東京タワー リリーフランキー

2007-04-22 10:31:35 | 読書ログ
先日、夫と二人で『東京タワー』を見てきました。

あるときふと、TVをつけたら『おでんくん』を
やっていました。”でんがらでんが、でんがでんが!”の
”おでん君”にバカ受け! 

それ以来、作者のリリー・フランキーは気になる作家でした。

『東京・・・』は、リリー・フランキーの生い立ちを、”オカン”を
中心にまとめたものです。

自由奔放なオトンとの人生の交差がつかの間であったこと、
アリのようにコツコツ働いて息子を大学まで出してくれた、
太陽のようなオカンと迎えた東京タワーの見える病院での
最後…

恵まれているとはいいがたい状況でも生きることへの意欲を
失わないこと、その人間らしさと美しさが不肖の息子の視点から
描かれています。

私が出せない結論は、不肖の息子が東京で成功したからこその
物語なのか、ということ。

もし、息子が東京で何者にもならなければ、オカンの人生は
人の目に価値あるものと映らなかったかもしれません。

日本にはオカンのような、いく千もの女性がいるに違いありません。

そのような人生に光が差すことがいくばくかでもあるのだろうか…、
そう考えると人に愛され、惜しまれて亡くなったオカンは幸せだった
と思います。

When you are born, everyone around but you are laughing and you are
crying.
When you dye, everyone around but you are crying but you are laughing.

生まれるときは人は泣いて生まれ、周囲の人は笑っている。
そして死ぬときにはその逆に、周囲の人が泣く。

それが人間の正しい”入り方””出方”だと聞いたことがあります。



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