けいいちの日記

「けいいち」が綴るスポーツネタを中心としたブログです

次なる課題は遠藤の後継者か

2011-01-30 | 国内サッカー
アジアカップ優勝と、最高の結果を残したザックジャパン。
自分はアジアカップ前に注目していたのが、中沢&闘莉王が指定席だったセンターバックでした。
オシムと岡ちゃんの時には2人が代表で選出されたならばよほどのケガでなければスタメンでした。しかし今回は中沢は4年後を見据えて代表から外し、闘莉王はケガのために不選出とセンターバックには不安を抱えた公式戦となりました。
昨年のアルゼンチン戦と韓国戦では(ボランチが本職人である)今野とFマリノスの栗原を起用していましたが、栗原もまたケガで代表から外れ、海外組の吉田と今野のコンビを軸に、岩政を絡めてアジアカップを戦い抜きました。

結果は最高でしたが、失点は6試合で6。数字だけで評価するのは断片的かもしれませんが、試合を見ていても安定感があったかとなると、それは微妙だったと感じます
GKの川島との連携がイマイチだったシーンがあったり、カタール戦では吉田が1対1で切り返しで振り切られて失点を喰らったりしていました。ファイナルのオーストラリア戦でも無失点試合でしたが、オーストラリアの高さにヒヤリとさせられるシーンが何度もありました。
現代サッカーは守備がDFが、攻撃はFWやオフェンシブハーフが担うというものではありませんので、一概にセンターバックに守備の不安定さを責めるのは違うかもしれません。しかし中沢&闘莉王の安定感(特に昨年のW杯での印象が強いせいもありますが)と比べてしまうと物足りなさを感じてしまうのです。

ただセンターバックの人材難はどうも日本に限定したことではなさそうです。
Numberで触れていますが、世界中のサッカーシーンでもセンターバックの新星がなかなか生まれない現状があります。
Numberで記述されていますが、最近のサッカーシーンでセンターバックで注目されたのはドイツW杯を制し、バロンドールも受賞したカンナバーロだけで、昨年の南アフリカ大会でもセンターバックで注目されたかとなるとそれもありませんでした。
サッカーでは前線には生きの良い若手を起用し、最終ラインには経験のあるベテランという構成をよく目にしますが、ファーガソンが「センターバックには経験が必要だ」と語るように若手のセンターバックがスターになるのはよほどの才能がないと厳しいかもしれません。
また最近のセンターバックには攻撃の起点としての役割も求められています。バルサ、そしてスペイン代表のピケは守備はもちろん、フィードの能力やビルドアップの能力に優れていて、ピケなしではバルサやスペイン代表の活躍は語れない選手になっています。
闘莉王もまた守備や空中戦の強さが目立ちますが、彼の場合は攻撃参加やDFとは思えない決定力、そしてビルドアップの巧さがあり、日本の中では唯一欧州サッカーシーンで必要な素質をほぼ満たしているセンターバックではないでしょうか。

そう考えると、闘莉王の後釜を見つけるのはそう容易なことではないかもしれませんが、吉田は元々はボランチということでビルドアップへの意識はあると思いますし、今回のアジアカップではいろいろな失敗がありましたが、それを生かしてもらいたいです。(ファイナルでは気迫のこもったプレーでオーストラリアと互角に戦っていましたから、今後に期待が持てます
また今回は出番が少なかったですが、永田もフィードは日本屈指ですから浦和での活躍次第ではレギュラーの可能性があります。闘莉王もケガが癒えれば、年齢的にも十分狙えますから黙っているわけがありませんし、槙野も忘れてはなりません。また岩政も高さでは負けないことをオーストラリア戦では証明しました。
個人的にはアルビのセンターバックに最も近い千葉と菊地もボランチ経験者ということで、アルビで結果を残せば日本代表の可能性があると思います。
そう考えると、今野は本職ではありませんから、吉田が2014年に向けて一歩抜け出した印象もありますが、センターバックを巡る争いはまだまだ続きそうですし、それが選手層の厚みにつながればと思います。

