2016年9月「ミニSLフェスタin おやべ」報告
10周年記念行事が2日続きの雨で…
会員番号31-117
岸田 弘
富山・小矢部市のクロスランドで9月18日-19日に開催されたミニSLフェスタは今年で10周年。これを祝って各地から過去最高35組のミニ鉄道ファンが色々な車両を持って集まったのですが、数日前から太平洋側に居座っている長い秋雨前線の影響で、前日の荷卸しの時から雨。結局、開催日の2日間とも雨となってしまいました。
いつもは「ふれあいハウス」前の駅で行われる開会式と出発式は、急遽、クロスランドタワーの向かいにある「メインホール」を使って屋内で行われました。砂川館長、桜井市長等のあいさつの後、10周年を記念して準備された「手こぎトロッコ/Nゲージ模型/鉄道ペーパクラフト製作/黒部峡谷鉄道のPRブース」等が披露されました。クロスランドのフェスタ10周年に向けての意気込みを強く感じました。
広いホールで開会式
特別出展/黒部峡谷鉄道のブース
開会式後、ヤードでは前日荷卸ししてブルーシートを掛けたままの車両を前に、皆さん腕組みをして空を見上げるばかり。その内、本部からは「運客と乗車券発売中止」の案内が出ました。
それでも、時々雨が激しく降る中、横浜市・大坂さんのC58、京都市・八木さんのマウンテンが、真っ白な蒸気を吹きながら走り始めます。これを見ていたお客さまの強い要望で券売機が開けられ、「強者の運転士」が「ミニ鉄道が大好きな親子」を乗せて走り出します。クロスランドでは急いで大型ごみ袋を首と手が出るようにカットし、お客さまの雨よけを用意します。
笑顔でトンネルを抜ける/横浜市・大坂さん(C58)
雨中驀進/京都市・八木さん(マウンテン)
2日目も朝から雨。前日よりも小降りで、何とか運転できるのではと期待してヤードに向かいましたが、多くの仲間は「今の間に積み込みを」と、2日間の運転を諦め撤収を始めていました。
私は、東京・豊島区の和田(篤)さんのスマホ降水情報「10時頃から昼頃まで小雨」の予報に期待し、木製車体の小田急10000型を降ろし車庫内で組み立てて待機、雨が弱まるのを待って本線に出ました。レイアウトは独占状態。最初は電動車両の運転席に子供一人を乗せて周回しましたが、その後、乗用車両を増結。家族単位の運客で走行を楽しみました。
雨の切れ間を縫って/新宿区・岸田(小田急10000)
京都・向日市の斉藤さんもC57、智頭急行7000型を交互に運行。その若さで雨の中、運客に努めていました。
お客さまも少なくて/京都向日市・斉藤さん(C57)
最後まで機関車を車庫内に駐機して様子をうかがっていた石川・七尾市水口さんのBR24、東京・杉並区鶴見さんのBR24も同時に蒸気上げを開始し、いつでも撤収できるよう機関車のみの運行を開始しました。
BR24が揃う/七尾市・水口さん、杉並区・鶴見さん
その雨の中を、黄色い雨具を着て小さな仮組車両を熱心に走らせていた富山・上市町の小学5年長田くん。遠くから見守っていたお父さまに伺うと、「去年のフェスタで興味を持ち、親切なおじさん(神戸/内山さん?)に相談したら、『機関車は乗用車と同じ値段なので大人になってから/電動キットで自作してみては』と言われ、ネットで価格を調べ、『小遣い、お年玉等を全部貯めるから』と言われこれを購入し、今日の運転会に間に合わせた」とのこと。2軸3両連結の車両の「バッテリーカバー/運転席/客席」を、それぞれプラケースで代用し、元気に走り回っていました。本人に聞くと「ボディは何にするか未だ決まっていない」とのこと。若き新星の仲間入りに、来年の完成が期待されます。
期待の新星/富山県・長田くんの自由形電動車両
この日のために整備と手入れをして来た山梨・北杜市和田(章)さんのC58。息子の和田(篤)さんが朝から雨天走行を決意し、雨の中を走り出しました。
この日、走行車両の少なさと乗客の少なさを逆手に取り、和田さんのC58、大坂さんのC58、斉藤さんのC57、八木さんのマウンテンの大型蒸気機関車達は、常設線+増設線1.2㎞をフル走行する長距離運行を乗客と一緒に楽しんでいました。
昼過ぎには、和田さんと大坂さんがC58の重連を開始。余裕のパワーでロングランをたっぷり楽しんでいました。
C58重連出発/北斗市・和田さん+横浜市・大坂さん
ロングコースは重連が似合う/北斗市・和田さん+横浜市・大坂さん
全国からたくさんの車両が集まったのに、これが見られず残念でしたが、また来年の再会を期待しています。