ナイトレイド(プレイステーション)
2009年5月14日掲載
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評判の悪いシューティング「ナイトレイド」をあえて私が買ったのは冷やかし半分からであった。
はっきり言って、本作のシステムは破綻(はたん)している! 狙って稼げないスコアシステム、しかもいつの間にかスコアがマイナスになりやがる。敵機を連鎖して破壊するという「ハグランチャー」、連鎖しません繋がりません、連鎖したらしたでいつ終わるのか読めません。画面の左上が多くの場合で安全地帯になるのは有名だし、ポーズが効かないのは異常である。
ここまで破綻したゲームはまずないだろう。私も初めは「ゲームになっとらん!」と思っていた。だが、これを理解して楽しむためのヒントがグラフィックにあった!
薄暗いステージに、奇妙な幾何学形状の敵機がうごめき、ドロドロと弾を吐き出す。抽象的な背景に、不意に混ざる具象的なイメージ。突然画面を埋め尽くす大量のおにぎり! 統一感無し、説明不能、意味不明、言い知れぬ不安だけが拡大する。
シュールだ。そう、本当の意味でのシュールだ。シューティング界のシュールレアリズム(超現実主義)だ。昼とも夜ともつかない空間を異形のモノの列が通り過ぎる、シュールレアリズム絵画そのものだ。
シュールレアリズム絵画は、世の常識が破綻する意識のはるか奥底のイメージを絵にしたものである。そもそも形も無く意味も無いものを、わざわざ額縁の中に閉じ込めて真面目に鑑賞しようという倒錯が、シュールレアリズム絵画の醍醐味だ。
したがってこの「ナイトレイド」の楽しみ方も見えてくる。それは、破綻を踏まえて本気でプレイすることだ。破綻したシステムを取捨選択して自分なりの秩序を組み立てるのもいいし、破綻を全て受け入れてなんでもありのプレイをするのもいい。破綻したシステムさえも、ゲームとプレイヤーの関係という上位システムに組み込んで、プレイヤーに挑戦しているのだ。
本作にはシュールレアリズム絵画同様に「破綻の美学」が込められている。そこを理解して本気でプレイできれば、他のゲームとは一味違った満足感が味わえるはずだ。
2009年5月14日掲載
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評判の悪いシューティング「ナイトレイド」をあえて私が買ったのは冷やかし半分からであった。
はっきり言って、本作のシステムは破綻(はたん)している! 狙って稼げないスコアシステム、しかもいつの間にかスコアがマイナスになりやがる。敵機を連鎖して破壊するという「ハグランチャー」、連鎖しません繋がりません、連鎖したらしたでいつ終わるのか読めません。画面の左上が多くの場合で安全地帯になるのは有名だし、ポーズが効かないのは異常である。
ここまで破綻したゲームはまずないだろう。私も初めは「ゲームになっとらん!」と思っていた。だが、これを理解して楽しむためのヒントがグラフィックにあった!
薄暗いステージに、奇妙な幾何学形状の敵機がうごめき、ドロドロと弾を吐き出す。抽象的な背景に、不意に混ざる具象的なイメージ。突然画面を埋め尽くす大量のおにぎり! 統一感無し、説明不能、意味不明、言い知れぬ不安だけが拡大する。
シュールだ。そう、本当の意味でのシュールだ。シューティング界のシュールレアリズム(超現実主義)だ。昼とも夜ともつかない空間を異形のモノの列が通り過ぎる、シュールレアリズム絵画そのものだ。
シュールレアリズム絵画は、世の常識が破綻する意識のはるか奥底のイメージを絵にしたものである。そもそも形も無く意味も無いものを、わざわざ額縁の中に閉じ込めて真面目に鑑賞しようという倒錯が、シュールレアリズム絵画の醍醐味だ。
したがってこの「ナイトレイド」の楽しみ方も見えてくる。それは、破綻を踏まえて本気でプレイすることだ。破綻したシステムを取捨選択して自分なりの秩序を組み立てるのもいいし、破綻を全て受け入れてなんでもありのプレイをするのもいい。破綻したシステムさえも、ゲームとプレイヤーの関係という上位システムに組み込んで、プレイヤーに挑戦しているのだ。
本作にはシュールレアリズム絵画同様に「破綻の美学」が込められている。そこを理解して本気でプレイできれば、他のゲームとは一味違った満足感が味わえるはずだ。
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