医科歯科通信  (医療から政治・生活・文化まで発信)



40年余の取材歴を踏まえ情報を発信

取り返しのつかない犠牲を払うことになった

2015-07-31 02:05:49 | 政治・社会・経済問題
 長崎県議会が7月9日、安保法案の今国会での成立を求める意見書を可決。
日中戦争や太平洋戦争の初期、国民は戦争の現実を知らないまま、まるでスポーツの試合結果を聞くように戦況に一喜一憂し、日本軍の快進撃をお祭り騒ぎで祝っていたが、取り返しのつかない犠牲を払うことになった。
自衛官に対して、国民が「わが子」の問題と同じように考えるような地に足が着いた議論こそ。必要ではないか。
そのとおりである。

記原爆の被害はあまりにも生々しかった

2015-07-30 23:55:39 | 政治・社会・経済問題
主人公が広島に旅をして被爆者に接する創作を思い出したが、NTTぷららのブログが閉鎖され、読み返すことができない。
心身ともに傷を負った主人公の女性が、偶然広島市内で出会った被爆者の自宅へ泊めてもらうという内容であった。
不思議なもので、創作のなかで被爆を疑似体験する。
7月30日の毎日新聞に、米原爆傷害調査委員会(ABCC)を巡る暗部を追った記事が記載されていた。
世界で初めて使用された核兵器の威力を調べる目的の委員会。
日系2世のジェームズ・ヤマザキさん(99)は1949~51年長崎の米原爆傷害調査委員会(ABCC)で小児科医として務め、母体内で被爆した「胎内被爆者」の研究を担当した。
日系2世たちは、太平洋戦争中、生まれ育った 米国に忠誠を尽くすため軍医となった。
両親の祖国はみすぼらしく、「原爆の被害はあまりにも生々しかった」と振り返る。
米ペンシルべミニア大学のスーザン・リンディー教授(科学史)は「ABCCの関心は当初、生物医学的な研究であり、被爆者の治療を組み込む発想がそもそもなかった」と指摘する。
 

日本以外の国も、慰安婦もんだいでは無罪ではありえない

2015-07-28 12:01:03 | 政治・社会・経済問題
日本は列強のアジア進出に対抗して帝国になったcolor="darkgreen">帝国とは何か?
「一つの国が強大となり、他の幾つかの国を合わせてさらに大きな国家となっもの」

帝国主義とは「他の小国の権益・存在を犠牲にしても、自国の領土・権益の拡大や伸張をはかろうとする侵略傾向」

帝国の歴史は古いが、近代史の帝国といえば19世紀の欧州列強である。
日本は列強のアジア進出に対抗して帝国になった。
帝国は新たな領土や資源を求め、遠い国に軍人や商人を送り込んだ。
そこに慰安婦の需要があった。
貧しい家の娘がカネで買われ、あっせんする業者がいた。
人権が顧みられない時代であった。
慰安婦がそのような経済社会構造から生まれたという理解は、過激でないどころか、国際的にも異論は少ないだろう。
慰安婦は性奴隷で支配・従属がすべてではない。
日本の過去を、帝国主義の世界史から読み解こうとしている。
資本と軍の移動は必然的に「女性の商品化」をもたらす。
今も世界の軍事基地周辺に「慰安婦」が見え隠れしている。
日本以外の国も、慰安婦もんだいでは無罪ではありえない。
世宗(セジョン)大学日本文学科教授・朴裕河(パクユハ)さん

政治家の言葉と責任

2015-07-26 00:47:50 | 政治・社会・経済問題
政治家の言葉は格好がよいほどに、勇ましく。
雄々しいほどに、喝采を受ける。その裏に潜む魂胆や真の意図は、勇ましいほど隠れて見えにくいものだ。
それは、歴史の事実が証明している。
1959年11月、当時の厚生省は水俣病の原因はチッソの工業排水に含まれた有機水銀の疑いが濃いとして、周辺海域の漁業禁止などの対策案を閣議に提案した。
これに対し、翌年首相になる池田勇人通産相が、有機水銀は科学的根拠に乏しい、チッソの操業を止めたら経済成長を止めることになると猛反対し、有機水銀説を抑え、何の対策も取らなかった。
その結果、水俣病が急増し、劇症による死者が相次いだ。
政策決定の作為的な失敗だったにもかかわらず、時に岸信介首相も、池田勇人通産相も責任が法的に問われることはなかった。
官僚も責任を問われなかった。
後に刑事裁判で有罪判決を受けたのは、チッソの工場長までだった。
これがこの国の責任の取り方なのだ。
安倍晋三首相は、安全保障関連法案が施行され、集団的自衛権の行使をしても、自衛隊員に死者が出るリスクはないと発言している。
戦争とはそんな甘いものではない。
日本のどこかにミサイルを打ち込まれれば「国家存立の危機」ということで、日本の自衛隊も打ち返すだろう。
そうなると住民にも死者が出るのは避けられない。
安倍首相は、そういう事態に対し、あるいは住民の犠牲に対し、どんな責任の取り方をするのか。
国会での議論は、まるで進んでいないのではないか。
作家・柳田邦男さん
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責任を取らない政治家・軍人たち。
東京裁判は、その是非はともあれ、「責任」を取らせたのだ。

戦略的勝利から2ヶ月、支持率急低下

2015-07-14 13:36:19 | 政治・社会・経済問題
「安保関連法案」で安倍総理が犯した2つのミスDIAMOND online 2015年7月14日 ロシアから見た正義

北野幸伯 [国際関係アナリスト]

4月末の米議会演説で戦略的勝利をおさめたのもつかの間。安保関連法案に関する強硬姿勢でそっぽを向く国民が増え、安倍総理は窮地に陥っている。わずか数ヵ月のあいだに、安倍内閣が犯した間違いについて、解説する。
 安倍内閣の支持率が急落している。朝日新聞が6月20、21日に実施した世論調査によると、内閣支持率は1ヵ月で6ポイント低下し、39%になった。7月4、5日に実施した毎日新聞の調査では、不支持が支持を上回り、第2次安部内閣発足後、初めて逆転した。
 支持率が下がっている理由は、「安保関連法案問題」である。直接的な理由は、衆院憲法審査会で憲法学者3人が、安保関連法を「憲法違反」と指摘し、政府がそれを事実上「無視」していること。また、自民党若手議員の勉強会で、法案に批判的なマスコミへの圧力を支持する発言が相次いだことなどだろう。しかし、この問題は、長期的視点で見ると、もっと根が深い。
■過去数年の劣勢を一気に逆転
安倍演説で「戦略的勝利」をした4月
「私たちの同盟を、『希望の同盟』と呼びましょう。米国と日本、力を合わせ、世界をもっとはるかに良い場所にしていこうではありませんか。希望の同盟。一緒でなら、きっとできます」
 4月29日、安倍総理は絶頂にあった。米議会における「希望の同盟」演説は大成功。オバマ大統領は、ホワイトハウスのツイッターに「歴史的な訪問に感謝する。日米関係がこれほど強固だったことはない」と書き込んだ。
 しかし、ここに来るまでの道は、平坦ではなかった。2012年12月に第2次安倍内閣が誕生した時、日中関係はすでに、「尖閣国有化問題」(12年9月)で「最悪」になっていた。
 12年11月、中国は、モスクワで仰天の「対日戦略」を提案している。その骨子は、①中国、ロシア、韓国で「反日統一共同戦線」をつくる ②日本の北方4島、竹島、沖縄の領土要求を退ける(つまり、沖縄は中国領) ③米国を「反日統一共同戦線」に引き入れる――である(中国、対日戦略の詳細はこちらの記事を参照)。
 この戦略に沿って中韓は、全世界で「反日プロパガンダ」を展開し、大きな成果をあげた。13年12月26日、安倍総理が米国のバイデン副大統領の「警告」を無視して靖国を参拝すると、世界的「日本バッシング」が起こる。
 中韓に加え、米国、英国、EU、ロシア、オーストラリア、台湾、シンガポールなどが、靖国参拝を非難した。この時、安倍総理は「右翼」「軍国主義者」「歴史修正主義者」とレッテルを貼られ、世界的に孤立した。
 しかし、14年3月、ロシアがクリミアを併合すると、日米関係は好転する。「対ロシア制裁」に、日本の協力が必要だからだ。そして15年3月、今度は「AIIB事件」が起こった。英国、ドイツ、フランス、イタリア、オーストラリア、イスラエル、韓国などが、続々と米国を裏切り、中国主導のAIIBに参加していく。
 その中で、日本だけは、米国以外の大国で唯一「AIIB不参加」を決めた。これで、米国にとって日本は、「英国よりもイスラエルよりも大事な国」になった。そして、4月29日の「希望の同盟」演説。オバマがいうように、日米関係は、これまでにないほど「強固」になったように思えた。
中国の戦略は、「日米分断」である。
よって、日本の戦略は、「日米一体化」である。
 安倍総理は、「希望の同盟」演説で日米一体化を成し遂げ、「戦略的勝利」をおさめた。しかし、「2つの失敗」を犯したことで、現在は再び苦境に陥っている。
■再び苦境に陥った安倍総理
「2つの失敗」とは何か?
実をいうと、1つ目の失敗は、「希望の同盟演説」の中にある。(太字筆者。以下同じ)
<日本はいま、安保法制の充実に取り組んでいます。実現のあかつき、日本は、危機の程度に応じ、切れ目のない対応が、はるかによくできるようになります。この法整備によって、自衛隊と米軍の協力関係は強化され、日米同盟は、より一層堅固になります。それは地域の平和のため、確かな抑止力をもたらすでしょう。
 戦後、初めての大改革です。この夏までに、成就させます。>
「この夏までに、成就させます」。これは、安倍総理が米国に「約束」したのだ。この約束が、「1つ目の失敗」である。
 なぜか?当たり前のことだが、約束は「守らなければならない」。つまり演説後、4ヵ月で「安保関連法案」を成立させる(「夏までに」というと、「夏に入る6月までに」という解釈もできるが、ここでは「夏中に」と考えることにする)。
 だから、急がなければならない。急ぐと、あせる。あせると、国民への説明が不十分になる。野党への根回しがイイカゲンになる。それでも「なんとか米国との約束を果たさねば」と必死になると、言動が「強引」「独裁的」になる。反対するマスコミが憎らしく思え、「懲らしめてやれ!」と思ったり、そう発言したりする議員が出てくる。結果、国民が、ますます内閣への疑念と嫌悪感を強めていくという悪循環になっている。
 そして、総理は、「米国との約束を果たすため」に急いでいるというのも重要なポイントだ。この態度は、いかにも「属国的」だ。実をいうと、国民は皆「日本=米国の属国」であることに気がついている。しかし、国政の長には、「自立した国のトップ」としてふるまってほしいのである。
 2つ目の失敗は、「中国との関係改善」である。二階俊博・自民党総務会長率いる約3000人の使節団が5月22~24日、中国を訪問した。習近平は5月23日、使節団の前に姿を現し、日本に「ラブコール」を送った。
<「朋あり遠方より来る、また楽しからずや。
 3000人余りの日本各界の方々遠路はるばるいらっしゃり、友好交流大会を開催する運びになった。われわれが大変喜びとするところだ。>
 なぜ日中関係改善が、「失敗」なのか?この時期、米中関係はどうなっていたのか、思い出してほしい。
<米中激突なら1週間で米軍が制圧 中国艦隊は魚雷の餌食 緊迫の南シナ海
夕刊フジ 5月28日(木)16時56分配信
 南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島周辺の領有権をめぐり、米中両国間で緊張が走っている。

