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【ゲームクエスト】SIMPLE2000シリーズ Vol.100 THE 男たちの機銃砲座

2011-01-17 20:08:31 | ゲームクエスト
SIMPLE2000シリーズ Vol.100 THE 男たちの機銃砲座(プレイステーション2)

2008年11月26日掲載

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 もうたくさんだ。「漢(おとこ)」とは「男」の最上級ではない。戯画と化し、そして記号に成り果てた「漢」などに用はない。現実を踏みしめながらも理想へと向かって足掻く、そんな「男」にこそダンディズムは宿るのである。背中で語るのは「男」のほうである。

 映画「男たちの大和」はひたすら戦艦大和が破壊されるものであった。どれほど破壊されても、大局的に勝てる見込みが無くても、目の前の敵に立ち向かう兵士は「男」であった。そして、その後に発売された「THE 男たちの機銃砲座」でも、「男」を確かに感じた。

 本作でもまた、ひたすら破壊されるのである。何が破壊されるかと言えば、プレイヤーの精神である。画面の向こう側で砲座が破壊されたらゲームにならない。だから画面のこちら側を破壊しにきたのだ。敵は本作そのものだ。現実とゲームが入れ子になったメタ・ゲームだ。

 砲座型またはガンシューティングのゲーム性は乏しい。敵の攻撃を避けることがなく、撃つか撃たれるかだけのシステムだからだ。つまりダメージ制のモグラ叩きのようなものだ。

 ところが本作では避ける動作を取り入れ、「画面外の敵は攻撃してこない」という仕様にしたために奇跡が生じた。敵の出現が少ない真上に砲座を向けての放置プレイが有効なのだ。しかもまともにプレイすると難易度が異常に高い。砲座と精神の二択攻撃。

 撃たない砲座など砲座ではなく、シューティングでもない。こんなことしていて何が面白いのか。この無力感、やるせなさ。精神が破壊されてもなお立ち向かい、(2度も)クリアした私は何をやっているのか。ここにパラドキシカルな「男」を感じたのだ。

 本作にはまだまだ精神破壊攻撃があるが、ここまでにしておこう。「男」として、これ以上は語るまい。あとは沈黙をもって語ろう。

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