、ポルトガルが優勝、と予想、って、こんなにあれこれ書くのは予想としては反則か。そうなったら得点王は、逆転でCR7。その場合、たぶん一回くらいPKも蹴る。今度は外すなクリロナ。といえば今回はここまでPKによる得点が少ない(ない?)大会ですが、どこかで必ずPK合戦があるでしょう。優秀なGKのいるチームが残ったけれど、PKは優秀なキッカーがそろうかの方が重要というのが持論。これも今度はがんばれクリロナ。

日曜日

2012年06月18日 | ことば
日曜日の午前、多治見市日本語講座で講師をしています。みんなボランティアですが、多くは現役も含め日本語教育経験がある人か、日本語教育の正規のトレーニングを受けたことがある人たち。けっこう質の高い授業が受けられるのではないかと思います。私は参加して5ヶ月ほど。

担当する初級クラスにこのところ来ているのは、核融合研究所(関連の記事)の学生や研究員。彼らは英語に堪能だし、構造的な学習に向いた人たちだろうから、細かい事項の確認の目的で、少し英語による解説を加えています。でも、日本を出る前に参加していた神奈川県伊勢原市の日本語教室では、日本語ONLYの方針でした。最近の日本語教育では媒介語の使用にはわりと積極的と聞くのですが、指導側も、学習者も、できるだけ日本語モードになっていたいので、ホントは媒介語の使用は最小限にしたい。

昨日は、新しい学習者が参加。中国・西安から来たお二人は、日本でとび職として働くために来たそうで、連れてきてくださったのはその仲介をする会社の方。こういう世話までが職務ではないのだけれど、「コミュニケーションがうまくいかないなどの理由で親方と衝突、というケースは少なくない。付き合いの範囲を拡げ、日本語も上達させて、日本になじんでくれたら、仕事の成功の助けにもなると考えている」とのこと。まさに我々のようなグループが援助したいと願っているようなケース。続けて通うようになってもらえたらうれしい。

昨日の学習内容は、「名詞+ができます」「動詞辞書形+ことができます」の構文による可能表現。たまたま、核融合研の三人がそろって来なかったので、日本語のみで授業。お二人の、知っている日本語を使ってみようという意欲がとても高くて、おかげで楽しい授業になったと思うし、彼らもこれなら日本でやっていけるだろう、という気がします。

先週、この講座が「サバイバルグループ」と呼んでいる、日本語がゼロに近い人たちのクラスを代打で担当。こちらはネパールの母娘が初参加(お母さんがネパール料理のお店で働いているらしい)。聞いてみると、彼女たちが話せるのはネパール語のみ。我々のような日本語教室にとっては普通のケースですが、もちろん媒介語の使用は不可能。我々にとっては、学習者との毎回の「一期一会」が勝負で、「また来てくれるか」が仕事の質の端的な指標ですが、残念ならこのお二人、昨日は来ませんでした。「教授法がよくなかったか、態度がよくなかったか」などとつい考えてしまうのですが、学習者はそれぞれ、いろんな事情で日本に来ているのだし、せっかくの日曜日、他にもしたいことはあるでしょうから、自分たちの問題だけに帰する必要はないのかもしれません。ともあれ、また来てくれるといいなと。

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この講座の会場へ向かうため、家から自動車で移動の最中、ちょうどNHK第2ラジオで放送している「攻略!英語リスニング」を聞いていますが(20分間だけ)、講師、柴原さんが学習者に向けて繰り返し伝えているメッセージに、とても共感をおぼえています。「リスニング力向上のため、語彙力や背景知識も拡充していく必要あり」「発音できる英語でないと聞きとれない」、これもやってください、あれもやってください、と学習者に多くを要求するのです。「この講座でこれだけやればばっちりです」というような甘い宣伝文句はもちろんなし。

講座全体の目標も「リスニングのトレーニングを通して、英語能力の総合的な向上を目指そう」。「話せるようになればいい」とか「ネイティブの話がきけるようになればいい」というような、部分的、一面的な訓練・目標設定は本当は正しくなく、英語全般の力を、それにかかわる知識も含め、総合的に伸ばしていくべきだ、ということ。嫁さんの勤め先でも、米国人の教授が講師の英語講座があり、彼女も受講が認められ、参加しているもよう。英語圏からは離れましたが、今後も地道に学習を続けていけば、二人ともまだ少しずつでも延びていく余地があるだろう、と思っています。