 軍事力を背景に覇権拡大を進める習近平国家主席率いる中国を牽制するべく、米国のオバマ政権が同海域への米軍派遣を示唆したが、中国側は対抗措置も辞さない構えで偶発的な軍事衝突も排除できない状況だ。>
 これは、5月28日の夕刊フジ。つまり、訪中団が、習近平と「日中関係改善」について話し合ってから、わずか5日後だ。実際、「習近平ラブコール」の日、既に米中関係は十分悪化していた。その時、米国の「希望の同盟国」であるはずの日本は「3000人」の「大訪中団」を送り込み、「戦略的互恵関係」について協議していたのだ。 
■日本に猜疑心を覚えた米国
「二階訪中団」が裏目に
 この状況、米国のリーダーの目にはどう映るだろうか?「安倍の演説は、ウソなのではないか?」「日本は、米国を『バックパッシング』しようとしているのではないか?」と考えるだろう。
 前回も書いたが、もう一度、おさらいをしよう。大国が敵と戦う戦略には、大きく2つある。
1. バランシング(直接均衡)…自国が「主人公」になって、敵の脅威と戦う。
2. バックパッシング(責任転嫁)…「他国と敵を戦わせる」こと。自国が直接、戦争によるダメージを受けずに済む。
 この場合の「バックパッシング」とはつまり、「日本は、米中を戦わせて、自分だけ漁夫の利を得ようとしている」ということ。もちろん、日本側にそのような「狡猾さ」はない。ただ単に、「中国と仲良くしたい」と考えただけだ。しかし、米国は、そうは取らないだろう。
 安倍総理は、「希望の同盟」演説で、日米同盟を改善させたのだから、しばらくは「米国への一途さ」を示すべきだった。もちろん、中国を挑発するのは論外だが、「3000人の訪中団」はやりすぎだろう。この訪中団で、「希望の同盟演説」で醸成された米国側の「日本愛」は、かなり冷めたと見るべきだ。
 第2の失敗「日中関係改善」が引き起こした、もう一つの現象は「国民が『安保関連法案』の意義を理解できなくなった」ことだ。
「集団的自衛権行使」を実現するための「安保関連法案」。反対派と賛成派の論理は、真っ向から対立している。反対派の論理は、「米国の戦争に巻き込まれる」である。米国は、21世紀に入って、アフガン、イラク、リビア(=北アフリカに位置)で戦争をしている。そして、13年にはシリアと戦争直前の状態になった。現在は、少し関係が改善しているが、イスラエルロビーのプッシュで、イラン戦争が起こる可能性も否定できない。
 つまり、「米国の戦争に巻き込まれる」というのは「中東戦争に自衛隊が送られることへの恐怖」といえるだろう。
 一方、賛成派の主張は、「尖閣、沖縄を狙う中国と対抗するために、日米関係をもっと緊密にしなければならない」。つまり、「中国の脅威があるから、安保関連法が必要だ」という論理だ。ところが、習近平のスピーチとスマイルで、日中関係が改善してしまった。これは、「安保関連法案」の視点からすると、「対中国で必要」という賛成派の主張への大きな打撃である。
「安保関連法案を通さなければならない時期」に、なぜ大訪中団を送ったのか、とても理解に苦しむ。
■強行採決すれば祖父と同じ道?
安倍総理が危機を脱出する方法
 では、安倍総理は、これからどう動けばいいのだろうか?問題の本質はなんだろう?論点は大きく分けて、2つに整理される。
 1つ目は、安倍総理が米国に「安保関連法案を、夏までに成立させる」と約束したこと。もし約束が守れなかったら、どうなるのだろう?元外務省国際情報局局長・孫崎享氏の著書「アメリカに潰された政治家たち」(小学館)は、こんな印象深いフレーズからはじまる。


<皆さんは、「日本の総理大臣」は誰が決めているのか、ご存知でしょうか?>(「アメリカに潰された政治家たち」8p)

<国民の与り知らぬところで何かが起き、いつのまにか総理の首がすげ替えられることは日本ではよくあります。しかも、政権が代わるたびに、日本におけるアメリカのプレゼンスが増大しているのです。(中略)
 そして、そのときに失脚した政治家は、おしなべてアメリカを激怒させる“虎の尾”を踏んでいました。>(同上10p)

 孫崎氏は、要するに「日本の総理大臣を決めているのは米国だ」と主張している。本当かどうか確認することはできないが、市井の「陰謀論者」ではなく、元外務省国際情報局局長の言葉であることが重要だ。そして国民も、「親米派の内閣は長続きするよね」と感じている(例、中曽根内閣、小泉内閣)。
 つまり、安倍総理は、米国との約束を破ることで、政権が崩壊することを恐れているのではないだろうか?(もちろん、総理の心の内面までわかるはずもないが)
 2つ目は安保関連法案を強行採決することで、さらに支持率が下がり、政権が崩壊すること。自民と公明は、安保関連法案を強行採決して成立させることができる。だが、それをやると、「独裁的だ」「やはり軍国主義者だ」との批判が高まり、安倍内閣は崩壊に向かうかもしれない。
 ちなみに、安倍氏の祖父である、故・岸信介元首相は1960年5月19日、「新安保条約」を強行採決した。しかし、2ヵ月後には総辞職している。安倍総理も、祖父と同じ道を行くかもしれない(あるいは、強行採決して支持率が下がっても、サバイバルする方法を見つけるかもしれないが)。
 もう一度整理すると、
1、米国との約束を破れば、安倍内閣は崩壊するかもしれない。
2、しかし、国民を無視して「強行採決」すれば、民意によって安倍内閣は崩壊するかもしれない。
 要するに、「止まっても崩壊」「進んでも崩壊」だ。もちろん、必ずそうなるわけではないが、非常に舵取りが難しい局面であることは間違いない。
 筆者が安倍総理にお勧めしたいのは、日本国民と米国、両方によい道である。たとえば、こんな会話だ。
日本:「親中派の巻き返しが激しく、約束は果たせない」
米国:「強行採決したらどうなるか?」
日本:「強行採決は可能だが、それをやると国民の反発が高まり、退陣に追い込まれる可能性がある」
米国:「あなたが辞めたらどうなるか?誰が次の総理になるか?」
 ここで、「3000人訪中団を率いたバリバリの親中派・二階氏が最有力候補だ」と伝えるのだ。すると米国は、「二階氏が総理になると日本はどうなるか?」と質問してくるだろう。総理は、「鳩山・小沢時代のごとく、日米同盟はメチャクチャになるだろう」と伝える。
 要するに、「約束は守れないが、私が総理を続投しなければ大変なことになる」と主張するのだ。「小鳩時代の悪夢再現」を恐れる米国は、納得してくれるのではないだろうか。こうして時間を確保した総理は、腰をすえて「安保理関連法案」成立に取り組むことができる。
 国民への説明と野党への根回しをより丁寧にしていくことで、「独裁」「軍国主義者」という批判を和らげることができるだろう。
P.S
.ちなみに筆者は、「安保関連法案」を支持している。それは、「集団的自衛行使容認」を支持するのと同じ理由である。総理の「手法」に不満な方も、是非こちらの記事(「集団的自衛権」行使容認は日本の「安全」のため
戦争準備に入った中国を牽制する唯一の道)を参考にしていただきたい。

