ちょっと、間が空いてしまいましたが、早速続きを。
2回目のOTが終わった翌週の12月中旬、予定通りまた療育センターに出向き、今度は心理の検査を受けました。
受付を済ませ、待合室で待っていると、まず最初に心理の先生に案内されて、心理の検査を受けるお部屋に向かいました。
お部屋の手前まで来たところでタロスが1人で先生に連れられ、入ることになったのですが・・・。
私と離れることでとても不安そうなタロス
でしたが、
「ママは別のお部屋で先生とお話があるからね?」
と先生に説明をされて、そのまま促されて行きました。
私はそのお部屋のすぐ隣の小さなドアから中に入るように言われました。
真っ暗なその小さなお部屋には、ラックの中になにやら沢山の機材が置いてあり、その横に明らかにマジックミラーだと分かる大きな窓があり、そのすぐ前にカウンターのようにマジックミラーから中を観察できるような造りになっていました。
そこを覗くとタロスが若い女性の先生と一緒にいるのが見えました。
先ほど案内してくれた先生が
「これからこちらでタロス君のテストを行います。カメラがあるので、このモニターで様子を見てください。」
とおっしゃり、機材の扱い方を説明してくださいました。
そして、
「多分2時間くらいは掛かると思います。
明かりをつけることも出来ますが、向こう側から見えてしまうので、このままにしてくださいね?
色々動かしていただいて構いませんから、よくご覧になっていてください。
普段のタロス君の様子がよくお分かりになると思いますから。」
とニコニコしながらおっしゃったので、ちょっぴり緊張気味だった私も、少しリラックスすることが出来ました。
タロスと若い女性の先生は、マジックミラーのすぐ下の机に向かい合わせで座り、まず先生がタロスにその日やるテストの説明をしていました。
私のいたお部屋は、マイクを通して音声もばっちり聞こえています。
テストは2回に分けてやるようで、その間は休憩時間で遊ぶ時間。
そして1回のテストは6個ほどのクイズ(更にこの6個のクイズの1つ1つには15個ほどの設問がありました)がある・・・みたいに説明されていました。
スケジュールのようなプリントを見せられながら説明を受けていたタロスはそんなの余裕
みたいな事を言って、先生に話しかけていました。
この時点では私がいないことなど、もうすっかり忘れているようでした。
もう最初からイスからずり落ちんばかりの姿勢で先生の前に座るタロス。
事前に心理の先生から
「今回は就学前ということで少しレベルの高いテストをしますので。」
という風に説明を受けていたのですが、最初はタロスでも余裕で答えられるであろう範囲の簡単な質問でした。
その証拠にタロスもスラスラと答えられていました。
15個ほどの質問が終わると、机の上に出された筆箱から鉛筆を取り出してプリントになにやら書き込んだりシールを貼っていました。
そして、次に進もうと先生が話をし始めたのですが、タロスは全く話を聞かず机の上に出されたままの筆箱で遊び始めてしまいました。
先生がそれを隠すとつまらなそうな顔で、次の問題を受けていました。
そしてまたそれが終わると筆箱を出して・・・といった具合で何度かやり取りがあった後、もういちいちしまわれる筆箱が気になって仕方なかったのでしょう、段々と質問に対しての答えが投げやりになり、そして思うとおりに触れない筆箱が気になり、ずっとそのことを訴えていました。
しかし、先生は鉛筆を1本だけ出しておく約束をして、その後は涼しい顔をしてテストを続けていました。
にこりともせず
、タロスの問いかけにも答えず、淡々と進めていく先生の様子を見ていて、
(さすがだなぁ・・・。)
と思う反面、必死に訴えるタロスが相手にしてもらえないで悲しそうにしているのを胸の痛む思いがしていました。
それでも心の中で、
(頑張ってね・・・。)
と固く祈りながら、ハラハラしながら前半のテストを見守っていました。
テストが進んでいくにつれ、次第に飽きてきたタロスは、落ち着いて考えれば答えられるような質問も
「知らない。」
とか
「そんなのわかんない。」
と答えるようになってみたり。
私が聞いていても、
(はぁ?)
