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少年である。 |
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おびえている。 |
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こんな所に隠れてしまった。 |
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おかか先生は、声を掛けてみることにした。 |
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「おい、出ておいで」
「……えっ?」 |
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やっと出てきた。が、やはり、おどおどしている。 |
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「どこから来たのかね?」
「……えっ?」 |
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「体調が悪いのか?」
「え? う、うん、いや、その、あの……」 |
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「はっきり答えんかっ」
「う、うん」 |
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「腹が減ってるのかね?」
「……えっ?」 |
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「はっきりせんかあっ」
「う、うん、減ってる」 |
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「ついておいで」
「……えっ?」
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「うまいメシを喰わせてやる!」 |
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「一緒に喰おう。どうだ、うまいだろ?」
「う、うん。おじさん、ありがとう」 |
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厳しいけれども優しい、おかか先生。少年は、そんな先生の人柄に触れて、腹よりも胸が一杯になった。 |
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心細い気持も、不安な思いも、すーっと消えていった。 |
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少年は、つと立ち上がると、おかか先生の背後に回った。 |
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そして、先生のぬくもりを確かめるように、そっと寄り添うのだった。 |
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少し抜けていたところの毛が生えてきましたかね。
ちょっとよくなったかな。
ほろっときました。
少年に幸あれ!
おもわずウルっときちゃいましたよ。
彼は毎日うまい物をたらふく食べているから、
だんだんに健康になると思うぞ。