「私はテレビに呼ばれたら自己判断で行く」

2015-07-12 04:11:36 | 政治・社会・経済問題
自民・二階氏


朝日新聞 DIJITAL 2015年7月11日 ■二階俊博・自民党総務会長
 私は、テレビから呼ばれたら、自分の判断で行く。党の誰かに相談して許可をもらって行ったことはない。若手の議員だって同じだと思う。
 (自民党の棚橋泰文幹事長代理が、TBSのアンケートに答えないよう所属議員に指示を出していた問題について)それは全くばかげたことだ。みんな、国会議員として選挙を勝ち抜いて当選してきているんだから、その本人の判断に任せてあげればいいんじゃないか。(番組に)出ないように言ったところで、出るのは出る。自らの党の国会議員を信じなくて何を信じるんですか。どなたが言ったのか知らないが。(和歌山市内で記者団に)
これが自由と民主主義を標榜する党の幹事長代理なのでしょうか……。















「安倍語」なぜ共感できないか

2015-07-06 16:34:43 | 政治・社会・経済問題
この国の政治が、政治家が道を誤らないように、マスメディアも個人も、どれだけ個々の政治家が誠実で、道を間違えないようによく考えているかを、よく監視し、発言しないと、えらい目に会うのではないかと心配になるこの頃なのです。
それで、安全保障法案は、選挙で国民の意思を確認せずに一気に成立させようという、首相のずるいやり方では、国民(特に若い人)に、法治国家と議会制民主主義の信用をなくさせるものでしかないような気がします。とにかく数の力を持ったものは何でもやれるのだという、虚しさが残るばかりでは、何も進歩しません。

毎日新聞 特集ワイド:続報真相 
「ごまかし話法で脅し」/「最前線・沖縄、隠す狙い」毎日新聞 2015年06月05日 (東京夕刊)

 「バカヤロー」や「無党派は寝ててくれたらいい」のような歴史に残る暴言があったわけではない。だが、安全保障法制を巡る一連の答弁は、いかがなものか。安倍晋三首相の国会論戦での「言葉」だ。野党からは「長過ぎる」「質問に答えていない」と非難ごうごう。国家の根本方針の大転換にもかかわらず、議論は深まらない。そのカギを握る「安倍語」を探った。
 ◆「丁寧な説明をしたい」と言いつつ「一概に申し上げることはできない」
 誰もが「またか」と思っただろう。5月28日の衆院平和安全法制特別委員会で、辻元清美議員(民主党)が質問に立った時だった。
 辻元氏 「『ちょっとだけ』といって、いつも大きな戦争に広がっていってるわけです。総理、こうもおっしゃってますよ」
 安倍首相 (着席したままで)「早く質問しろよ!」
 2月の衆院予算委で、首相は西川公也前農相の献金問題を追及する民主党議員に「日教組もやっているよ!」と事実でないヤジを飛ばし、陳謝に追い込まれた。にもかかわらず、品のない発言を繰り返した。直後に「言葉が少し強かったとすればおわび申し上げたいと思います」と述べ、1日の特別委でもわびた。が、「少し強かったとすれば」という留保がひっかかる。
 「歴代首相の言語力を診断する」の著者で、立命館大の東照二教授(社会言語学)は「『言葉にパンチを利かせすぎたが、内容は誤っていない』と言っているよう。国民の理解を得たいと思っているか疑問です」と言う。
 首相は一連の法改正について「残念ながら国民の理解が進んでいない。委員会を通じ、国民的な理解を深めたい」(5月28日、維新の党の太田和美議員への答弁)と述べ、また「丁寧な説明をしたい」と何度も口にしている。だが、言行が一致しているとは思えない。例えば、こんな具合だ。
 27日、松野頼久議員(維新)は「法改正をしなくてはならない何か相当な危機が迫っているのか」と問うた。首相は「では危機が起こらないと言えるのか」と反論した。東さんは「この逆質問は『あなたとは価値観を共有しない』と相互理解を拒む姿勢の表れです」と解説する。
 さらに松野議員が「(武力行使できる新3要件に盛り込まれた)『国民の幸福追求権を根底から覆す事態』とは何か」と具体的な説明を求めると、「実際に発生した個別具体的な状況に即して判断する必要がある。一概に申し上げることはできない」「どういう危機になるか個別的に申し上げられない。(言うことは)むしろ無責任ではないか」と突っぱねた。
 ここで思い出すのは、小泉純一郎元首相のあの発言だ。2003年7月。イラク復興特別措置法案の審議中、陸上自衛隊の派遣先を「非戦闘地域」と限定し、その具体例を問われた。小泉元首相は「どこが非戦闘地域かと聞かれても、わかるわけがない」と答弁。野党の激しい批判を浴びた。
 だが、東さんは違った角度から分析する。「確かに無責任な発言といえますが、本音を正直に語っている。事態は刻一刻と変化するので、『わからない』はある意味で事実。国民は『そりゃあわからないよね』と共感を覚えてしまう」。一方の安倍首相。「答弁に具体性がないのは小泉さんと同じですが、安倍さんの『一概に言えない』『答えるのは無責任』は、国民からすれば質問した側に問題があると反論されたように思い、不誠実だと感じます。国民が共感するのは、情緒的でわかりやすく、身近に感じられる言葉。安倍さんの言葉遣いは、国民を引きつけて納得させるという点では、小泉さんに及びません」
 事実、直近の共同通信社の世論調査では、安倍政権の姿勢について「説明不足」の回答が約81%だった。国民の納得や共感にはほど遠いのだ。
 ◆海峡封鎖で「病院にエネルギーが供給されない事態が起こってもいいのか」
 ◇「ごまかし話法で脅し」
 「特集ワイド」は「安倍語」を何度も取り上げてきた。例えば「安倍首相の消費増税スピーチを読み解く」(13年10月3日)▽「核心答えぬ『安倍語』」(14年7月11日)▽「見過ごせない! 安倍首相のヤジ」(2月26日)などだ(いずれも東京本社発行版)。昨年7月に閣議決定された集団的自衛権行使容認を説明する記者会見や国会での答弁について、「自分の信念から導いた結論だけをぽんぽんと打ち上げて、それらがどうつながっているかの論理的説明が乏しい」と「飛び石的話法」を指摘する識者もいた。
 「今回は論理をすり替える『ごまかし話法』と呼ぶのがふさわしい」。成蹊大の高安健将(けんすけ)教授(比較政治)は評する。27日の大串博志議員(民主)とのやりとりが典型という。
 大串議員 「活動エリアが広がるから自衛隊のリスクが高まる、と考えるのが普通ではないか」
 安倍首相 「今まで自衛隊に死傷者が出ていなかったかのごとくの認識ですが、それは違いますよ」「新法にのっとって、自衛隊はしっかりと訓練を重ねていくことによってリスクを低減する」
 高安さんは「これまでの自衛隊の犠牲は、ほとんどが訓練中や災害時等の事故死であり、戦闘行為による死者はゼロ。全く質が違う両者をわざと混同させている。さらに危険な地域に近付くことによる戦闘のリスクの質問なのに、訓練で低減できるリスクを語っており、質問に正面から答えていない」。
 高安さんが特に驚いた発言がある。前出の松野議員が「きちんと細かくシミュレーションして示すべきだ」と詰め寄ると、首相は「(石油輸送の要衝である中東)ホルムズ海峡が封鎖されて誰も何もしませんよということなら、病院にエネルギーが供給されない事態が起こってもいいのか」と語気を強めた。
 一見、具体例に踏み込んだように聞こえる。しかし「ホルムズ海峡を通るのは日本の石油タンカーだけではない。海峡が封鎖されて、国際社会が全く手を打たない事態は現実味が乏しい。このように現実離れした状況を提示したうえで、『生活に不可欠な施設が混乱してもいいのか』とたたみかける。これでは国民への脅しに聞こえます」。
 もう一点気になるのが「異なる立場の人への敬意のなさ」だという。例えば−−。
 「与党側はこんなに静かに礼儀正しく聞いてるじゃないですか。みなさんも少しは見習ったらどうですか」▽「議論の妨害はやめていただきたい。学校で習いませんでしたか」▽「我々は国民の生命と幸せな暮らしを守る責任があるわけです。大きく変化する安全保障状況に目をそらすわけにはいかない。(民主党衆院議員の)長妻(昭)さんにそれはないかもしれませんが」(いずれも27日)
 政治的立場の違いを尊重しあうのは、自らの主張が誤っている可能性があるためで、議論の前提、ひいては民主主義の基本だろう。議院内閣制の先輩・英国議会に詳しい高安さんは「英国議会での議論が常に充実しているわけではありません。しかし、答弁する側は、野党議員も国民の代表であることに敬意を払い、厳しい質問にも誠実に答えるのが常識です。安倍さんの言葉からはそういう姿勢や品位が感じられません」と嘆いた。
 ◆「武力行使はホルムズ海峡での機雷除去しか今は念頭にない」
 ◇「最前線・沖縄、隠す狙い」
 米軍基地が集中する沖縄では「安倍語」はどう受け止められているのか。
 沖縄県在住の映画監督、三上智恵さん。政府が名護市・辺野古沖に進める基地建設に反対する住民を描いた「戦場ぬ止み(いくさばぬとぅどぅみ)」が公開中だ。首相が「武力行使はホルムズ海峡での機雷除去しか今は念頭にない」と強調するのは「カムフラージュだと思う」と言うのだ。
 どういうことか。「米国は中国海軍の動きを封じ込めるため、沖縄の自衛隊の活用を考えています。万一、米中の軍事衝突があった場合には、日本が集団的自衛権を行使すれば共同対処できるという思惑がある。つまり米中間の戦争に日本が参加することになり、最前線の沖縄がその舞台にされてしまう。例えば宮古島には軍艦を撃沈する自衛隊の地対艦ミサイル部隊の配備が予定されており、攻撃対象になりかねない。安倍首相は『石油がなくなったら大変』というわかりやすい例を繰り返すことで、沖縄で起きている事態から目をそらさせようとしているのでは」
 「安倍語」は国民の不安を減らすどころか、かえって増大させたのではないか。このまま審議を終わらせ、採決に持ち込もうとするなら、それは許されない。【江畑佳明】

