先月17日付の英フィナンシャル・タイムズ紙は、「新たな均衡に向かう世界 終わりに近づく西側の覇権」と題する記事を掲載した。これは台頭する新興国と多額の債務を背負う先進国の構造を指摘したもの。そのような中、中国の国営紙チャイナデイリーは中国の著名な経済学者で中国人民銀行(中央銀行)の元通貨政策委員である余永定氏の寄稿を掲載した。同氏は現在の中国経済について、「中国の成長モデルは持続不可能であり、緊急の経済・政治改革を断行しない限り、中国は突然の減速に見舞われる」と警鐘を鳴らしている。
従来あまり見ることができなかった論調で、年頭にふさわしい内容だと私は感じた。余永定氏という中国の元高官が、現在の中国経済のモデルを否定している。これは論理的に考えれば当たり前だが、未だに中国の中では広く支持されている意見ではない。一部の識者の人が将来を憂い、警鐘を鳴らしているというのが実態だろう。
対する中国共産党の幹部は、これ以上経済運営が難しくなっては困るということで、何とかして「軟着陸(ソフトランディング)」させたいと必死だ。かつて日本の大蔵省の役人に「大蔵省が軟着陸させてみせるから、大前さんはバブル崩壊の危険性を訴えるような発言を控えてくれ」と言われたことがあるが、彼らは見事に失敗した。どの国も権力者・為政者が考えることは同じなのだろう。そして、大蔵省の役人同様、中国共産党の役人が中国経済を見事に「軟着陸」させることは無理だと私は見ている。
また「終わりに近づく西側の覇権」とあるが、正確に言えば米国の覇権が終焉し、一部欧州に移りつつあるというところだろう。ただし欧州も完全に米国に代わって覇権を確立できているわけではなく、その間に新興国が台頭してきている。今後、世界全体が5~20の覇権群に別れていく可能性もあると私は思う。世界全体は多極化の方向性を見せている。
このような中で世界経済に占める重要性を増してきているのが「インド」だ。
ロシアのメドベージェフ大統領は先月21日、インドのシン首相と会談し、次世代戦闘機の共同開発で基本合意した。インドは機体の購入を含め総額300億ドル(約2兆5000億円)を投資するとしているが、米国・英国・中国の首脳も昨年揃ってインドを訪れており、インド市場をめぐる争奪戦は今後さらに激しくなりそうだ。
今、インドには世界中からラブコールが届いている。世界各国、特にドルキャリー取引により米国からの資金が殺到している状況だ。このまま放っておけば、インドは必ずハイパーインフレを引き起こすだろう。そうならないように、何とかインフレを押さえ込みながら必死で経済発展に転換していこうと進めている状況だ。
インド経済の今後の動向も含め、これからの世界経済を見ていくにあたっては、世界全体が多極化していくという流れをぜひ意識してみて欲しいと思う。
【今週の問題解決視点のポイント】
一つのデータからどんなメッセージ(真実)を抜き出すか。問題解決力の基本である。
従来あまり見ることができなかった論調で、年頭にふさわしい内容だと私は感じた。余永定氏という中国の元高官が、現在の中国経済のモデルを否定している。これは論理的に考えれば当たり前だが、未だに中国の中では広く支持されている意見ではない。一部の識者の人が将来を憂い、警鐘を鳴らしているというのが実態だろう。
対する中国共産党の幹部は、これ以上経済運営が難しくなっては困るということで、何とかして「軟着陸(ソフトランディング)」させたいと必死だ。かつて日本の大蔵省の役人に「大蔵省が軟着陸させてみせるから、大前さんはバブル崩壊の危険性を訴えるような発言を控えてくれ」と言われたことがあるが、彼らは見事に失敗した。どの国も権力者・為政者が考えることは同じなのだろう。そして、大蔵省の役人同様、中国共産党の役人が中国経済を見事に「軟着陸」させることは無理だと私は見ている。
また「終わりに近づく西側の覇権」とあるが、正確に言えば米国の覇権が終焉し、一部欧州に移りつつあるというところだろう。ただし欧州も完全に米国に代わって覇権を確立できているわけではなく、その間に新興国が台頭してきている。今後、世界全体が5~20の覇権群に別れていく可能性もあると私は思う。世界全体は多極化の方向性を見せている。
このような中で世界経済に占める重要性を増してきているのが「インド」だ。
ロシアのメドベージェフ大統領は先月21日、インドのシン首相と会談し、次世代戦闘機の共同開発で基本合意した。インドは機体の購入を含め総額300億ドル(約2兆5000億円)を投資するとしているが、米国・英国・中国の首脳も昨年揃ってインドを訪れており、インド市場をめぐる争奪戦は今後さらに激しくなりそうだ。
今、インドには世界中からラブコールが届いている。世界各国、特にドルキャリー取引により米国からの資金が殺到している状況だ。このまま放っておけば、インドは必ずハイパーインフレを引き起こすだろう。そうならないように、何とかインフレを押さえ込みながら必死で経済発展に転換していこうと進めている状況だ。
インド経済の今後の動向も含め、これからの世界経済を見ていくにあたっては、世界全体が多極化していくという流れをぜひ意識してみて欲しいと思う。
【今週の問題解決視点のポイント】
一つのデータからどんなメッセージ(真実)を抜き出すか。問題解決力の基本である。
新年初めだから、今年の予測を聞きたかった。
かの国の民族性を考えると、ただでは転ばない、何か予想外の事が起こるような気がしてなりません。
金融やソフトウェアがもてはやされていました。
今、時代の流れはソフトからハードへ!
食料、エネルギー、製造。
この流れの中で時代は、一次産業の少ない先進国から新興国へ!!
ホワイトカラーからブルーカラーへ!!
事務屋から技術者へ!
文系から理系へ!!
いまいち現実味がない。
日本を越したってニュースが出てますね
ちなみに中国は
バブルがはじけて
土地が暴落しても
まだまだ発展し続けるはずです
バブルに湧いているのは
沿岸部の一部地域のみで
未開の地域や、沿岸部と比べて
価格が一桁安い労働力がまだまだ残っていますから
私の勉強不足かもしれませんが
今の中国が
日本のバブル時と
同様だという根拠が
知りたいです
「大前研一は偉い」と考える人ばかりが世界にいる訳ではないことを知りませんか?
経済を担うのは人です。
人が人として
国民が皆
人として在ることが経済発展の欠くべからざる要素です。
ここで書いている人は君の教え子?
恥しいことをしたと詫びた方が良いのではありませんか?
年頭にふさわしい内容だと私は思いません。
年頭に相応しくない書き方です。
インドの発展も良いでしょう。
しかし、中国の経済発展が今日本を救っていることも忘れてはならないことです。
隣の友人の不孝を望んではいけません。
私は、インドにはインドの発展があり、中国には中国の発展の形態があると考えます。
いずれにしても、経済発展ばかりに依存し、経済発展ばかりが人と世の全てであるという経済中心の考え方も終わりに近付いています。
外貨から中国元に交換するためには国家外准管理局の認可が必要になります。また個人の場合、一日、20,000元(25万円)しか交換できません。中国証券を購入するためはQFIIという投資枠を取得する必要になります。多くの規制をかけて、海外から中国国内の人民元にお金が流れないようにしています。日本円は自由に取引ができるので、その点全く違います。
では質問、なんで今、高齢者がアルバイトしてるんだ?