喫茶店に行こう 14杯目 |
毎度おなじみ。 おかか先生とおむさんの喫茶店である。 |
|
おかか先生が、マスター。 おむさんが、ウエイター。 |
|
猫は飲み物を作れないので、市販品を利用している。 | |
この日のメニューは、紅茶であった。 | |
だがこの日は、台風が接近中。 ときおり雨がぱらつく、悪天候であった。 |
|
「こんな天気じゃ客も来ないな。早じまいするか?」 「ええ、そうしましょう」 |
|
「ところで……お給料を下さい」 | |
「そ、それが……なにしろ赤字続きで、金がないのだ……」 | |
「でも、もう何ヶ月も滞っているんですよ」 | |
「すまん! 許してくれ!」 | |
「とりあえず現物支給だ。この紅茶を受け取ってくれ」 | |
「しょうがないなあ……」 | |
「とにかく、この紅茶は、僕がもらいますよ」 「うむ」 |
|
そこへ、お客がやってきた。 「あ~喉が渇いた! 紅茶をくれっ!」 |
|
「な、何て悪いタイミングなんだ……」 | |
「おいっ、紅茶だ! 早く紅茶を出せっ」 | |
「そ、それが……たった今、品切れになりまして」 | |
「何だと? 俺は紅茶が飲みたいんだ! 金なら幾らでも出すぞ!」 | |
「へっへっへ。だんな。ここに紅茶がありますぜ」 | |
「よし、言い値で買ってやる!」 | |
「えっ、そ、そんな……」 | |
「へへへ、百万でどうです?」 | |
「よかろう、百万出そう!」 | |
「そんなーーーっ」 | |
―― こうして、おむさんは百万円儲けた。 | |
おかか先生は ―― がっくり |