「経団連に働きかけ、マスコミ懲らしめを」

2015-06-27 19:59:25 | 政治・社会・経済問題
「経団連に働きかけ、マスコミ懲らしめを」
自民勉強会“文化芸術懇話会”

朝日新聞デジタル 2015年6月25日 配信

 安倍政権と考え方が近い文化人を通し、発信力の強化を目指そうと、安倍晋三首相に近い若手議員が立ち上げた勉強会「文化芸術懇話会」(代表=木原稔・党青年局長)の初会合が25日、自民党本部であった。出席議員からは、広告を出す企業やテレビ番組のスポンサーに働きかけて、メディア規制をすべきだとの声が上がった。
 出席者によると、議員からは「マスコミを懲らしめるには広告料収入がなくなるのが一番。経団連に働きかけて欲しい」「悪影響を与えている番組を発表し、そのスポンサーを列挙すればいい」など、政権に批判的な報道を規制すべきだという意見が出た。
 初会合には37人が参加した。官邸からは加藤勝信官房副長官が出席し、講師役に首相と親しい作家の百田尚樹氏が招かれた。同会は作家の大江健三郎氏が呼びかけ人に名を連ねる「九条の会」などリベラル派に対抗するのが狙い。憲法改正の国民投票まで活動を続けたい考えだという。













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安倍首相支持の勉強会
「文化芸術懇話会」が発足

産経新聞  6月25日(木) 配信

 自民党の若手国会議員有志は25日、芸術家を講師に招いて意見交換する勉強会を発足させた。出席者には、安倍晋三首相(自民党総裁)に近い議員も多く、9月の総裁選を前に首相の無投票再選の機運を高める狙いがある。

 新勉強会は「文化芸術懇話会」。設立趣意書によると、芸術家との意見交換を通じ「心を打つ『政策芸術』を立案し、実行する知恵と力を習得すること」を目的としている。

 この日、党本部で開いた初会合には加藤勝信官房副長官や薗浦健太郎外務政務官、萩生田光一総裁特別補佐ら首相を支持する議員を中心に37人が出席、作家の百田尚樹氏の講演に耳を傾けた。

 代表に就任した木原稔党青年局長は会合後、記者団に「党所属国会議員として、党や政府が進めようとしていることを後押しするのは当然だ」と強調。総裁選に向け、首相の「応援団」として活動するとみられる。今後は月1回のペースで会合を開催する予定。

 一方、党内のリベラル系議員による勉強会「過去を学び『分厚い保守政治』を目指す若手議員の会」も同日、漫画家の小林よしのり氏を講師に招いて会合を開く予定だったが、「運営上の都合」(同会)により急遽(きゅうきょ)中止した。












「経団連に働きかけ、マスコミ懲らしめを」
自民勉強会“文化芸術懇話会”

朝日新聞デジタル 2015年6月25日 配信

 安倍政権と考え方が近い文化人を通し、発信力の強化を目指そうと、安倍晋三首相に近い若手議員が立ち上げた勉強会「文化芸術懇話会」(代表=木原稔・党青年局長)の初会合が25日、自民党本部であった。出席議員からは、広告を出す企業やテレビ番組のスポンサーに働きかけて、メディア規制をすべきだとの声が上がった。
 出席者によると、議員からは「マスコミを懲らしめるには広告料収入がなくなるのが一番。経団連に働きかけて欲しい」「悪影響を与えている番組を発表し、そのスポンサーを列挙すればいい」など、政権に批判的な報道を規制すべきだという意見が出た。
 初会合には37人が参加した。官邸からは加藤勝信官房副長官が出席し、講師役に首相と親しい作家の百田尚樹氏が招かれた。同会は作家の大江健三郎氏が呼びかけ人に名を連ねる「九条の会」などリベラル派に対抗するのが狙い。憲法改正の国民投票まで活動を続けたい考えだという。














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安倍首相支持の勉強会
「文化芸術懇話会」が発足

産経新聞  6月25日(木) 配信

 自民党の若手国会議員有志は25日、芸術家を講師に招いて意見交換する勉強会を発足させた。出席者には、安倍晋三首相(自民党総裁)に近い議員も多く、9月の総裁選を前に首相の無投票再選の機運を高める狙いがある。

 新勉強会は「文化芸術懇話会」。設立趣意書によると、芸術家との意見交換を通じ「心を打つ『政策芸術』を立案し、実行する知恵と力を習得すること」を目的としている。

 この日、党本部で開いた初会合には加藤勝信官房副長官や薗浦健太郎外務政務官、萩生田光一総裁特別補佐ら首相を支持する議員を中心に37人が出席、作家の百田尚樹氏の講演に耳を傾けた。

 代表に就任した木原稔党青年局長は会合後、記者団に「党所属国会議員として、党や政府が進めようとしていることを後押しするのは当然だ」と強調。総裁選に向け、首相の「応援団」として活動するとみられる。今後は月1回のペースで会合を開催する予定。

 一方、党内のリベラル系議員による勉強会「過去を学び『分厚い保守政治』を目指す若手議員の会」も同日、漫画家の小林よしのり氏を講師に招いて会合を開く予定だったが、「運営上の都合」(同会)により急遽(きゅうきょ)中止した。





「経団連に働きかけ、マスコミ懲らしめを」
自民勉強会“文化芸術懇話会”

朝日新聞デジタル 2015年6月25日 配信

 安倍政権と考え方が近い文化人を通し、発信力の強化を目指そうと、安倍晋三首相に近い若手議員が立ち上げた勉強会「文化芸術懇話会」(代表=木原稔・党青年局長)の初会合が25日、自民党本部であった。出席議員からは、広告を出す企業やテレビ番組のスポンサーに働きかけて、メディア規制をすべきだとの声が上がった。
 出席者によると、議員からは「マスコミを懲らしめるには広告料収入がなくなるのが一番。経団連に働きかけて欲しい」「悪影響を与えている番組を発表し、そのスポンサーを列挙すればいい」など、政権に批判的な報道を規制すべきだという意見が出た。
 初会合には37人が参加した。官邸からは加藤勝信官房副長官が出席し、講師役に首相と親しい作家の百田尚樹氏が招かれた。同会は作家の大江健三郎氏が呼びかけ人に名を連ねる「九条の会」などリベラル派に対抗するのが狙い。憲法改正の国民投票まで活動を続けたい考えだという。


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安倍首相支持の勉強会
「文化芸術懇話会」が発足

産経新聞  6月25日(木) 配信

 自民党の若手国会議員有志は25日、芸術家を講師に招いて意見交換する勉強会を発足させた。出席者には、安倍晋三首相(自民党総裁)に近い議員も多く、9月の総裁選を前に首相の無投票再選の機運を高める狙いがある。

 新勉強会は「文化芸術懇話会」。設立趣意書によると、芸術家との意見交換を通じ「心を打つ『政策芸術』を立案し、実行する知恵と力を習得すること」を目的としている。

 この日、党本部で開いた初会合には加藤勝信官房副長官や薗浦健太郎外務政務官、萩生田光一総裁特別補佐ら首相を支持する議員を中心に37人が出席、作家の百田尚樹氏の講演に耳を傾けた。