木村資生 『生物進化を考える』

2012年06月16日 | 読書録
ちょっと古い出版(1988年)。著者ももう鬼籍。でも、実は出版されてわりとすぐに買い、それから途中まで読んでは挫折。なぜかといえば、難しいから。3章くらいまではどこかで聞いたような話だけれど、4章あたりから重要な概念が、数式を交えて説明されており、そのあたりで「う゛...」となり、「ひと腰落とさねば」と思うものの他に読む必要があるものが出てきて後回し、というのを数回。しばらく放っておいたのですが、最近、教えている授業で集団遺伝学に関連する話が出てきて勉強したかったことと、数式が以前よりは読めるようになってきたこともあり、今回ついに読破。

実際、あるていどの数学的素養なり、背景知識がないと、さらっと読めるような代物ではないかも。私はところどころ、紙と鉛筆を取り出して、式の変形を確認したりして、理解に努めました。おかげで、淘汰と突然変異との関係とか、それらと、集団の大きさと進化のスピードとの関係とか、今までよりはきちんと理解する途がついた気がします。でも、まだ理解が及ばないところが処々。とくに著者が提唱した中立説の一部分は難くて、この本、もう一度読み直したほうがよさそう。一般向けに書いてはいるけれどそのために妥協した感じがそれほどなくて、内容的にもずっしり。今と違って、新書がもっと重厚な、本格派の読み物だったころの趣があります。

最終章でとても印象に残った一節がありました。人間の思考の精緻化は進化の結果であり、自己意識なども自然淘汰上有利なため出来上がったメカニズムに違いない、といった(至当な)考えに基づき、以下のように述べています。

「...「考える」ということは頭の中で行なう一種のシュミレーション(模擬実験)で、電子計算機を使って近年盛んに行われるようになった模擬実験に似たものである...自然科学の研究によって得られた「真理」とか「自然の法則」というものも、筆者には電子計算機を用いたシミュレーションの手法において、正しい結果を生むサブ・ルーティンに相当するもののように思われる」(p.265)

こんなふうに、ヒトの「思考」の結果は、どんなに精緻化しようとも、人間が進化の結果得た脳の働きにおいて作り出せるかぎりの計算過程で、外界で起こっていることをできるかぎり近似した結果に過ぎない、と考えるのは、学問を志す者にとって適切で、望ましい態度だと思われます。さらに、ここで筆者が引用しているのですが、これについて丘浅次郎博士という方がこんなふうに書いているそうです。

「哲学者などは自分の脳だけは絶対に完全であるものと認定して、思弁的に宇宙の真理を看破しようと頸を捻っているが、大脳進化の経路に照らし人類全部を総括して考えてみると、無知の迷信者も有名な哲学者も実は五十歩百歩の間柄で、もとよりその間に若干の相違はあるが、(中略)、絶対に完全なものでないという点においては、いずれも同じである」(p.266)

納得。もっとも、いまや哲学者だって、こんなふうに自分の仕事を捉えてはいないとは思いますが。

試合開始前

2012年06月11日 | サッカー
EURO 2012開幕。昨朝は起きたらドイツvs.ポルトガルの後半がやってました。TBSのコメンタリーはロナルドとエジルを軸にしゃべってたけど、目立って見えたのはドイツのケディラ。技術は少々劣っても、あれだけ動きの質と量が良ければ。グループBは面白くなりました。予定調和なしのゲームが見られそうです。

この試合前の国歌演奏のシーンを観ましたが、ドイツは歌ってない選手が多かった(移民系のエジル、ケディラ、ポドルスキーなど)。翌日のイタリア国歌は歌詞も知ってるので、一緒に歌って雰囲気に浸りましたが、Dov'è la Vittoria? とかなんとか、好戦的な歌だなあと再認識。フランス国歌なんかも血なまぐさいわけで、なんとなくぼんやりと象徴的国王を称える日本国歌は、そういうのよりは穏やかに聞こえて、悪くもないな、と最近は思います。

