ヘルンの趣味日記

好きなもののことを書いていきます。

宝塚の街

2017年09月22日 | 旅行


関西に旅行したとき、宝塚市の手塚治虫記念館にいってみました。


そして見終わってから、せっかく近くまで来たから宝塚劇場を見てみようと思いました。

記念館から宝塚駅まで、花の道という遊歩道があって、その途中に宝塚大劇場があります。
そこを歩いてみました。

気を悪くする人がいたら申し訳ないですが、正直なところ、宝塚歌劇の魅力はよくわかりません。

ただ、宝塚歌劇というジャンルはとても興味深いものです。
歌舞伎が女性を締め出して成立しているのに、宝塚演劇は男性を歌劇から締め出しました。

歌舞伎は昔は女性の有名な役者もいたのに男性だけになった。
逆にオペラはかつて女性なしで上演されていたようです。それが今のように男女が演じるようになった。
それを女性だけで上演するというのは、かなり思い切ったことです。
しかも、いわゆる色物として短期間もてはやされたのではなく、その後も続いて日本の重要な演劇ジャンルになっています。
私には魅力がわからないのですが、とにかく日本の誇る演劇であることはたしかです。


ということで、一度劇場とその周辺をみてみようと思ったのです。
まず、有名な宝塚音楽学校があって、窓から生徒がバレエレッスンをしているのがみえました。

そして、おそらく間違いなく生徒だろうと思われる女性と何回もすれ違いました。
顔が小さくて、宝塚風というか、ちょっと独特な化粧と華やかな服。

彼女たちはトップスターではないでしょうが、アイドルなみかそれ以上に可愛らしくてアイドル性があります。
アイドルをのぞんだら、プロデュースしだいでは大変成功するでしょう。
こういう人がぞろぞろいるんだから、贅沢だなあと感じます。

最初はすごいなあと、見ていましたが、花の道を歩いているうちに、なんとなく、息苦しいというか、胸が苦しくなるような感じになりました。
なにしろ、宝塚歌劇の役者がポーズをとっている銅像があちこちにあります。
植木には「ベルサイユのばら」とかいてあるバラがあるし、どうも落ち着きません。
街のあちこちに宝塚ポスターがあり、圧倒されました。

劇場はお城のようでした。
中に入ってみようかと思いましたが、なんとなく気がひけてしまって周りを眺めただけです。

花の道が終わったときはほっとしました。

そして宝塚駅に入ると、新幹線の停車駅でもないのにかなり大きい豪華な駅です。
いよいよ圧倒されてきてホームで宝塚のテーマソングが流れてきたときには、大げさですがちょっと泣きそうになりました。

阪急電車に乗ってほっとしました。
思ったのは、とにかく宝塚の街はすごいということでした。


阪急電鉄の創始者の小林一三は、自分の美意識で街をひとつつくりあげたのです。

ものすごく人工的な、つくりあげた街です。
こういうのは、あまり続かないことがあるのですが、存続しています。
あちらこちらに宝塚歌劇の関係のものがあります。
宝塚の銘菓までありました。

あとで調べたら、以前はもっといろいろあったそうですが、撤退して、縮小傾向にあるそうです。
それでも圧倒されました。
宝塚という街はなんというか・・「夢の街」という感じでした。
美しいもの、西洋風のものを集めて作り上げた街。
こういう街があったらいいのに・・・という夢を現実にしたような街。
素敵なのですが、なんとなく息苦しくなるようなのは、ものすごく人工的だからなのかもしれません。


小林一三を主人公にしたドラマをみたことがあって、なんとなく知っていましたが
宝塚の街をみて、彼の本当の凄さはドラマでは伝わらない、この街をみなければわからないと感じました。
ドラマ主演の役者より写真でみた本物の方が容姿がいいのです。
普通は逆ですが。
宝塚歌劇の創始者にふさわしい、西洋風な美貌です。
茶人でもあったそうですが、それは宝塚の創始者ということに比べたらたいしたことではないように思います。


自分の美意識で街をひとつ、文化をひとつ創造した経営者はあまりいなさそうです。
小林一三という人はすごいエネルギーをもっていたんだろうと思います。