今回のアジアカップでは長友と内田の左右のサイドバック、そして遠藤&長谷部のダブルボランチは固定されていました。
サイドバックは高徳や槙野が負傷し、代わりとなる人材がいなかったせいもあり、本職ではない伊野波が右サイドバックを務めたこともありましたが、サイドバックで長友と内田を脅かす選手の台頭が待ち望まれます。(高徳にそれを期待しています
それ以上にボランチは岡ちゃん就任以降から遠藤と長谷部の指定席になっていますが、特に遠藤は年齢を考えると2014年は34歳と可能性はありますが、それでもボランチの新たな人材発掘が必要です。ただ遠藤の場合は本田や香川ほど目立ちませんが、攻撃のタクトを揮う役割を担い、スペイン代表でバルサの心臓のシャビ・エルナンデスの日本版とも言える選手です。Jリーグはもちろん海外組でも遠藤に近い選手は遠藤の1歳下の中村憲剛しか思い当たりません。
アジアカップでは細貝と本田拓也が選出されていますが、2人ともアンカー型の選手で遠藤のような攻撃的なクリエイティブな選手ではありませんし、名波や中田ヒデや小笠原、遠藤のような「2.5列目でゲームを作れる」選手が現れていないのが日本サッカー界にとっては不安材料かなと感じます。
JリーグではFC東京の梶山と浦和の柏木が遠藤の後継者に成りうるかと思いますが、「遠藤の後釜」が2014年に向けて大きなテーマになるのかなと感じたアジアカップでした。


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6 コメント

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同感! (ヒサクン)
2011-01-31 08:54:49
遠藤の後継者育成は正直急務ですよね。目立たないポジションだけれど最も重要なボランチ。遠藤は日本が生んだ最高の選手だと思いますので早く超える選手が出てほしいものです。
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けいいちさん、冷静…。 (Dancho)
2011-01-31 20:21:14
けいいちさん、こんばんは。

一夜明けただけなのに、凄い冷静ですね。

拝読して、激しく同感しました。

そうなんですよね。遠藤選手…決して若くはないのですよ。
あの役割って、結構タフじゃないと務まらないから、「後任育成」は最重要課題と言っても過言でないと思います。

一般紙でも、遠藤選手の事が触れられていて、ヨーロッパのクラブのスカウト連中が、「年齢のハードルさえなければ、すぐにでも連れて帰りたい」と口をそろえているようです。

日本は、「浮足立っている」場合じゃないですね。
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コメント、ありがとうございます (けいいち)
2011-01-31 21:10:09
ヒサクンさん
ボランチの出来はチーム全体の出来に直結するというのが自分の持論ですが、遠藤があまりにも素晴らしいボランチですから、遠藤のようなボランチの登場に期待するのも酷なのかもしれません。
それでも日本サッカーのレベルアップのためにも出現を期待してしまうものですが。

Danchoさん
年齢が全てではありませんが、2014年のワールドカップでは34歳ですからね…。
ボランチに最も求められるのは運動量ですし、自分と同世代の選手として頑張ってほしいですが、日本サッカーのことを考えると若手の台頭が望まれますね。
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Unknown (wakachan)
2011-01-31 21:32:07
遠藤の後継者問題に同感です。

アジア・カップ終了後、

すぐその問題を考えました。

出始めの遠藤はスローで必要無い?かな?

と思いましたが、今や指揮者ですよね?

後継者が思い当たりませんが

憲剛、柏木、藤本に目指して

欲しいですね。
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wakachanさん、コメントありがとうございます (けいいち)
2011-02-01 21:00:24
遠藤の世代って、中村俊輔や小笠原に小野伸二、(少々年齢が上ですが)中田ヒデなど、俗に言う「司令塔」タイプの選手が沢山いました。
現在は本田、香川に宇佐美などパスも優れていますが、それ以上に1人で突破できる選手が増えている印象を受けます。
世代ごとに同じようなタレントが揃うのは偶然なのか、それとも意図的ななのかは分かりませんが、ゲームメーカー型の中盤が減少している気がしてなりませんね。
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いますよいますよ (くっち~)
2011-02-01 21:35:14
はじめまして、Danchoさんのところからやってきました。

暴論かもしれませんが、遠藤の後継者は本田圭佑でいかがでしょうか。
オフェンシブハーフは何故かいくらでも輩出してきます。
ロシアでも下がることもある本田が2.5列目にはいればいいのではないでしょうか。
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