おむさん四郎

2011年07月10日 18時36分19秒 | B地点 その他

 

 

若き柔道家、おむ さん四郎 ―― 。
今日は、生死を懸けた試合の日である。

いや、試合というより、決闘というべきか ―― 。

相手は、この男。

おかか源之助

残忍かつ冷酷非情な使い手である。

しかも今は、さん四郎に対して、憎悪の炎を燃やしている ―― 。
審判は、温厚をもって知られる、もらい半助師範。

「では、私が検分役を務める」
「両者、前へ!」
「用意はいいか?」

「はっ」

「ははっ」
さん四郎を遠くから見守る美少女、もらい乙美

もらい半助の娘であり、さん四郎の恋人である。
「さん四郎さん、負けないで……」

ドキドキドキドキ
「時間無制限、一本勝負! はじめっ!」
「ゆくぞっ」
「死ね~いっ!」

だだだだっ
「とうっ」
裂帛の気合と共に、さん四郎は必殺技天地無用を放った。

「ぐはーーーーっ」
ドサッ
「参ったか!」

「うう……俺の負けだ……」
「さん四郎さんが勝ったわ!」
「さん四郎さぁ~ん!」

乙美が駆け寄る。

たたたたっ
「とうっ」
「きゃあ~っ!?」

ドサッ
「あ、ごめん。思わず技をかけちゃった」
「ひ、ひどいわ……」

さん四郎は、そそっかしい男であった ―― 。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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