鳥人間コンテスト2017。
Twitterでも散見する内容なので真新しくもないですが、これを見ていて初音ミク登場以降のニコニコに感じたガッカリ感を思い出したので書いていこうと思います。
鳥人間コンテストについて検索すると、イギリスの鳥人間コンテストを日本に持ってきたもので、仮装した派手な機体で飛んで笑いが起きるようなバラティで、そういったコンセプトで始めたかったのに第一回大会でお笑いノリ(これが本来の姿勢)の参加者がいる中に、映画「風立ちぬ」で堀越二郎の隣にいたライバルでありマイメンの本庄季郎が登場し(当時75歳?)、プロの仕事に裏打ちされた理論と技術力、アルミパイプを使用し一切遊びのないデザインという完全プロ使用の機体を持ってきて優勝。
こんな感じのがどんどん出てくる(笑)
その時に審査員をしていた航空関係の先生も私の大先輩ですとコメントしたそうですが。
これが鳥人間コンテストにかけられた最初の呪いであるだろうと。
ホラー映画の呪いの現況に辿り着いた感がありますね(笑)
ガチ勢来ちゃダメだろ(笑)
そもそも番組のコンセプトに合ってないし、プロがプロのパイロットとプロの技術力で機体を組んできて、どうだー参ったかー!って。
これ本庄さんがこういう心づもりで来てたかどうかはわかりませんよ?
航空機と聞けばついつい体が反応しちゃうおじいちゃんだったのかもしれないし。
ワシが出たら盛り上がるかなーってお茶めなおじいちゃんだったのかもしれないし。
本人はどうだったかはわからないけど、会場の皆さんにはこう見えていたはず。
でも審査員の先生は大先輩出てきてひいたと思うよ(笑)
ここから本来のコンセプトであるおもしろ仮装イベントから本庄さんが出た由緒ある航空関係を志すものなら是非腕試しをしたい登竜門的な箔のついたものに変わってしまうと。
変わっていったじゃなくて、第一回目からぶっ壊されてるのが面白いです(笑)
調べる前は徐々にガチ勢が参入していったのかなと思っていたのでびっくりしました。
完全に解らされたのが2017大会。
大学生が手作りで設計制作し正パイロットの奪い合いがあり、叫びながら漕ぎ、笑いあり涙ありというのがテレビ的に美味しいし、地上波で流すバラエティという意味では本来のコンセプト寄りであると思います。
鳥人間コンテストウオッチャーの方は何年も前からガチ勢だらけでつまらん!とネットにありますが僕はこの時点まではアリだと思ってました。
大学生が用意できるパイロット、設計制作、等々はほぼ横一線だろうと。
大学によって予算の増減はあれど記録に反映される部分は微々たるもので、当日の気候や風による影響が大きいのではないかと思っていたからです。
今年の大会は第一回にしてファーストインパクトが起きてしまったとするなら、何十年越しにセカンドインパクトが起こってしまったと。
アダムの封印が失敗してしまったと。
第一回の構図と殆ど同じで、素人に毛が生えた大学生集団をプロが駆逐してしまったという。
優勝した会社の煽りブイではパイロットの男性は学生の頃は出られず社会人になっても夢を諦めずに9年もかけてコツコツ独りで制作し、昨年3位に入賞。
今年はその功績を受けて、予算も手伝ってくれる人も増え、会社も応援してくれています!という内容でした。
叙情的観点から考えれば、パイロットの方の積み重ねてきたもの、着水のインタビューで挫折しそうになったけど頑張って良かったと言っていたのも、相当な努力があってこの記録があるというのは疑いも無いと思います。
これは完全同意です。
ですが客観的観点から考えると。
航空系の世界シェアのある会社の技術者達が、会社の機材をフルに使用し綿密に計算された設計で制作し、パイロット本人もヒルクライムのガチ勢クライマーであるという。
これはセカンドインパクト(笑)
パイロットの方の会社、航空宇宙産業とかの部品を手がけるその道のプロな訳ですよ。
航空機制作においてツテなんていくらでもありそうだし。
総工費150万って言っても良い材料格安で運用だって出来るだろうし。
ジャンボジェット機やらロケットのパーツを作るような精密機械を使用して作られた機体の精度なんて、いくら航空系を志してる大学生だからって比べる方が可哀想というか。
パイロットも何年もトレーニングしてきたクライマー。
しかもヒルクライム(笑)
機体の高度を上げるのに苦労している中、高度調整をする余裕を見せたときに、あープロが本気出して作るとここまで機体に差が出るのかー。やっぱり機体なんだなーとみんな思ったはず。
蓋開けて見ればパイロットもガチ勢なんだから。
自転車レースにおいてこの登坂にどのギアを合わせるか→いかに無駄なく駆動させるかが重要であると。
精密な駆動設計とペダルを漕ぐノウハウが見事に噛み合ってあの余裕のペダリングであると。
やっぱり大学生だと自分主人公にしちゃうから、あーとかうーとか叫んでしまうけど、本当に真剣にやるなら言葉は最小限、無駄口は叩かない!
