ソリッド・リンク タワー サイド(プレイステーション)
2007年6月15日掲載
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本作「ソリッドリンク ~タワーサイド~」は、極めてマイナーなRPGです。マイナーでややチープですが、なかなかに力が入っています。本作は「ソリッドリンク ~ダンジョンサイド~」とデータを共有し、一方をやり込むことで他方の展開が変わってくるようなシステムを持っています。「ソリッドリンク(堅い絆)」の名の通りです。ただし、本当に力が入っているのはその点ではありません。
ケース裏には「ゲームブックみたいな3DダンジョンRPG」と書いてあります。平たく言えば、選択肢によって次々と展開が変化するということです。しかも、同じようにプレイしていても、選択肢が変わる場合があります。多くの選択肢のつながり(リンク)を見極めた上で、最適な行動を考えるのが楽しいのです。
本作のプレイヤーキャラは、あまりレベルアップをしません。成長限界が非常に低いのです。ですが、本作はキャラの成長を楽しむゲームではないのです。もともと「RPG」と「キャラの成長」は何の関係もありません。冒険の幅を拡げるための方便の一つが「キャラの成長」なのです。本作は選択肢のつながりが複雑であり、すでに冒険の幅が広いため、キャラの成長にそれほど意味は無いのです。
プレイヤーの戦力は有限です。回復可能な回数も有限です。その有限な資源のもとに、パーティーの絆(リンク)で敵を倒し、迷宮の謎を解き、的確なプレイをするのがとても楽しいのです。一回のプレイは1時間程度ですが、いろんな選択肢を試したくて、何度もプレイしてしまいます。マイナーゲームながら、RPGの一つの到達点となっています。メジャーゲームではこのシステムは採用されにくいでしょうが、RPGファンには是非プレイしてもらいたい作品です。
私はマイナーゲームが好きです。メジャーが嫌いというわけではないのですが、メジャー・大作系の文脈だけでしかゲームを味わえないのでは、「ゲームの楽しみ方」が非常に貧しいものになるのではないかという危惧をしているのです。
例えば海外旅行をした場合に、誰もが行くような観光地に行っただけでその国を語ろうとするのはいかがなものでしょうか。確かに観光地は誰にとっても楽しいでしょうが、そのためにお金をかけて造られたものであり、必ずしも土地の生活感を直接は感じられないのではないでしょうか。そういう観光地がメジャーゲームなら、文化・風土が垣間みえる何気ない街角がマイナーゲームなのです。
なにもメジャーや観光地を否定しているのではありません。観光地を、文化の延長であり集大成であるとして理解することが大事だと思うのです。同様に、原始のディープなエッセンスが残っているマイナーゲームの文脈をもって、装飾されたメジャーゲームを理解したいのです。そうすれば、その根底に潜む洗練された「ゲームの楽しみ方」が見えてくると思うのです。
2007年6月15日掲載
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本作「ソリッドリンク ~タワーサイド~」は、極めてマイナーなRPGです。マイナーでややチープですが、なかなかに力が入っています。本作は「ソリッドリンク ~ダンジョンサイド~」とデータを共有し、一方をやり込むことで他方の展開が変わってくるようなシステムを持っています。「ソリッドリンク(堅い絆)」の名の通りです。ただし、本当に力が入っているのはその点ではありません。
ケース裏には「ゲームブックみたいな3DダンジョンRPG」と書いてあります。平たく言えば、選択肢によって次々と展開が変化するということです。しかも、同じようにプレイしていても、選択肢が変わる場合があります。多くの選択肢のつながり(リンク)を見極めた上で、最適な行動を考えるのが楽しいのです。
本作のプレイヤーキャラは、あまりレベルアップをしません。成長限界が非常に低いのです。ですが、本作はキャラの成長を楽しむゲームではないのです。もともと「RPG」と「キャラの成長」は何の関係もありません。冒険の幅を拡げるための方便の一つが「キャラの成長」なのです。本作は選択肢のつながりが複雑であり、すでに冒険の幅が広いため、キャラの成長にそれほど意味は無いのです。
プレイヤーの戦力は有限です。回復可能な回数も有限です。その有限な資源のもとに、パーティーの絆(リンク)で敵を倒し、迷宮の謎を解き、的確なプレイをするのがとても楽しいのです。一回のプレイは1時間程度ですが、いろんな選択肢を試したくて、何度もプレイしてしまいます。マイナーゲームながら、RPGの一つの到達点となっています。メジャーゲームではこのシステムは採用されにくいでしょうが、RPGファンには是非プレイしてもらいたい作品です。
私はマイナーゲームが好きです。メジャーが嫌いというわけではないのですが、メジャー・大作系の文脈だけでしかゲームを味わえないのでは、「ゲームの楽しみ方」が非常に貧しいものになるのではないかという危惧をしているのです。
例えば海外旅行をした場合に、誰もが行くような観光地に行っただけでその国を語ろうとするのはいかがなものでしょうか。確かに観光地は誰にとっても楽しいでしょうが、そのためにお金をかけて造られたものであり、必ずしも土地の生活感を直接は感じられないのではないでしょうか。そういう観光地がメジャーゲームなら、文化・風土が垣間みえる何気ない街角がマイナーゲームなのです。
なにもメジャーや観光地を否定しているのではありません。観光地を、文化の延長であり集大成であるとして理解することが大事だと思うのです。同様に、原始のディープなエッセンスが残っているマイナーゲームの文脈をもって、装飾されたメジャーゲームを理解したいのです。そうすれば、その根底に潜む洗練された「ゲームの楽しみ方」が見えてくると思うのです。
ゲームクエストにフーテンのドラ息子名義で
投稿していたどらおと申します。
数日前にこちらを見つけて
最初から読んできましたが、
音楽(死者の歌に興味津々です)や
旅行記(観光地然としてない所で羨ましい)、
ゲーム(手放したゲームたちも面白い・・・手でダンスゲーとか)、
理系分野と楽しませていただきました。
ところで
このゲームは既に持ってまして、
ダンジョンサイドも無いとじゅうぶんに楽しめないかも・・・
と今まで積んでいたのですが、
この記事を読んで遊んでみました。
面白いですね、これ。
ウィザードリィとの差別化を図った部分が
うまく噛み合ってるなと感じました。
最初の会話で仲間の性格付けを少ししているのも
個人的には想像のとっかかりとしてありがたかったです。
というわけで
初っぱなから長々と失礼しました。
今後も寄せていただきます。
それでは。
このソリッドリンクは確かにウィザードリィとは違いますね。マップはそれほど広くはありませんが、展開の複雑さと限定されたリソースのため、常に緊張感があります。ちょっとした選択の変化が後の戦況に影響を与えるのも、面白い調整の仕方だなと感じます。今ならダンジョンサイドも中古屋で300円程度ですよ。