蛍川荘が日帰り湯になっていました。残念

2009-06-26 10:20:49 | 大分の温泉など
 蛍のシーズンですね。ホタルと言えば、流れぞいに壁湯温泉や宝泉寺温泉がある町田川を思い出します。ここに蛍の名前がつく老舗宿が川底温泉・蛍川荘です。


老舗宿,川底温泉・蛍川荘



 湯治風情があふれる湯は知る人ぞ知る名湯で有名ですが、江戸時代・安政3(1856)年に、当時の庄屋が川底に石を敷き詰め湯小屋を建てて温泉を開業したのが始まりだといいます。湯船の底に漬物石のような石が敷かれ、そこから透明な温泉がわきだしているわけですが、つまり石ごろごろの温泉は江戸時代の姿のままなんです。最近までれっきとした宿だったのですが、残念ながら泊まれなくなってしまっていました。


 しかし日帰りで立ち寄り入浴してきました。土曜日でも午前中だったせいか他のお客さんはおらず、管理していたおばあちゃんのはからいで混浴の広い温泉を独り占めすることができました(女湯もあります)。


混浴の広い温泉



 石ごろごろ温泉は打たせ湯のほうから3つにわかれており、手前が一番ぬるい気がしました。れっきとした源泉かけ流し。PH6.7と中性、町田川ぞいでは少し珍しいナトリウム塩化物泉です。保湿成分メタケイ酸が256mgも含まれており、そのままで化粧水効果が見込めそうな素晴らしいお湯です。


 ただ源泉温度88度なので加水はありですが、加水の水も飲んでみましたが美味しい水でした。湯触りは目立ったヌル付きなどはありませんが、本当に柔らかく、混浴じゃなかったらずーっと長湯したい感じでした。


石ごろごろ温泉




 漬物石状の石は足裏の刺激、バランス感覚を鍛えるのにもよさそうです。できれば宿泊を再開してほしいです。


 蛍川荘
 大分県玖珠郡九重町菅原1453







湯けむりのぼる岳の湯温泉の摘み草宿

2009-06-19 10:35:00 | 熊本の温泉など
 緑の山肌や里山にもくもくと立ち上る白い煙。別府とはまた違う温泉風景を見せてくれるのがここ岳の湯温泉。前から来てみたかった清涼荘に泊まってきました。集落の中を通るまがりくねった細道を注意深く運転してたどりつきました。摘み草の宿として知られる山の宿はこざっぱりとした雰囲気です。


岳の湯温泉



 昔ながらの民芸品「芋洗い」が置いてある木造りのフロントでお出迎え。ちょうどチェックインが重なったのか少しだけ待たされましたが、温かみのあるアットホームな応対であまり気にならず。館内は木造りのシンプルなつくり。創業28年とHPにありますが、なるほど、シンプルながらどことなく昭和の趣が漂っています。明るくゆったりつくってある廊下や階段などを通り、お部屋へ。ここでお茶をいただきつつ宿帳などをかきます。


部屋洗面



 窓側にある洗面所は明るくてありがたいですが、トイレはありませんでした。しかしトイレ・温泉ともに最も近い部屋を用意されてラッキー。さっそく温泉へでかけます。ここの温泉は斜面に沿うようにつくられた急な木造りの階段を上ったところにあります(階段撮影し忘れました……)。ぎしぎしときしむ階段の両側の窓からは山の緑が見え、山の宿の風情がしみじみと感じられます。こういう雰囲気好きです。階段を登ったところには男女別の露天、内湯、家族湯の5つのお湯があり、男女別温泉も夜にはすべて貸切になります。


 さて、まずは女露天風呂に入ろうとしたら……ハプニング! 男の人が入っていました! 間違えた? いえいえ間違えていません。入っていた男の人も相当驚いていましたが、どうやら間違えてしまったようです。平日のこの日は、お客様も少なく、昼から貸切状態だったので……。


 「すぐに出ます~、ごめんなさーい!」


露天



 まあ、私はまだ脱いでなかったので別に謝られなくてもよかったのですが(笑)、他に誰もいないようなので、私は内湯のほうに入ることにしました。


内湯



 もくもくとあがる湯けむりからのイメージの強烈な湯ではなく、無色透明なお湯が岳の湯の特徴。PH8.6のアルカリ単純泉は成分的にはマグネシウム・カルシウム-炭酸水素塩・硫酸塩泉で(単純泉なのでもちろん薄め)、メタケイ酸は170mg以上含まれているお肌に優しいきれいなお湯といえます。肌触りはヌルつくわけでもなくさっぱりした感じです。