ずーっと叫んでるわけではないとは思いますけどね(笑)
機体からパイロットから所作にいたるまでプロでしたね。
でもこれは調べるにやいのやいの言いたい案件というよりは、うーんなんとかならんのかねー(笑)というテンション。
鳥人間コンテストの目的をどこに置くかですよね。
みんな目的はより長く自分達の機体を飛ばしたいという純粋な目的なんですよ。バックアップしてる企業は怪しいけどね。
メリットがない事は企業はしないでしょうから(笑)
ここが後述するニコニコ問題と少しだけ違う所ですが。
テレビ局的にはどういう目的や方向性なんでしょうね。
大学生が頑張って叫んであぁ夏なんですみたいなのがやりたいのであれば、今回の優勝チームみたいのは場違いですし。
自分達の所属先の自己ベストを更新する事が目的なら何処が出場者しても良いし。
おそらく番組ゲストが現地にいってチームと交流してみたいな取れ高がほしいはずなので恐らく来年は優勝チームは書類落ちではないかと予想します。
書類選考の件は前から話題になっていて、明確な審査基準が無いとか、設計図とか何枚も送って来られてもこっちも素人だしよくわかんねぇから何かわかり易く取れ高ありそうな収録組めそうな所にしまーすという所が本音でしょうし。
テレビ的にはそっちが正解ですよね。
すったもんだあったほうが絵になるし、笑ってこらえての吹奏楽の旅見てもらえればわかりますが、いくら強い学校でもドラマがないと取り上げられませんからね(笑)
今年もパイロット同士の確執みたいな浅い茶番ありましたけど、あの感じだとドラマのトレ高も陰りがありそうに思いますけどね。
上記の件は僕がニコニコのコミュニティ放送しか見なくなった理由とも似ていて。
ぼくが考えていたニコニコのボカロや弾いてみたや歌ってみたというのは、今みたいに陽キャ陰キャ境なくニコニコをみるような時代とは違って、机の隅っこにいて本読んでるようなヤツがぼくはこんな特技があるんだ!こんな事に興味があるんだ!でも学校では陰キャだけどネットの世界でなら!というものだと思っていたんですよ。
陰キャが承認欲求を得る場であると。
お前すごいじゃん!とか賞賛を浴びながら学業の合間にシコシコ活動すると。
しかしそれが進むに連れ。
上手いと思えば素人じゃなくセミプロ。
セミプロが集まって、曲作りからミックスから動画制作からやって、セミプロ同士の繋がり、固定ファンを付けて活動の足がかりにする等々の、草野球にかつて甲子園には出場者するもドラフトには選ばれなかった選手が活躍してドヤ感というものの温床になってしまって。
じゃあプロの方を見るわ!となってしまったと。
これが鳥人間コンテストとは似てるんだけどちょっと違う所で。
鳥人間コンテストは純粋に飛びたいんだけど実力差ありすぎて冷めるけど、無下にはしたくないよねという所。
ニコニコはセミプロが業界で成功するのは大変だから素人だらけの所にいればスポットライトあたって気持ちいいってだけなので。
鳥人間コンテストは実業団枠作ったほうが良いと思うんですけどね。
技術力がこれだけの差を生むってわかっちゃったわけだしね。
この先どれだけ記録伸びても、プロフィール見て、あーはいはいとしか思わなしさ。
だったら実業団枠作って別物にするか、素人だけが輝ける場にするかの2択でしょう。
地上波なんだから後者でしょうね。
時間の限りがあるしマニアックな技術力なんて視聴者わからないし。
もしこれにサードインパクトが起こるとすれば、海外勢が参入してきて向こうはNASAレベルだとか、パイロット的に外国人には敵わないとかね。
機材現地に持ち込んで風の計算とかやり始めたりね(笑)
ボートも自前で走らせてサポートとかパイロットドーピングしてるとか(笑)
ここまでやれば皆んな引くだろうけど、出場者にしてみれば今年も同じようなもんですからね。
僕はいつかサードインパクトが起こるのを期待するゼーレのように待ちたいと思います!
これを言われると元も子もないけど(笑)