<前回までのあらすじ>
トロッコ列車に乗って嵐山についたマリコと下僕。しかし、下僕が単身で天龍寺に潜入している間にマリコは
道に迷ってしまう!これは何者かの陰謀なのか?果たして2人は集合場所に間に合うのか?
母マリコが
「自分がどこにいるのかわからない」
と言い残して電話を切ったので、私はしばし唖然ボー然。あんた、嵐山は何度も来てるから道なんて全部
知り尽くしてるんじゃなかったんかーい!と突っ込みたいところですが、当人がいないので何もできません。
とりあえず、天龍寺を出て目の前にある大通り(嵐山で一番賑やかな通り)を探しました。
しかし、どこを探しても巨大化したくまのプーさんに酷似したマリコの後姿はありません。
でもまあ嵐山は狭いし、集合時間までまだ間があるしで渡月橋の近くまで行けばどこかで会えるだろうと
軽く考えた私は、近くの豆腐屋で売っていたゆばソフトを食べ、渡月橋に向かってぶらぶら歩きました。
すると、ゆばソフトを食べ終え、道路の向こう側にコロッケ屋を見つけて「お?」と思った直後、私の携帯が
アントニオ猪木のテーマ曲(マリコの着メロ)を奏でました。
「あーもしもし。今どこにいるの?」
「どっかの休憩所。さっき野宮神社の前を通ったんやけど」
野宮神社…私のいる大通りから道一本もしくはそれ以上離れた場所です。マリコはどうしてそんな場所に
たどり着いたのでしょう。天龍寺から道なりに南に歩いて行けば、大通りに出るはずなのに。もしや、
いつまでも良縁にめぐまれない娘のために、縁結びで有名な野宮神社まで足を運んだのでしょうか。
そんな憶測はさておき、嵐山の地理に詳しくない私が探しに行っても道に迷いそうだったので、とにかく
渡月橋の近くにある市営駐車場(ここがツアーの集合場所)まで来てほしいと頼みました。これでまずはひと安心。
それでも、マリコが無事に渡月橋に着けるかどうか心配だったので、コロッケは諦めて先を急ぎました。
なのに、渡月橋に着いてもそこにいるのは若いカップルか幼い子供を連れた若い夫婦ばかり。これは何かのいやがらせかと
一瞬殺意が沸きましたが、これくらいのことで怒っていては鴨川べりなんて歩けません。あそこは等間隔で男女が座って
いちゃこらやってるのですから。
カップルから目をそらして駐車場に向かっても、やっぱりマリコは来ていませんでした。すると、ここでまた
アントニオ猪木のテーマが。
「もしもーし」
「あ、お母さんやけど。今渡月橋の近く」
「え、じゃあ今からそっちへ」
「電池がなくなるから切るわ。ブツ」
「……」
またしても一方的な連絡のみで、仕方なく私は渡月橋まで戻り、そこからさっき通った道を天龍寺方向へ
逆行しました。するとどうでしょう、見慣れたくまのプーさんの後姿があるじゃないですか。
感動の再会です。
その後、「漬物が買いたい」と言うので西利に行き、お買い上げした漬物を下僕らしく「私が持つよ」と
受け取ったら腕が抜けそうに重かったり、「お母さんソフトクリームが食べたいわ~」と言うのでソフトクリームを
買いに行ったら時間がなくなって自分のお土産は関西限定抹茶カントリーマアムしか買えなかったりとメタメタでしたが、
漬物を買ってる一瞬の隙をついてコロッケを食べることもできたし、充分に嵐山を堪能することができました。
他のお客さんたちも集合時間までに全員戻ってきたので、次の目的地の仁和寺へゴー!のはずだったのですが、
観光シーズンど真ん中の京都は道が異常に混んでて、バスはまったく進まない。この日は朝が早かったし嵐山で
歩き回って疲れていたので、マリコだけでなく私もバスの中で爆睡してしまいました。その間約1時間。しかし
それでもまだバスは仁和寺についてませんでした。恐るべし京都!
