喫茶店に行こう 10杯目 |
おかか先生が、マスター。 | |
おむさんが、ウエイター。 | |
そんな二人の喫茶店。 | |
今日もお客がやってきた。 | |
「いらっしゃいませ。ご注文は?」 | |
「エスプレッソ」 | |
「お待たせしました。さ、どうぞ」 | |
「あっ、マスター! それはダメです!」 | |
「ん?」 | |
「それは昨日のコーヒーの残りですよ!」 | |
「えっ? もう飲んじゃったよ」 | |
「しまったーーー!」 | |
「うううっ! 古いコーヒーなどお出しして、申し訳ありません」 「な、なにも泣かなくても」 |
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「お客様、どうかお許し下さい! ううううっ」 「気にしないでよ、マスター。おいしかったよ」 |
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「……いや~、今日は失敗だった」 | |
「昨日のコーヒーを出すなんて、店のプライドにかかわるからな」 | |
「だが、待てよ……。おいしかった、って言ってたな……」 | |
「もしかして、時間が経つと、かえっておいしくなるんだろうか」 | |
「一週間前のコーヒー、ちょっと飲んでみるか……」 | |
「えっ!? やめて下さい! きっと腐ってますよ!」 |
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「いやいや! 熟成が進んで、おいしくなってるかもしれん!」 | |
マスターは、一週間前のコーヒーを飲んでみた。 ごっくん |
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「ぐえーーーーーーっ」 | |
がくっ | |
「だから言ったのに……」 |