 代表に就任した木原稔党青年局長は会合後、記者団に「党所属国会議員として、党や政府が進めようとしていることを後押しするのは当然だ」と強調。総裁選に向け、首相の「応援団」として活動するとみられる。今後は月1回のペースで会合を開催する予定。

 一方、党内のリベラル系議員による勉強会「過去を学び『分厚い保守政治』を目指す若手議員の会」も同日、漫画家の小林よしのり氏を講師に招いて会合を開く予定だったが、「運営上の都合」(同会)により急遽(きゅうきょ)中止した。

出版6社、発売後一定期間で値下げ 
アマゾンと組む





日本経済新聞 電子版 2015/6/26 2:00 配信

 インターネット通販大手のアマゾンジャパン(東京・目黒)とダイヤモンド社(東京・渋谷)など中堅出版社6社は26日から、発売から一定期間がたった書籍の値下げ販売を始める。まず約110タイトルをアマゾンのサイトで定価から2割下げる。低価格で集客したいアマゾンと、返品を減らしたい出版社の思惑が一致した。

ダイヤモンド社の「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだらも値下げの対象
 ダイヤモンド社のほか、インプレス(東京・千代田)、主婦の友社(東京・文京)、翔泳社(東京・新宿)、サンクチュアリ出版(東京・渋谷)、広済堂が値下げに参加する。26日から7月31日まで主に発売後3カ月から数年がたった書籍を値下げし、消費者の反応を見た上で、タイトル数を増やすなど枠組みを広げていく方針だ。
 一方、講談社や集英社など大手出版社は当面は値下げの枠組みに参加しないとみられる。
 通常、出版社は取次会社を経由して書籍を書店に納めている。再販制度の対象の書籍は、出版社が小売価格を決める代わりに、あまり売れなかった場合、書店は出版社に返品することができる。地域格差や書店の規模に関係なく同一価格で読者に書籍を届けることができ、書籍の多様性も守れるといった利点がある。
 ただ、出版科学研究所(東京・新宿)によると、2014年の出版物の推定販売額は1兆6065億円と、ピークの1996年から約4割減った。出版不況が続く中、書籍の返品率は40%近くに達するとされ、中小出版社にとっては返品率の低減によるコスト抑制が大きな課題となっている。


 今回のアマゾンの仕組みでは、アマゾンと出版社の間で「時限再販」と呼ぶ契約をして、対象書籍を一定期間後に再販制度の枠組みから外すことで値引きできるようにする。出版6社にとっては再販によって守られる利点より返品を減らす利点のほうが大きいとの判断だが、現状の再販契約で引き続き定価販売する一般の書店からは、制度を揺るがしかねないと反発が起きる可能性がある。
 時限再販は日本出版販売とカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が出資するMPD(東京・渋谷)が一部の出版社と組んで実施しているが、販路は実質的にTSUTAYAに限定され、出版業界の主流取引にはなっていない。
 アマゾンは12年8月から書籍価格の10%をポイントで還元する学生向けサービスを展開している。今回、運営サイトへの集客を増やすため、さらに踏み込んだ施策を打ち出した形だ。









百田氏発言:「沖縄の新聞社潰せ」
……自民「謝罪する」

毎日新聞 2015年06月26日 配信
 自民党の25日の勉強会で作家の百田尚樹氏が、安全保障関連法案に関し、沖縄の新聞社2社について「潰さないといけない」などと報道機関を批判する発言をした問題で、民主、維新、共産3党は26日午前の衆院平和安全法制特別委員会の理事会で、抗議した。自民党側は陳謝した。
 民主党の長妻昭氏によると、野党側は勉強会に出席した加藤勝信官房副長官の特別委出席を要求し、与党側も応じた。自民党の江渡聡徳筆頭理事が「謝罪する」と述べ、浜田靖一委員長も「しかるべき人に注意したい」と語った。
 また、菅義偉官房長官は26日午前の記者会見で、「憲法で表現の自由が保障されている」と述べ、政府として距離を置く姿勢を示した。加藤官房副長官らの出席については「政治家としての自由で、制約すべきでない」と問題視しない考えを示した。
 菅氏は米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設を巡り政権批判を強める琉球新報と沖縄タイムスについては「地元メディアの報道は許された自由だと考える」と述べた。
 閣僚からは批判的な発言が相次いだ。石破茂地方創生担当相は「我々は政権の側にいる。言論の弾圧と受け取られかねないようなことは心していかねばならない」と批判。山口俊一沖縄・北方担当相は「自民党本部でやった会合。場所柄を考えていただきたい」と述べた。党内でも懸念する声が上がっており、谷垣禎一幹事長は26日午前の記者会見で「メディアに対して批判、反論はあっていいが、主張の仕方にも品位が必要だ」と苦言を呈した。【高本耕太、村尾哲】]












高久氏、日本医学会長再選
6期目、副会長4人に

m3.com 2015年6月25日(木) 配信 橋本佳子(m3.com編集長)


日本医学会会長に再選された、高久史麿氏。
 日本医学会臨時評議員会と日本医学会連合定時総会は6月24日、任期満了に伴う役員選挙を実施し、会長には現職の高久史麿氏が再選された。高久氏は2004年から会長を務めており、6期目。副会長は前期の3人から1人増え4人体制となり、臨床・外科系の門田守人氏(がん研有明病院院長)、基礎の清水孝雄氏(国立国際医療研究センター研究所長)が再選され、臨床・内科系の寺本民生氏(帝京大学臨床研究センター長)、社会の岸玲子氏(北海道大学環境健康科学研究教育センター特任教授)が新たに選ばれた。
 日本医学会は、日本医師会の一組織の位置付け。2014年4月、法人格を持つ一般社団法人として、日本医学会連合が発足した。役員は、両団体が共通。日本専門医機構の社員など、法人格が必要な場合には日本医学会連合として活動している。
 役員の任期は2年。ただし、前期(2012年4月から)の任期は、2014年の日本医学会連合の発足に伴い、例外的にこの6月までの3年だった。役員選挙は、日本医学会に加盟している123の学会代表者により行う。会長選挙については複数の候補の中から絞りこまれ、最終的には門田氏との決戦投票になった。24日の出席者112人による投票の結果、高久氏が過半数を獲得した。
 副会長は、内科系、外科系、基礎、社会から各1人で、計4人。前期までは内科系と外科系が「臨床系」で1人だったため、副会長は3人体制だった。そのほか、理事15人、監事3人も決定した。
【日本医学会の新役員体制】
会長 高久史麿氏
副会長 基礎:清水孝雄氏、社会:岸玲子氏、臨床・内科系:寺本民生氏、臨床・外科系:門田守人氏
理事 基礎:成宮周氏、宮園浩平氏、社会:大江和彦氏、遠山千春氏、臨床・内科系:池田康夫氏、小川久雄氏、春日雅人氏、門脇孝氏、小池和彦氏、三嶋理晃氏、臨床・外科系:岩本幸英氏、國土典宏氏、小西郁生氏、高本眞一氏、森正樹氏
監事 基礎:奥村康氏、社会:稲葉裕氏、臨床:里見進氏










安全保障関連法案への批判高まる
毎日新聞社説:
国会は「違憲法案」を通すな
毎日新聞 2015年06月25日 東京朝刊
 きょうから約3カ月間の延長国会が始まる。安全保障関連法案をめぐるこれからの国会審議は、戦後70年の節目に国のあり方を決める大きな岐路となる。
 ここまで1カ月の審議を通じ、関連法案は「憲法違反」であるとの批判が高まっている。それなのに政府は本質的な問題に正面から答えない。答弁がころころ変わる。自衛隊の活動拡大には、法的安定性と国民の理解が不可欠だが、どちらも欠いている。
 安倍晋三首相は先週の衆院予算委員会で「国際情勢に目をつぶって、従来の(憲法)解釈に固執するのは、政治家としての責任放棄だ」と語った。だが、従来の憲法解釈との論理的整合性を重視するのは当然のことだし、法案に反対する人たちが国際情勢に目をつぶっているわけでもない。
 政府が憲法解釈変更の根拠とした1972年の政府見解は、憲法は「自衛の措置」を禁じていないが、その措置は必要最小限度にとどまるべきで、集団的自衛権の行使は許されない、と言っている。
 新しい憲法解釈では、同じ論理を使いながら「安全保障環境の根本的な変容」を理由として、結論だけを集団的自衛権の行使は許される、と正反対に変えた。
 こんな恣意(しい)的な解釈変更を認めれば、憲法の規範性は崩れ、国民は憲法を信頼できなくなる。論理的整合性がとれないのなら、憲法改正を国民に問うべきだ。
 私たちは、安全保障環境の変化に合わせて法制を検討することは否定しない。米国の力の低下や中国との緊張が続く尖閣諸島をめぐり、国民に漠然とした不安が広がっているのもわかる。だが、そういう抽象的理由では、憲法解釈を変更してまで集団的自衛権の行使を容認する説明にはならない。
 尖閣諸島の防衛は、個別的自衛権と日米安保で対処できる。
 首相が集団的自衛権行使の典型例としてこだわる中東の機雷掃海も、安全保障環境の変化とどうつながるのか理解に苦しむ。
 政府は、他国防衛でなく自衛のための「限定容認」だという。だが、中東有事で経済的理由のために集団的自衛権を行使する事例こそが、政府の判断次第で歯止めがかからなくなることを示している。認めるわけにいかない。
 集団的自衛権の行使容認のための法案は、撤回するか廃案にすべきだ。重要影響事態法案についても、世界中で自衛隊が米軍などに後方支援できるようにする内容である以上、同意できない。
 一方、国連平和維持活動(PKO)協力法改正案や国際平和支援法案は、関連法案から切り離し、修正のうえ与野党の幅広い合意を得る方向で検討してはどうか。
 安全保障環境の変化に対応するには、まず自国の守りを固め、同時に憲法の枠内で国際協力活動に取り組む必要がある。勢いにまかせて全部やってしまおうという乱暴な発想ではなく、法案を絞り込むべきだ。