結局、嵐山から1時間半ほどかけて、バスは仁和寺に到着しました。仁和寺は御室桜という遅咲きの桜が有名で、
ソメイヨシノはもうほとんど散ってるけどここの桜ならまだ大丈夫…と思っていたのに、添乗員さんによると
なんと仁和寺の桜は私たちが来る4日前にピークを迎えてしまった、とのこと。ががーん。ショックです。
マリコに至っては「あそこは遅咲きだからまだ咲いてないやろ~」とまで言ってたというのに。
この悲しいお知らせを聞いたせいか、マリコの仁和寺への興味は一気にゼロへ。疲れてるのもあるからか、マリコは
仁和寺には行かずにバスの中で待つことにしました。
で、実際に行ってみたところ、仁和寺の桜は確かにピークを過ぎてましたが、それでも充分見ごたえのある
咲きっぷりでした。

比較的花がまだ残っているところで写真を撮りました。御室桜は樹高がやや低いので、目の高さに花があります。

五重の塔と桜。花よりも枝のほうが目立っていてちょっとさびしい。
嵐山同様、仁和寺もものすごい人出で、桜と桜の間の通路は人がすし詰め状態でした。昔、一人旅で来たときは
ピークの時でもそんなに混んでなかったのにな…。
バスが渋滞で贈れたせいで、仁和寺の見学時間は短くてあっという間でした。お土産を買おうにも、じっくり
吟味するひまもなく、何も買わずにスルー。今思えば八つ橋でも買えばよかったかな。
仁和寺のつぎは最後の観光地、今年の大河にも出てくる金戒光明寺へ。しかしここでも渋滞に捕まり、近くなのに
なかなかたどり着きません。ようやく着いたころには、もう5時になってました。閑散とした境内で、ひとり
「ここであんつぁまが…容保公が…」と、妄想にふける私。いや、金戒光明寺はとっくに桜が散っちゃってたし、
それくらいしかすることなかったんですよ…。
ちなみに、ググってみたらこのお寺ではこんなお食事が食べられるそうです。京都守護職膳…。
あと、金戒光明寺の横には一昨年の大河の主役、お江の供養塔もありました。これは知りませなんだ。
金戒光明寺の見学時間が一瞬で終わると、あとは四国へ帰るだけとなりました。帰り道、京都市内の渋滞の影響で
私とマリコはその日の最終の高速艇に乗れるかどうかキリキリしていたのですが、バスの運転手さんのがんばりの
おかげで、なんとか無事に最終便に乗ることができました。ふーやれやれ。バスが急いだ分、夕飯は途中の
淡路のサービスエリアで買った弁当で済ませることになってしまいましたが、たまたまそこで買った明石のたこめしが
ものすごく美味しかったので、「これはこれでアリか」という気になりました。もう少し時間に余裕があれば、
ゆっくりお土産を買うこともできたのですが。
天気がよくて(直前に地震が起きたけど)景色もよくて(桜はほとんど散ってたけど)、美味しいもの(どら焼きと
ソフトクリームとコロッケとSAの弁当だけど)も食べられたので、なかなか楽しい旅行でした。また来年行きたいかと
言えば、「YES」と即答はできませんけどね…。次はマリコが渡月橋の向こう岸まで脱走するんじゃないかと心配だし。
<おまけ>
最終の高速艇で島に着いたのが午後11時。そこからうちまで車で約15分の移動中、3月末まで働いていた前の職場を
通りかかったら、なんと土曜日なのに灯りが煌々とついてました。地震があったせいなのかもしれませんが、あまりに
気の毒なので私が買ってきたカントリーマアムは自宅用ではなく、お土産として差し入れることにしました。
まあ、これくらいじゃ何の気休めにもなりゃしませんけどね…はは。
こんばんは。コメントありがとうございます。
6月に京都ですか~。桜や紅葉といった観光のシーズンじゃない分、かえって修学旅行生が多そうですね。
梅雨の時期なのでお天気がちょっと心配ですが、楽しんで来てください。
カントリーマアムの抹茶プリン味は美味しかったですよ。お土産にぜひ♪(←不二家のまわしものか!)