この日は朝から小雨が降りしきる寒い一日でした。
いつものように、チビの残り餌を持って公園のスズメ達に会いに行きました。
5~6羽のスズメ達が、粒エサを食べ始めた……と、その時、
こちらをじーっと見ている一羽のカラスに気が付きました。
体も一回り小さく、尾羽も短いため今年巣立ったばかりの若鳥ようです。
良く見るとクチバシが、極端に変形しています。
上クチバシが横にねじれて、下のクチバシと噛み合わさってないのです。
上から見るとハサミを少し開いたような形に見えます。
多分、生まれつきの奇形かも知れません。
これでは、たとえ粒餌を横取りしても食べられないでしょう。
ネズミなどを捕食するのも困難なはずです。
木の実も口からこぼれてしまい、上手く食べられないでしょう。
案の定、目の前のスズメを見ても襲うどころか、
スズメ達が、粒エサを食べてるのをじーっと見ているだけです。
このコも、お腹はすいてるはずなのに、
どんな思いでこの光景を見ていたのでしょう。
私はなんて罪深い事をしてしまったのか……
雨あしがだんだん強くなって来ました。このままでは家に帰れない。
まだ、人間の怖さを知らないあどけない顔……クリクリとした黒い瞳
なんて、可愛い目をしてるのでしょう。
何とかしなきゃ……
気が付いた時には近くのスーパーに走ってました。
正直言えば、唐揚やパンを買ってあげたい気持ちでした。
でも、それは一時の気休め。安易な考えと分かっていました。
あのコは、これから先も自分の力で生きていかなければなりません。
他のカラスと同じように、自然に成る木の実や、
昆虫も自分の力で捕らなければならない。
今、このスーパーで自然にあるものって……何だろう??
こうしてる間にも、あのコはどこかへ行ってしまうかもしれません。
その時はその時で仕方ない『頑張って生きてね』と願うだけ。
ふと、目の前の野菜のコーナーで、柿とぶどうが目に入りました。
あッ!!これだ!柿にしよう。
柿は秋の季節の物。柿の木はこの近辺でも探せば見つかります。
急いで公園に戻ると、カラスは同じところにいました。
葉の陰で雨を避けるようにして、じーっとこちらを見ています。
私は、柿を取り出した瞬間、『ハッ!』っと気付きました。
うっかりしてました。このままでは食べられない
あのクチバシでは、かみ砕く事も出来ないはず、小さくしなければ…
しかし良く考えれば、枝になっている柿は自分でかみ砕かなければ食べられません。
誰も、手助けはしてくれ無いのですから…
カラスの生きる知恵を信じて、そのまま与える事にしました。
先ほどから、不思議そうにじーっと見ているカラスに、
『この柿はキミのだからね。食べてもいいのよ』とその場に置いてみました。
私が出来るのはここまでなの……ごめんね。
この柿の形をシッカリ覚えてね。
後は自分で探すのよ。
小さな昆虫も木の実もキミの目なら必ず見つけられるでしょう。
少し離れて様子を見る事にしました。
しばらくするとどうでしょう。頭を少し傾けながら、
よじれたクチバシで柿を突っついてるのが見えました。
何度も何度も突っつき、少しづつ果肉を崩して食べるのが見えました。
口に入るより、こぼれ落ちる方が多いようです。
それでも、あきらめず一生懸命食べようとしています。
見ているこちらが意地悪してるようで、とても辛い気持ちになりました。
柿の木なら近辺の住宅のお庭にもあります。
一羽のカラスが食べる分ぐらい多めに見てくれるでしょう……たぶん。
カラスは賢い生き物。
失敗しながらも、食べ物の捕り方も覚えるでしょう。
野性としての本能が備わっていれば大丈夫!