「入れ歯の治療費高すぎる」歯科診療所兼住居に侵入
患者の男を逮捕/京都
産経新聞 6月22日(月)配信
 歯科医師の住居に侵入したとして、京都府警山科署は22日、住居侵入の疑いで、京都市山科区の無職、山内武容疑者(63)を現行犯逮捕した。同署によると、容疑を認め、「金を返してもらいにきた」と供述している。
 逮捕容疑は22日午前9時半ごろ、同区の歯科医師の男性(54)の診療所兼住居に侵入したとしている。山内容疑者は、首に約1メートルの鎖をまいたうえ、手に2メートルの鎖を持った状態で診療所の玄関から侵入。土足で居住スペースに入り込んだところで、男性の妻が発見し、通報で駆けつけた同署員が現行犯逮捕した。
 同署によると、山内容疑者は男性の患者で、「入れ歯の治療費に100万円かかった。高すぎて納得できなかった」と供述しているという。山内容疑者は手に持った鎖で男性の妻を威嚇。カッターナイフと果物ナイフも所持していたといい、同署は暴力行為法違反や銃刀法違反の疑いもあるとして捜査している。

百田氏「沖縄2紙つぶせ」発言
「雑談の中で冗談として言った」
スポーツニッポン 2015年6月26日 スポニチアネックス
 作家の百田尚樹氏(59)が26日、自身のツイッターを更新。前日25日に自民党の若手議員が党本部で開いた憲法改正を推進する勉強会「文化芸術懇話会」の初会合に講師として招かれ、「沖縄の2つの新聞はつぶさないといけない」などと発言したことについて「講演で言ったものではない。講演の後の質疑応答の雑談の中で、冗談として言ったものだ」と釈明した。

 沖縄県の地元紙が政府に批判的だとの意見が出たのに対し、百田氏は「沖縄の2つの新聞はつぶさないといけない。沖縄のどこかの島が中国に取られれば目を覚ますはずだ」と主張した。

 出席議員からは、安全保障関連法案に対する国民の理解が広がらない現状を踏まえ、報道機関を批判する意見が噴出。「マスコミをこらしめるには広告料収入をなくせばいい。文化人が経団連に働き掛けてほしい」との声が上がった。

 百田氏は前日25日夜には「ギャグで言った言葉を切り取られた。しかも部屋の外から盗み聞き!卑劣!それにしても、報道陣は冒頭の2分だけで退室したのに、ドアのガラスに耳をつけて聞き耳してるのは笑った。しかし、正規の取材じゃなくて盗み聞きを記事にするのは、ルール違反だし、卑劣だろう!」とツイートした。

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百田氏「貧乏長屋」発言を釈明も謝罪なし
「ギャグ」「活字は厄介」
スポーツニッポン 2014年6月1日 スポニチアネックス


百田尚樹氏
Photo By スポニチ
 ベストセラー「永遠の0」で知られ、NHK経営委員も務める作家の百田尚樹氏(58)が1日放送のフジテレビ「ワイドナショー」(日曜前10・00)に出演。「軍隊を家に例えると防犯用の鍵」とした上で、軍隊を持たない南太平洋の島国バヌアツやナウルを名指しで「家に例えるとクソ貧乏長屋で、泥棒も入らない」と侮辱とも取れる発言したことについて釈明したが、謝罪や発言撤回はなかった。

 問題発言が飛び出したのは、先月24日に岐阜市民会館で開かれた自民党岐阜県連定期大会の講演。1時間半の講演のうち、冒頭「自衛権、交戦権を持つことが戦争抑止力につながる」と持論を展開し、世界約200カ国の中で軍隊を持たないのは20数カ国であることを説明した後、バヌアツとナウルについて言及した。

 関西を舞台に長く放送作家を務めた百田氏は「大阪ではね、強調ために『ド』とか『クソ』を付けるクセがあるんですよ」とし、今回の件を「単なるギャグ」と説明。“問題発言”の後「入った泥棒も、あんまりかわいそうやから、小遣いでも置いていこうか。そういう国や」と言い「(会場は)ドッと笑ったんですけどね。(記事に)書くんだったら、そこまで書けよ、と」と報道の在り方に“苦言”も。「講演出ても、笑いがないと寂しくなってくるんで」と“リップサービス”だったと語った。

 その証拠に、関東には流れない大阪・読売テレビ「たかじんのそこまで言って委員会」(日曜後1・30)で1年前にも同じ話をしたが、何のクレームもなかったという。「それ見たらね、完全にギャグで言ってんねやというのが分かるんですよ。活字にしてやるっていうのが、いやらしい。活字っていうのは厄介」と真意が伝わらないことを嘆いた。

 MCの東野幸治(46)が「バヌアツやナウルの国の人たちが聞いたら、悲しい思いをする、配慮が足りなかったかなとは思わないんですか?」と水を向けると、百田氏は「うーん、でも事実でしょ」とキッパリ。「謝る気はないですか?」には「うーん、これは例え話やからね」と答えた。

 “問題発言”も「撤回しませんね、当然です」としたが「『クソ』は撤回してもいいかな」と“譲歩”した。

 コメンテーターの「ダウンタウン」松本人志(50)は番組の準レギュラー・百田氏について「言ってることの大枠は間違ってはいない。ただ、伝え方がぞんざいというか…」とフォローした。
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「東京」作詞の及川眠子氏が百田氏批判 
たかじんさん闘病記めぐり
スポーツニッポン 2014年11月17日 スポニチアネックス
 作詞家の及川眠子氏(54)がツイッターを更新し、歌手やしきたかじんさん(享年64)の闘病生活をベストセラー作家・百田尚樹氏(58)が著した「殉愛」(幻冬舎)に対し私見をつづった。

 「殉愛」はアマゾンの全レビュー中6割以上が最低評価となる一方で、約3割は最高評価と賛否両論となっているが、百田氏はこれを受けツイッターで「実態も真実も何も知らない第三者が、何の根拠もなく、匿名で人を傷つける。本当に人間のクズみたいな人間だと思う!」で不満をあらわに。

 たかじんさん最大のヒット作「東京」など、たかじんさんへ数十曲詞を送った及川氏は「ちゃんと金を払って本を購入した読者の批判に対し、人間のクズ呼ばわりをする。世間に出したものがあれこれ言われるのは当然。私たち物書きはそれでゴハンを食べさせてもらっているのだ。世の中すべてが味方ではない。その覚悟なしに物書きなんてやれねえよ」と百田氏の発言を批判した。

 さらに「殉愛」ではたかじんさんの元マネジャーK氏を犯罪者扱いする部分があるが、百田氏がこの人物に取材していないことに触れ「なぜウラも取らずに、1人の人間を犯罪者だと決めつける? ノンフィクション作家を名乗るのであれば、きちんと本人に取材すべき」と指摘。

 「ヨメとマネージャー双方に会った、たぶん数少ない人間の一人」である及川氏は「百田さんに犯罪者扱いされても、きっと彼は訴えることをしないだろう。なぜなら彼が公の場に出ることで、今以上にたかじんの名を汚してしまうことを知っているから。必死で看護するのが愛なら、ただ黙して耐え続けることも愛なのだ。それを理解できない人もいるけどね」とK氏を擁護した。

 また、百田氏の「実態も真実も何も知らない第三者が、何の根拠もなく、匿名で人を傷つける」というツイートに対し「実態と真実をちょぴっとだけ知ってる人間が、ちゃんと実名を出して問うている。でも答えてもらえない。私じゃ役不足ですかぁ?」と皮肉も。その上で「百田さんのことを貶めるつもりもない。百田作品が面白いのは事実。ただ、あの物語が『小説』だったらよかったのにと思うだけだ」と思いを述べた。














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<百田氏発言>「沖縄の新聞社潰せ」…自民「謝罪する」

2015-06-26 16:54:59 | 政治・社会・経済問題
毎日新聞6月26日(金)11時56分
自民党の25日の勉強会で作家の百田尚樹氏が、安全保障関連法案に関し、沖縄の新聞社2社について「潰さないといけない」などと報道機関を批判する発言をした問題で、民主、維新、共産3党は26日午前の衆院平和安全法制特別委員会の理事会で、抗議した。自民党側は陳謝した。

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「日教組は日本のがん」
南京虐殺否定発言
「日本兵による犯罪は少数あったものの、日本軍による“大虐殺”はなかった。
沖縄の地元新聞 左翼に乗っ取られている
「こいつら日本を殺したいのか」民主党を批判
沖縄戦争 「沖縄は本当に被害者やったのか? そうじゃない」

目覚めよ有権者!

