先日、rsCの可愛い子ちゃんから、紅葉狩りに誘っていただいた。
私は体調不良
ぎっくり腰 で、涙を飲んで不参加。
本日は、その悔しい思いを込め、美人姉妹と紅葉狩り。
昨夜は、本日の予定を確認しがてらゲームで遊んだ。
苛烈に楽しく過ごせば、夜中の2時だった。
今朝はフラフラである。
紅葉狩りなんてできるだろうのか?
「狩り、と言っても、ただの紅葉見物に何を大げさな」
などと言ってはいけない。
本日の行き先は、西の比叡山。
西国三十三箇所巡礼の第二十七番札所、
書寫山圓教寺(ショシャザンエンギョウジ)
近年では、トム・クルーズ主演のハリウッド映画、「ラストサムライ」 の
ロケ地としても有名だ。
ちょっとしたハイキングを覚悟して、身支度を整えた。
時間通りに釣り師がハンドルを握る車が到着。
美人姉妹の出迎えを受け、乗り込む。
車中で、本日の予定を確認。
殿方には、麓から登る気が見受けられるが
私を筆頭に、昨夜ボスを攻略した女達は戦意喪失気味。
途中までロープウェイを使う事になり、一安心。
駐車場で車を降り、ロープウェイ乗り場へ。
軽く腹ごなしと、あれこれお味見。
揚げたての播州地鶏の唐揚げ、ジューシー♪
紫芋、ヨモギ、きな粉、見るだけでも楽しい。
書写団子、美味♪
ロープウェイの中から眼下を見れば、綺麗な紅葉が広がる。
少し早いのか、赤色が少なく華やかさに欠けるが、見ごたえはある。
山上駅で、ロープウェイを降りれば、緩やかな勾配の山道。
七五三参りの家族連れに目を細めつつ歩く。
所々に鎮座する仏様が、参道の上の方まで続いている。
釣り師によると、仏様たちは西国三十三箇所の御本尊で、この参道を登るだけで、三十三箇所を詣でた事になるそうな。
今も昔も、無精者はコンビニエンスが好きである。
と、笑いたい所だが、早くも、息が上がりそうだ。
すると目の前に、鐘撞き堂。
この鐘の名は、「慈悲」の鐘というそうだ。
休憩がてら、列に並んで鐘を撞き 「慈悲」の徳を獲得する者あり。
その姿を見つつ、
「これでこの先、 参道で力尽きて行き倒れて・・・」
などと妄想したことは、言うまでも無い。
ふざけた日記を書くようになり、何事においても妄想する癖が、ついてしまった。
はなはだ遺憾である。
歩き始めてから20分も過ぎていない。
疲れただの、休憩しようだのと弱音をはくわけにはいかない。
だが、緩やかとは言え、登り道。
汗ばみながら歩けば、ついつい視線は足元に落ちる。
すると、茶席にかかる毛氈(モウセン)の 緋色が目に飛び込んできた。
ふもとで、たらふく食したので、お腹は一杯だが、見上げた風景の美しさに足が止まった。
緋毛氈(ヒモウセン)と対をなす 紅葉のあでやかなこと・・・。
思わず、シャッターを切る。
パシャリ♪
重くなった足取りを、美しい風景が軽くしてくれた。
再び歩き始めれば、すぐに道は下りに変わる。
木漏れ日が揺れる中、落ち葉で彩られた階段を降りれば、目の前にそびえ立つ「摩尼殿」。
再び石段を登り、間近から見上げる。
岩山に張り出した、舞台づくりの建物の素晴らしさに、目を見張る。
中には重要文化財の四天王像も安置され、巡礼姿のお遍路さんが熱心に祈りを捧げている。
人々が祈りを捧げる場所には、何か張り詰めた空気が漂う。
抹香くさいと思いつつも、清々しいものを感じた。
私もお参りをすませて、舞台に出る。
京都の清水の舞台には及ばぬものの、絶景であった。
お参りをすませて外に出れば、 釣り師が「ご朱印帳」を手にしていた。
「ソレなぁに?」と妹が問えば、「スタンプラリー」と応える。
西国巡礼を、スタンプラリーとは上手い!
座布団一枚!
「あんたも回るねんで」と言われたときの、姉のびっくり顔。
失礼極まりないが、たまらずに声を立てて笑ってしまった。
彼らは、私たちのことを「吉本喜劇みたい」と言うが、彼らも笑点のようだと思った。
「笑点」と「吉本」が連れ立って歩けば 笑いが生じ、笑いながら 先に進めば、三つのお堂。
上の写真は、右手が大講堂、奥は食堂(ジキドウ)。
左手には常行堂がある。
大講堂と紅葉の取り合わせに、ため息がでた。
境内から、三つの建物をカメラに納め、資料館になっている食堂に入った。
薄暗い中、急な階段を上る。
武蔵坊弁慶が修行した机など、展示物を拝見。
下の写真は、跳ね上げ窓から常行堂を眺めた一枚。
たとえ紅葉の赤がなくとも、このとおり。
どこを切り取っても、絵になる。
日本って美しいと思う。
言葉少なくなり、扉をくぐり、外に出る。
回廊を一周してみた。
境内には、写真を撮る人、参拝する人が見下ろせる。
鳥のさえずりも、廊下のきしむ音も、この景色にはよく似合う。
角を回ったところで、パシャリ♪
語ろうとするのが億劫になるほど、この美しさは言葉にできない。
どこもかしこも美しくて、お上りさんのように、カメラを構えては、写真を撮った。
私たちは大満足で、食堂を後にした。
そして十地院の茶店で、お抹茶をいただいた。
店員が「良かったら見てください」と差し出したのが、ラミネート加工された写真の束。
そこには、ラストサムライのロケ風景が収められていた。
ここでようやく
「そうだったよね、あんまり景色が綺麗で、トム・クルーズなんて、すっかり忘れてたよね」
と大笑い。
当初は、「参拝後は、バンジージャンプだ!」などと気炎を上げていたが
夜更かしした後のハイキングで、すっかり疲れてしまった。
アウトレットモールでショッピングを楽しみ、可愛い雑貨を購入。
その後、イタリアンの「ピッツァリア」で夕食。
美味しいご飯を食べたら、そろそろ夜。
心地よい疲れと、綺麗な思い出と、可愛いお土産を手に帰宅。
帰りつくなり、お布団に入って、寝た。
今週末、お暇な方に、お勧めする。
まだ、紅葉は見ごろだと思う。
一見の価値アリ。