 女将さんによると「アトピーの赤ちゃんにいい」というお客さんもいたそうですが、うなづけますね。とにかく優しくクセのないお湯です。化粧水などに使ったらよさそう。源泉温度が高いので加水していると思いますが、露天風呂では塩素を検出せず、岩風呂で緑を眺めながらのんびりと自然のお湯を楽しめました。内湯についてはジェットバスがあるせいか、ほんの少しだけ塩素を検出しましたが、福岡の水道水の1/3ほどの濃度でした。もちろん浴槽に注がれている温泉そのものはかけ流しです。内湯の洗い場の水道・シャワーは塩素ナシですが、気になる人は露天に入れば問題ないでしょう。ただ、露天はシャワーの水圧が弱いのと、桶のタガがことごとくはずれていて、すくったお湯がダダ漏れだったので(笑)、髪の毛を洗ったりするのには不向きだと思います(お宿様、見ていらっしゃったら桶のタガは治してくださいね~)。


 さて、お楽しみの食事。一人旅でも希望で部屋食をお願いできます(1000円加算)。ほとんどの品を最初に並べてもらえる「お気楽形式」。一人旅だと自分のペースで食べられるのでラクですね~♪ ワラビやタケノコをつかった前菜に、色とりどりの天ぷらが目を引きます。花イカダ、ユキノシタ、山ミツバ、クレソン、ウドの葉……などなど1つずつ説明してくれます。花まるごとはツツジ(食べられるんですね)。移りゆく季節にしたがって出てくる山菜は変化していくのもお楽しみ。摘み草の宿とのことですが、肥後牛のタタキに小国豚の角煮、それに温泉で蒸した鶏と、肉3種もそろい踏み。ボリュームもなかなかあります。それでも地元の山の幸だけに統一しているところにとても好感が持てます。温泉で蒸した鶏は、近くにあるはげの湯温泉や鹿児島でもいただいたことがあります
が、ここの蒸し鶏はとろりと柔らかく蒸しあがった皮に、あっさりとした黒酢のタレが絶妙にマッチ! 今まで食べた蒸し鶏の中でもたぶん一番美味でした!


ディナー
角煮天ぷらわらび
蒸し鶏



 朝ごはんは広間で。久しぶりに卵かけごはんをいただきました。


朝ごはん



 少しひんやりとした空気のなかで入る朝の露天風呂がまた気持ちよかったです。のんびりとした山里のきれいな空気とお湯、美味しい山の幸に癒された1泊でした。


清涼荘 清涼荘
 熊本県阿蘇郡小国町西里岳湯
 HP/http://seiryousou.ftw.jp/index.html


 1泊9390円~
 一人泊は11700円~(部屋食1000円加算)


 湯けむりがあがる集落は徒歩圏内で、のんびり散策が似合うのもいい感じです。







黒川温泉の近くにある絶景の穴場湯

2009-06-12 11:25:51 | 熊本の温泉など
曇っていたのですが、遥かに阿蘇が見えるのがわかりますか? 男女別ですが、平日に行ったら誰もおらず貸切でした。ここは黒川温泉の近くにある下鶴荘(小国側から国道442をいき、黒川温泉を過ぎた右側に表示がある)。今や全国に名を知られるようになった黒川温泉近くにこんな穴場があるんですよ。


露天風呂



 茶褐色に濁る湯は溶存物質933.9mgと惜しいところで「単純泉」。成分からはナトリウム-炭酸水素塩・塩化物・硫酸塩泉といった重曹系美肌湯なことがうかがえます(女湯に成分がなく、男湯に貼ってある)。ph7.0の中性なうえに、マグネシウムやカルシウム、鉄などミネラルが多く、保湿物質メタケイ酸も176.8入っています。泉温54.8℃。泉質的には近くにある黒川温泉とはかなり違っています。最近分析表を見た中では大分県の筌ノ口温泉に近い感じでしょうか(つまり乾燥系敏感肌のかゆみをなだめるタイプ※あくまでも経験・口コミ値。医学的根拠なし)。私にあうタイプのお湯、ということで、湯加減もちょうどよく、ともあれ緑の果てに阿蘇を見ながら、のんびり入浴を楽しみました。


 下鶴荘
 0967-44-1014
 (他のHPで紹介されている0244のほうは使われていないようです。注意)
 熊本県阿蘇郡南小国町万願寺下鶴5985-4
 入浴料金400円
 9~18時
 火曜、第2・4水休


 国道の案内板からたどりつくまで、離合が難しい林の中の1車線を延々走ります(2~3キロ?)。今回訪れるのはひさしぶりでしたが、細い道ぞいに新しく別荘ができていて、以前より車と遭遇しやすくなった気がします(高級車がやってくるので、離合にはくれぐれも要注意)。