カラスの生きる力を信じる事にしました。
いつものように、チビの残り餌を持って公園のスズメ達に会いに行きました。
5~6羽のスズメ達が、粒エサを食べ始めた……と、その時、
こちらをじーっと見ている一羽のカラスに気が付きました。
体も一回り小さく、尾羽も短いため今年巣立ったばかりの若鳥ようです。
良く見るとクチバシが、極端に変形しています。
上クチバシが横にねじれて、下のクチバシと噛み合わさってないのです。
上から見るとハサミを少し開いたような形に見えます。
多分、生まれつきの奇形かも知れません。
これでは、たとえ粒餌を横取りしても食べられないでしょう。
ネズミなどを捕食するのも困難なはずです。
木の実も口からこぼれてしまい、上手く食べられないでしょう。
案の定、目の前のスズメを見ても襲うどころか、
スズメ達が、粒エサを食べてるのをじーっと見ているだけです。
このコも、お腹はすいてるはずなのに、
どんな思いでこの光景を見ていたのでしょう。
私はなんて罪深い事をしてしまったのか……
雨あしがだんだん強くなって来ました。このままでは家に帰れない。
まだ、人間の怖さを知らないあどけない顔……クリクリとした黒い瞳
なんて、可愛い目をしてるのでしょう。
何とかしなきゃ……
気が付いた時には近くのスーパーに走ってました。
正直言えば、唐揚やパンを買ってあげたい気持ちでした。
でも、それは一時の気休め。安易な考えと分かっていました。
あのコは、これから先も自分の力で生きていかなければなりません。
他のカラスと同じように、自然に成る木の実や、
昆虫も自分の力で捕らなければならない。
今、このスーパーで自然にあるものって……何だろう??
こうしてる間にも、あのコはどこかへ行ってしまうかもしれません。
その時はその時で仕方ない『頑張って生きてね』と願うだけ。
ふと、目の前の野菜のコーナーで、柿とぶどうが目に入りました。
あッ!!これだ!柿にしよう。
柿は秋の季節の物。柿の木はこの近辺でも探せば見つかります。
急いで公園に戻ると、カラスは同じところにいました。
葉の陰で雨を避けるようにして、じーっとこちらを見ています。
私は、柿を取り出した瞬間、『ハッ!』っと気付きました。
うっかりしてました。このままでは食べられない
あのクチバシでは、かみ砕く事も出来ないはず、小さくしなければ…
しかし良く考えれば、枝になっている柿は自分でかみ砕かなければ食べられません。
誰も、手助けはしてくれ無いのですから…
カラスの生きる知恵を信じて、そのまま与える事にしました。
先ほどから、不思議そうにじーっと見ているカラスに、
『この柿はキミのだからね。食べてもいいのよ』とその場に置いてみました。
私が出来るのはここまでなの……ごめんね。
この柿の形をシッカリ覚えてね。
後は自分で探すのよ。
小さな昆虫も木の実もキミの目なら必ず見つけられるでしょう。
少し離れて様子を見る事にしました。
しばらくするとどうでしょう。頭を少し傾けながら、
よじれたクチバシで柿を突っついてるのが見えました。
何度も何度も突っつき、少しづつ果肉を崩して食べるのが見えました。
口に入るより、こぼれ落ちる方が多いようです。
それでも、あきらめず一生懸命食べようとしています。
見ているこちらが意地悪してるようで、とても辛い気持ちになりました。
柿の木なら近辺の住宅のお庭にもあります。
一羽のカラスが食べる分ぐらい多めに見てくれるでしょう……たぶん。
カラスは賢い生き物。
失敗しながらも、食べ物の捕り方も覚えるでしょう。
野性としての本能が備わっていれば大丈夫!
カラスの生きる力を信じる事にしました。
ほっとけないです。きっと、私も・・・
これから寒くなるからいっぱい食べて
元気で生き抜いてほしいです。
このカラスには一日でも長く生き延びて欲しいものです。
どんぐりさんのくれた柿の味、カラスにとって格別だったのではないでしょうか。
いつもコメントありがとうございます。
お返事遅くなってすみません。
今も、あの時のカラスの澄んだ瞳が忘れられません。
これから、色々な苦難が待ち受けてるでしょう。
でも、不自由なクチバシをフォークのように使い柿を食べてる姿を見て、
『このコは大丈夫!」と確信しました。
神様は、クチバシの不自由さを補うだけの色々な知恵を、
あのカラスに与えて下さってると思います。
食べられる物は何でも食べて、寒い冬を乗り越えてほしいですね。
いつもコメントありがとうございます。
お返事遅くなってすみません。
きらりさんは、日頃から色々な場所で鳥を観察してらっしゃるので、
鳥の事は良くご存知かと思います。
今回のカラスにしても、親鳥は必死に給餌をして育てたのでしょうね。
一般にハシブトガラスは、他の鳥に比べヒナを守ろうとする習性は人一倍強いと聞いてます。
身をなげうってでも守るそうです。
ゆえに巣に近づくものは全て敵とみなし、人間にも攻撃してくるようです。
今回のように障害を持った子ガラスに、巣立ちを促したとき、
親鳥は断腸の思いだったでしょうね。
そう思うと胸が詰まります。