ついでながら、だからと言って「みんな歌え!」と神経を尖らせる向きには賛成できません。この点について「強制ではないのが望ましい」という趣旨の発言をした今上天皇はエライ。それを引き出した当時の都教育委員もぐっじょぶ(彼の本意ではないでしょうが)。どっちかといえば穏やか国歌をもつ国ならなおさらのこと。国歌には敬意を払いましょう、自国・他国いずれについても、歌わずとも黙って耳を傾けましょう、程度でいいと思ってます。

今朝は録画しておいたイタリアvs.スペインを観戦。スペインは、ビジャがいたらねえ、という試合でした。ゼロトップはバルセロナが今シーズンやっていたパターンで、バルサと同じような感じでセスクが得点。相手が疲れてきたらトーレス、も作戦通り? トーレスには惜しいシーンもあって、もうちょっとで図に当たるところでした。解説の金田さんはコンディションが戻ってないとか言ってたのですが、彼がスペイン代表クラスの中ではやや技術が劣るのは分かってること、このていどの逸機は仕方がないのでは。この試合について、イタリアに対する賞賛が聞こえてきました。さすがという面は見えましたが、そりゃあなんたってイタリアなんだから。。。 でもやっぱり、優勝に食い込むほどのチームには見えないなー。それにしてもイニエスタは上手かった。

この試合では国歌のあと、試合が始まる前まで、Alan Parsons ProjectのEyes in the skyのイントロ部分(正確にはSiriusという別のタイトルの曲)がかかってました。もう発表から30年。NBAとかでも試合開始前の定番だったと思うのですが、ずいぶんと長く重宝されているものです。

EURO 2012 はどうなる

2012年06月09日 | サッカー
どうしても気になるサッカー欧州選手権が始まってしまいました。前回大会でも予想を書きました。さて今回は。どうせ当たらないものではありますが、観る楽しみのために。

1. ファイナリスト: フランス スペイン

この両者は、いずれもグループがラク(これは重要)。逆に、実力的には本命かもしれないドイツは、ここでちょっとだけ苦しむ分もあって、どこかで脱落と予想。スペインは、それほど冴えない戦いをしつつ、決勝までは来ちゃう。前回MVPのシャビのコンディションはよくないかもだけど、ブスケツ、カソルラ、シルバ、マタあたりが前回よりぐっと成長してると思うので、そこは補えると。フランスは、ついに世代交代が完遂。リベリー、ベンゼマ、ナスリ、エブラ...とメンバーも現時点の世界トップクラスがずらり。予選は苦労したかもしれないけど、もうそのときより強くなってると見ます。

2. 対抗: ドイツ ポルトガル

ドイツは上位は堅い。ポーランドで試合できるし。でも2010年W杯のときからの上積みがいまいち足りない気がする。前回のEURO、W杯、今年のチャンピオンズリーグに続き、またもや失意のシュバイニー、と予想。ポルトガルは大穴。うまく死のグループを抜け出して、攻撃陣のポテンシャルが爆発すれば。でも... ファイナリストまでと考えると「?」。カルバーリョがいればまだしも、守備は優勝に届くレベルではないと思うし、またまた、いつもの如く、どこかで退場を出しまくって自滅では。

3. 前評判より劣ると予想するチーム: オランダ イタリア

オランダは、好きな選手は多いけど、2010年が最大のチャンスだった、今の主力選手たちのピークが過ぎたという認識。イタリア、雑誌Numberには押す記事もあったのですが、私には、攻撃・守備ともベスト4あたりに届くにはどうにも小粒に見えます。イングランドは、前評判自体良くなりようがない状況、グループ敗退でも驚きません。

4. 得点王: レバンドフスキ(ポーランド)

