なみだ

 

 

	ピアスちゃんは、昨夜、死んでしまった。
	それを聞いて、僕は一晩、泣き明かした。
	余りに泣いたので、僕の涙が、水たまりになった。
	涙の水たまりに、空が映る。
	ピアスちゃんは、あの空に、昇っていったんだ……。
	「う、ううっ……」
	「おい、泣くな……」 「でも、先生……」
	「お前がメソメソしてたら、ピアスちゃんも悲しむぞ」 「そうかもしれませんが……」
	「……私は、泣かないぞ！」
	「明るく楽しく生きることが、遺された者の務めなんだ」
	「だが、しかし……」
	「うっ」
	「うううっ」
	おかか先生は、上を向いて、涙をこらえた。
	そんな先生を気遣う、おむさん。 「先生、大丈夫ですか……」
	おかか先生の眼にも涙があふれ、おむさんの姿が、滲んで見えた。
	「ううーっ」
	「先生だって泣いてるじゃありませんか……」 「うむ……」