と思ってしまうようなよく分からない答え方だったりで、本当に不思議な気持ちでした。
休憩時間になり、お部屋の奥のほうでテストをしてくれた先生と一緒におもちゃで遊んでいるタロスを確認して、最初にお部屋に案内してくれたほうの先生が私のいるお部屋に来てくださり、
「どうでしたか?少しお話を伺いたいのでいいですか?」
とおっしゃったので、近くにあったソファに腰掛け、とにかく落ち着きのなさに衝撃を受けるほど驚いてしまったことと、私が感じた観たままの感想をお話しました。
すると先生は、それまでのタロスの行動を振り返りながら、一つ一つこんな様子でした、あんな様子でしたと確認したうえで色々説明をして下さったのです。
そこでは私が心配になるような事は特別言われてはいませんでしたが、やはり何か気になるものがあると集中できない様子が伺えているという見解でした。
集中できないとテストが進まないため、若い女性の先生はわざと無表情で淡々とテストを行っていたこと、そしてそのことを
「私どももこんな対応は辛いのですが、そうしないと自分のおしゃべりが始まってしまいますから。」
とおっしゃっていたのが印象的でした。
そして自分の話を聞いてくれない先生を前に、タロスが寂しそうな顔をしていたことも、心理の先生は気がついて下さっていたようでした。
何だか凄いなぁ・・・と感心するばかりだった私。
それから私が今一番心配なことや困っていること、家庭や保育園での様子などを聞かれ、その都度答えていきました。
色々話していると、私はどうも話が長くなってしまうので、気がつくと部屋の中は後半のテストが始まってしまっていました。
その様子を見た先生が
「今日のテストの結果を受けて、一度お母さんだけでこちらに来ていただき、お話をしたいと思うのですが、大丈夫ですか?」
と急いで聞いてこられたので、私はしっかりうなづき、その場で1週間後に伺うよう予約を取った後、再び先生が出て行かれたので、私はまたテストの様子を見ることに専念しました。
もうかなり長い時間そんな状態でテストをされていたので飽きに飽きまくったタロス。
後半のテストは集中力のなさも手伝って、散々な感じでした。
カードのようなものに描かれた絵を見て、その絵に欠けているところはどこなのか・・・などを答えさせられていたり、順番どおりに作業をさせられていたり・・・と素人が見ていても何が分かるのかさっぱり分からない
テストに感じましたが、とにかくタロスの答え方が気になって仕方がなく、じっとその様子を見つめていました。
しばらくすると今度は私の居場所が気になり始めた様子のタロス。
天井に2ヶ所設置されたカメラ(実際には半円状のカバーが掛かっていたので、それがカメラだとは外からは分からないのですが
)を指差し、
「ママはきっとあそこから観てるんだね。」
と言って手を振っていました。
そんな感じで予定通り2時間近くに渡りテストを終えたタロスは、その後少しだけお部屋で遊ばせてもらえ、さりげなく呼びに来て下さった先生と共に、私がタロスのいるお部屋に入って行くと、嬉しそうに飛びついて来たのでした。
全体的に、テストの内容は
「え?こんなに難しい質問なの?」
と思うようなものも含まれていましたが、とにかく落ち着いて聞いていたら出来るんではないだろうかと思われる内容だったように思いました。
もちろん私はこの時点でもADHDだと思い込んでいたので、この落ち着きのなさが小学校に上がった時、授業を受ける際の障害となるだろうなぁと思い、かなりこの日の様子にはショック
を受けてきました。
当然できると思っていたことも出来ていなかったり
、逆に無理だと思っていたことがすらすら出来ていたり。
冷静にタロスのことが見れたような気がしました。
ただ、そんなタロスの様子を目の当たりにした私は、
(もしかしたら私が思っていた以上に、簡単なことではないのではないか・・・?)
そんな風にも感じていました。
そして、何となく不安な気持ちを残したまま、タロスの手を引きながら療育センターを後にしたのでした。
帰り道、
「ママはどこにいたの?」
と言うタロスに、
「ママは他のお部屋で先生とお話してたんだよ?」
と答えると、タロスは、
「だって、カメラで観てたんでしょ?」
と言い始めました。
モニターで様子を観ていたので、先生がタロスにそんな話は一切していなかったのを知っていた私は、タロスの言葉を否定し、逆にどんなテストをしたのか聞いてみました。
しかしタロスはほとんど覚えておらず。
何だかところどころかいつまんで説明をするだけでした。
それもすぐに話が終わってしまいました。
タロスにとってはつまらない時間だったと言っていました。
私はそんなタロスの説明を聞いて実際に観ていたからそれでも何とか理解できたものの、タロスは本当に興味のないことには話もしないなぁと思っていたのでした。
・・・なかなか時間がなくてサクサク書けないので、途中で切れてしまい、申し訳ありません。
ですが今回もここで一旦切らせて頂きますね。
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