開催国効果で、ある程度勝ち進んで、どこかで「固め取り」をする(共同開催のポーランドとウクライナが隣国だとは知らなかった)。試合数が多くなるはずのファイナリストに予想した2国は、得点的にはやや低調、かつ得点者がバラけると予想。それでもスペインから出るなら、今シーズンあまり出られず、調子が上向きに見えるペドロ。優勝してもフランスからは出ない気がする。個人としての得点能力No.1はもちろんポルトガルのC.ロナルドでしょうが、やはり今回もチームが勝ち進めないと予想します。

5. (最)優秀選手: カシジャス(西) コシェルニー(仏)

つまり、守備の選手。両チームとも、渋く勝ち上がると思ってるので。ただし、コシェルニーは攻撃にも活躍と予想。前の方の選手なら、エジル(独)、得点だけでなくアシストも含めてベンゼマ(仏)。スペイン、バルセロナ贔屓として期待するのはブスケツ。シャビのあとバルセロナの「核」となるのは彼だと思ってるので、そろそろちょっと目立ってほしい。目立つのが難しいポジションではありますが。GKも、何らかの事情でカシジャスの代わりにバルデスが出て活躍したらうれしい。

試合自体はあんまり観られないでしょう。なにしろ深夜だし。時間ないし。でも、やっぱり楽しみです。

敵は内にあり

2012年06月01日 | 
6月になり、娘の幼稚園、室内ではサンダル履きになりました。市立なので、市が運営している給食センターからの給食を食べていますが、市がけっこう「食育」に熱心。一日保育参加のときにも職員が来て、説明をするし、園からのお便りにも、家庭への食育メッセージが毎回盛り込まれる。

さて、6月号の特集は、「よく噛みましょう」と並んで、「食中毒に気をつけましょう」。ちょっと前のScientific AmericanのPodcastで、「一般の食中毒への認識は低く、一時(いっとき)苦しんで終わりだと思っているので、医者にもかからない。だから、医療機関にもデータの蓄積がない。しかし最近、食中毒の身体への影響には、非常に長期的、永続的なものもありうることが分かってきた」という怖~いハナシがありました。さらに、ICPhSで2007年、2011年と2回連続、食中毒でダウンしたワタクシ(←バカ)としては、注目せずにはいられません。

幼稚園からの文書によれば、食中毒の危険度が上がるこの季節、家庭で注意してほしい5か条は

1. 消費期限をチェックせよ
2. 冷蔵庫の詰め込みすぎは×
3. 包丁、まな板の衛生管理を
4. 食品にはしっかり加熱
5. 料理を長時間放置するのは×

ぜひ気をつけたいのですが、この実行の障害となる存在が...それは、母。70歳を過ぎても忙しく働く彼女は、娘のためにも衛生・栄養管理に気をつけようとするこちらの努力の足を引っ張る、さまざまな「破壊的行為」をしてくれます。上記5か条に関連したところでは、「食べ物は(余っても)足らなくないように、過度にたくさん買う」さらに、「何が足りないのか確認しないから、食材がダブつく」。こうなると

冷蔵庫がいっぱい(第2条) → 食材の流れの管理が不可能 → 消費期限切れの食材が大量発生(第1条)

さらに

たくさんあるから、たくさん作る → 食べきれないから余る → 冷蔵庫がいっぱいだから、出しっぱなしになる(第5条)

と、悪循環が起こり、上記の違反がいっぱい。次々生み出される危険の芽を摘もうと、嫁さんと私は日々努力していますが、食事をわれわれが完全にコントロールしているわけではないので、時に危機的状況が。先日も、消費期限とっくに過ぎた、ヤバイにおいの鶏肉(嫁さんはこっそり捨てようと考えていた)をなんとか食べようと悪あがきをしていたのを発見。結局、どうやってもダメなことを確認、使うのを断念した挙句、「安いからって買いすぎちゃダメね」と言ってたそうです。が、きっと彼女はそれでも、またやってしまうのです。忙しい、もともとオーガナイズが下手、記憶も体力も落ちてきた、等の理由で、ますます生来の雑さに拍車がかかっていく母、身についてしまった習慣を反省して修正する、ということは非常に困難だと思われます。この「内なる敵」は異常に手ごわい。連れ添って来年で50年という父に、我々夫婦の間で最近尊敬の念が高まっています。