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おかか先生は、株取引で多額の損失を被ってしまったのだった。 |
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追証を払うため借金をしたが、無論、返済のメドは立たない。 |
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ついに今日は、長年愛用したカメラまで、借金のカタに取られてしまうのだ……。 |
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「ああ、青春を共にしたカメラたちよ……」 |
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「お前たちと私は、一心同体だった……」 |
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「なのに……お前たちと別れる日が来ようとは……!」 |
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ぐっ |
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ぐぐぐっ
「ああっ! 手放したくないーっ!」 |
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と、その時、不思議な声が聞こえてきたのだった。
「猫よ……」
「むっ!? こ、この声は?」 |
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「お前の望みをかなえてやろう……」
「あ、あなたは一体?」
きょろきょろ |
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―― 数時間後。借金取りがやって来た。 |
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「さあ、カメラを渡して貰いまひょか」 |
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「ふむ、確かに例のカメラでんな」 |
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「で、もう一台は?」 |
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「お、お渡しできません」 |
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「……なんやて?」 |
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「お渡しできないんです……」 |
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「ちょっとあンた! 約束が違うやおまへんか!」
ぽむっ |
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「一心同体なんです」 |
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「へっ!?」 |
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「神様が、お尻にくっつけてしまったんです……」 |
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「……」 |
あんぐり顔で声出して笑っちゃった。
カメラのお兄さんの中では、借金取り
といえば関西弁のイメージですか?
ふふふ。
借金を取り立て屋さん集団が
カメラのお兄さんの念頭にあったらしいよ。