2015-06-23 01:18:22 | 政治・社会・経済問題
目加田説子さんの言っていることに、まったく同感

投稿
6月17日の「毎日新聞 特集ワイド:この国はどこへ行こうとしているのか 平和の名のもとに」を読むと、今の日本の政治の危うさを感じます。
過去の歴史でも、どの国も強気のリーダーが出てきて、国が危なくなる、民族が馬鹿にされているなどと煽って、軍事力を強めたり、対決姿勢を打ち出すと、引けに引けなくなり、戦争に進んだりしています。
政治に憲法を合わせる、というのは傲慢不遜です。
憲法に政治を合わせなければなりません。
自衛隊がいらない、国を守らなくてよいと言ってるわけではありません。
どうしても米国と協調したかったら、また外に出て行って戦う自衛隊を作りたかったら、まず憲法改正の選挙を行うべきでしょう。それが法治国家の常道、民主主義の正道です。
安倍さんのようなことを行っていると、それこそ諸外国から日本は馬鹿にされてしまいます。
(民本主義者)













慰安婦問題は請求権協定で未解決

2015-06-21 02:32:08 | 政治・社会・経済問題
1905年2月、日本が竹島を島根県に編入を決定。
同年11月、韓国を日本の「保護国」とする日韓保護条約締結
1910年8月日韓併合条約締結。
日本が朝鮮を植民地化。
1919年3月日本支配に反対する「三・一独立運動」始まる。
1945年8月日本の敗戦で、朝鮮は植民地支配から脱する。
慰安婦問題は、タブーでもあった。
元慰安婦は当時30~40歳。
多くは結婚していて、これを問題化することは元慰安婦たに「二重三重の苦痛を与えることになる」という雰囲気であった。
問題が表面化したのは1991年、韓国で名乗り出た元慰安婦による東京地裁への提訴だった。
直後に訪韓した宮沢喜一首相は謝罪し、事実究明に当たる考えを示した。
日本側は、元慰安婦への聞き取り調査などを経て、1993年、慰安婦問題への旧日本軍の関与を認めた「河野談話」を発表した。
当時の金泳三大統領は「これ以上日本に金銭的補償は求めない」とし、韓国政府が元慰安婦に金銭的な支援を行うと表明。
だが、日本側が後続措置として1995年に「女性のためのアジア平和国民基金」の実施を発表すると、元慰安婦の支援団体から反発が噴出した。
盧武鉉政権は2005年、慰安婦問題は請求権協定で未解決との見解を発表。
「解决済み」とする日本側の主張を完全に否定した。

2011年には韓国憲法裁判所が、政府が慰安婦問題の解决に努力しないのは違憲と決定を下す。
再び日韓の大きな政治課題に浮上。
市民団体がソウルの日本大使館前に慰安婦の少女像を設置するなど、韓国内の反発は先鋭化。

この国はどこへ行こうとしているのか

2015-06-18 21:15:34 | 政治・社会・経済問題
毎日新聞 特集ワイド:「平和」の名の下に 中央大教授・目加田説子さん 2015年06月17日 (東京夕刊)
◇自衛隊が「コンビニ」に
 報道番組で集団的自衛権の行使容認反対や護憲の大切さを述べると、数日後には大学の研究室に郵便物が届く。「開封すると、だいたい『中国の脅威はどうするんだ』などというお叱りの言葉が中心です。差出人が主婦だという手紙も目立ち、幅広い層からの抗議が増えたようです。十数年前と比べると、世の中の右傾化が進んだと実感しています」。TBS系の報道番組「サンデーモーニング」で切れ味鋭い意見を繰り出す論客は、批判を浴びても、ひるんだ様子をまったく感じさせない。
 安全保障関連法案に反対する声は根強いが、安倍晋三政権は今国会での成立を目指している。そのせいか、政権与党の幹部らの発言に、中国脅威論をあおっていると感じる。「中国が軍事力を拡大してアジアにおけるプレゼンス(存在感)を高めようとしているのは事実でしょう。しかし、それに対応するために自衛隊が海外で活動できるように法整備をするのはあまりにも知恵がありません。外交手段で事の解決にあたるのが常識なのに、外交力の改善で際立った戦略がないのは、安全保障政策として構造的欠陥があります」
 集団的自衛権を行使する可能性がある事態として安倍首相が強調するのが「ホルムズ海峡の機雷除去」だ。政府によると、日本に輸入される原油の8割がこの海峡を通過する。海峡が機雷で封鎖されて燃料が不足すれば、凍死者が出るなど人的・物的被害が出る、と想定。従って日本の「存立危機事態」に該当し、集団的自衛権を行使する可能性がある、と説明している。
 「ホルムズ海峡に自衛隊を派遣しようとしているのは『石油の確保という経済的な利益で戦争します』と国際社会に公言するようなもので、恥ずかしい。戦争に参加する大義になりません。しかも国内の石油備蓄が半年分あるにもかかわらず、凍死者が出たらと殊更、危機感をあおっています」。冷静な口調で、政府の“脅威論”に簡単に同調してはいけないと説く。
 もちろん、2001年の米同時多発テロ以降、日本は米国から「国際貢献」の名の下に自衛隊の海外派遣を要求されてきたことは理解している。しかし、安保法案の成立で、自衛隊の活動が際限なく拡大することを危惧するのだ。
 「インド洋で給油活動を行った自衛隊の艦船がなんと呼ばれたか分かりますか? 『海上のガソリンスタンド』です。安保法案が成立すれば、自衛隊は地球の裏側でも後方支援が可能になります。給油に限らず、弾薬なども他国の軍隊に提供できるのです。つまり、自衛隊はいつでもどこでも、何でも供給できるコンビニエンスストアになろうとしているのです」
 父の仕事で小中学生時代をアルゼンチンで過ごした。クーデターを経験し、政権が代わると暮らしが一変するのを目の当たりにした。「平和の大切さ」が身に染みているからこそ、20年間、NPO(非営利組織)やNGO(非政府組織)の活動を主導して対人地雷やクラスター爆弾の禁止運動に取り組んだ。「クラスター爆弾は振動でも爆発する危険があり、爆弾撤去の専門家の被害も多かった」と語る。
 それだけに安倍首相らが戦争中に行う後方支援について、「自衛隊員のリスクが増えることはない」という説明を繰り返すことに憤りを隠さない。
 「政府が『自衛隊員に犠牲が出ても後方支援をする』と説明するならば、まだ理解できます。その覚悟が政権だけではなく、私たちにもありますか? それに他国軍が敵対勢力と戦闘行為を続けているのに、現地で活動している自衛隊が『戦闘地域には行けません。弾が飛んできたら僕たちは帰国する』と主張できると、政府は本当に思っているのでしょうか」
 安倍政権は「世界の警察官」としての力が低下しつつある米国の肩代わりをしようとしているだけではないか、との批判は根強い。「安倍さんが語る世界は、イコール米国中心主義なのです。中国の台頭やロシアの復権などがあり、米国は唯一の超大国ではなくなりました。世界の多くの国々は、相対的に力を失いつつある米国との距離感を再検討しようとしているのに、米国に追随し続けようとする安倍政権の動きは、時代を見誤っていませんか」
 とはいえ、政権与党が「数の論理」を持ち出せば安保法案を成立に持ち込むことは可能だ。その可能性を問うと、言葉に一段と力を込めた。
 「そんなことはまだ分かりません。法案を通したら駄目です。廃案に持ち込むべきです。憲法学者3人が衆院憲法審査会で安保法案を『違憲』と指摘したじゃないですか。それなのに政権与党は『そんなの関係ない。一度自分たちが決めたら何と言おうと進める』と。要するに、私たちは政権与党になめられているのです」。民主主義は末期的な状況にあると指摘する。
 大学のゼミでは、学生と時事問題を積極的に議論している。新年度に入ったばかりのゼミでは安保法案をテーマに取り上げた。すると、ある学生が「安保法案が成立すれば、いずれ徴兵制になり自分たちが戦争に駆り出されるのではないでしょうか」と疑問を口にした。不安な顔に向かってこう答えたという。「この法案が通ればいずれ徴兵制が敷かれる可能性があります。けれども、みんながすぐに徴兵される可能性は低いと思う」
 答えの真意を尋ねてみた。「戦争になってかつての学徒動員のような事態になれば、大学生らが徴兵されるでしょう。でも事態がそこまで激しくなってしまったら、日本が存在しているかは分かりません」
 日本は今、危機的な状況と受け止めているが、市民には何ができるのだろうか。
 「日本人は民主主義はタダだと思っていませんか? 行動しなければ現状を変えられない。政府に批判の声を上げる、デモに参加する。権力者側に大量の手紙を出す。要はうるさい市民になり、政府や世界にメッセージを発信していくことです。学生は、デモに参加することが就職に不利になると心配しています。でも私は、希望するならば学生をデモにデビューさせます。そして私はどんなに批判されても講演やメディアを通じて平和の実現を念頭に置いた意見を伝えていきます。選挙で投票するだけが、民主主義ではありません」
 研究室を後にすると、キャンパスの芝生に寝そべっているジーンズ姿の学生、着慣れないスーツ姿の学生が目に入った。若者の未来を思うと少し複雑な気持ちになった。【葛西大博】
 ◇めかた・もとこ:1961年生まれ。中央大総合政策学部教授。地雷廃絶日本キャンペーン(JCBL)理事。「行動する市民が世界を変えた クラスター爆弾禁止運動とグローバルNGOパワー」(毎日新聞社)など著書多数。









結果としての核兵器の暴発が怖い!

2015-06-17 21:03:34 | 政治・社会・経済問題
核兵器の脅威は遠い存在のようだ。
米ニューヨークの国連本部で4月末から約1か月開かれた各拡散防止条約(NPT)再検討会議では70人を超える広島・長崎の被爆者が駆けつけた。
会場内外で核兵器がいかに非道なものであるかを訴えたが、アメリカの一般市民やメディアの無関心さや核保有国の論理に振り回されて会議は決裂、被爆者たちの声はかき消されたそうだ。
なぜなのか?
2009年、米国のオバマ大統領がプラハ演説で「核なき世界」追求を表明した。
「核兵器は決して使われてはならないほど恐ろしい。だから、対立する国同士は核兵器を手放さないだろう」
だが、テロ集団が核兵器を手にして使用することは誰にも否定できないし、止められないだろう。
イスラム国やテロ集団、あるいは北朝鮮だって、自暴自棄になるかもしれない。
自分たちも滅びるが、先進国を道連れに滅びることを意図するかもしれない。
結果としての核兵器の暴発が怖いのだ。

「面倒」避けるテレビ

2015-06-13 21:26:39 | 政治・社会・経済問題
不寛容社会時代「萎縮する社会」
放送法持ちだし政権に過敏
「『助けられたはず』はやめてください」
今年2月、民放の情報番組に生出演する予定だったジャーナリスト・常岡浩介に番組担当者はくぎを刺した。
理由を尋ねると「遺族感情を傷つける」との答えが返ってきた。
イスラム過激派組織「イスラム国」は、1月インターネット上で湯川遥菜さんと後藤健二さん2人を人質にしたことを明らかにした。
結局。常岡さんの考えが放送されることはなかった。
「テレビ局が政権との距離に、敏感さを増している実情が浮かぶ。
後藤さんらの殺害動画が流れてからしばらくして、常岡さんのテレビ出演はほとんどなくなった。」(毎日新聞・青島顕さん)

萎縮する社会は、ビビる社会、過剰反応する社会でもある。

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引用文

2014-10-06 常岡浩介さん宅にガサ入れ!7日14時更新17

6日の午後、ジャーナリスト常岡浩介さんの自宅に、警視庁のガサ入れがあった。

夕方、携帯電話もメールもつながらないので、おかしいなと思い、自宅に電話を入れると、同居人が「いま、警察が来ています」と小声でいう。なんと、ガサ入れの最中だった。

午後4時ごろ、警察官7人(警視庁公安部外事3課)が自宅にやってきて、任意の事情聴取を要求したが、常岡さんはこれを拒否。すると彼らは捜索令状を見せて家探しし、夜8時半ごろ、常岡さんの取材道具をごっそり持って行ったという。

押収されたものは、

ハードディスク3台やSDカードからPC3台、スマホと携帯計8台、ビデオカメラ2台、デジカメ2台、それに名刺、テレビ番組の台本などまで多数。

記録媒体のデータが一番の目的か。

旅券と現金はいったん押収し、あらためたうえで返却したそうだ。

常岡さんが、カメラなどは取材に必要なものだが、いつ戻ってくるのかと聞くと、「捜査の進展によるので、何週間後か、何ヵ月後になるか分からない」と答えたという。

NHKで以下のニュースが流れたが、これとの関連のようだ。

《イスラム過激派組織、「イスラム国」に参加するためにシリアに渡航しようとしたとして、警視庁は、外国に対して私的に戦闘行為をする目的で準備や陰謀をすることを禁じた、刑法の「私戦予備及び陰謀」の疑いで、大学生など複数の日本人から事情を聴くとともに関係先を捜索しました。

日本人がイスラム国に参加しようとした動きが明らかになるのは、初めてです。

事情聴取を受けているのは、北海道大学に通い現在休学中の26歳の男など複数の日本人で、警視庁は6日、杉並区などにある男らの関係先を捜索しました。

警視庁の調べによりますと、このうち大学生はイラクやシリアで勢力を拡大するイスラム過激派組織「イスラム国」に戦闘員として加わるために、シリアに渡航する計画を立てたとして、外国に対して私的に戦闘行為をする目的で準備や陰謀をすることを禁じた、刑法の「私戦予備及び陰謀」の疑いが持たれています。

警視庁によりますと、この大学生はシリアに渡航する求人に応募し、渡航を計画したということで、任意の調べに対し「シリアに入ってイスラム国に加わり、戦闘員として働くつもりだった」と話しているということです。

私戦予備及び陰謀罪にあたる場合は、3か月以上5年以下の禁錮に処せられます。

警視庁は、関係者から事情を聴いて詳しいいきさつを捜査する方針です。

日本人がイスラム国に参加しようとした動きが明らかになるのは、初めてです。》

「私戦予備及び陰謀罪」とは―

《外国に対して私的に戦闘行為をする目的で、その準備や陰謀をする罪。刑法第93条が禁じ、3か月以上5年以下の禁錮に処せられる。ただし、自首した者は刑が免除される。私戦予備罪。陰謀罪。》

こんな罪があるとは知らなかった。これは危うい。

「準備や陰謀」では、解釈次第で、何でも引っかけられてしまう。

常岡さんは、あくまで取材でイスラム国に接触してきたのであって、本人も「イスラム国のやっていることには、一片も賛同できるものがない」とテレビでも主張し、イスラム国を厳しく批判してきた。

(9月14日フジTV[Mrサンデー」、9月20日NHK[週刊ニュース深読み」、9月25日テレビ朝日「報道ステーション」、10月2日テレビ朝日「モーニングバード」、10月4日フジTV「新週刊フジテレビ批評」)

取材に必要な機材を押収された常岡さんは、予定していた取材をキャンセルせざるをえなくなった。

乱暴な取材妨害だと常岡さんは憤慨している。

常岡さんのPCやカメラ、携帯などのデータから、捜索対象が広がる可能性もある。また、情報が外国の公安当局に渡った場合、空港で入国を制限されたり、行動がマークされたりする恐れもある。

いま常岡さんは仲間と今後の対応を検討している。

みなさんもこの問題に注視を。

http://blogos.com/article/104020/


























新たな憲法論議?

2015-06-12 13:07:04 | 政治・社会・経済問題
舛添都知事 憲法持ち出し文科省をけん制

JNNニュース( TBS系) 6月12日(金) 配信 
 新しい国立競技場の整備費用の負担をめぐり、文部科学省と対立している東京都の舛添知事は、憲法を持ち出し、文科省の動きを牽制しました。

「パッとすぐ頭に思い浮かんだのは憲法95条なんです」(舛添都知事)

 下村文科大臣は9日の会見で、都への負担金を求める「根拠法」を作りたいと発言していましたが、舛添都知事は憲法を持ち出し、下村大臣をけん制しました。

 「そこの住民の住民投票を行って過半数を得ることができなければ、法律制定できないと憲法に書いてあるわけですよ。そういうことの規定をおわかりでご発言なさっているのかどうなのか。そりゃ、東京都民怒りますよ」(舛添都知事)

 新しい国立競技場をめぐる問題については、国際オリンピック委員会のバッハ会長から、早く解決すべきと指摘されています。(11日20:22)

憲法第九十五条 一の地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定することができない。

※参考
最近、憲法が注目されています。
憲法は、国家のあり方を定めた法律、政治の基本理念を示すもの、法律を作る基本、最上位の法律、と覚えていますが…。
念のため調べてみました。

日本弁護士連合会「憲法って、何だろう」より

■憲法って、誰のために、何のためにあるの?
憲法は、国民の権利・自由を守るために、国がやってはいけないこと(またはやるべきこと)について国民が定めた決まり(最高法規)です。
たとえば、国民の表現の自由を守るため、憲法21条は「…表現の自由は、これを保障する」と定めて、国に対し、国民の表現活動を侵してはならないと縛りをかけているのです(これが「基本的人権の保障」です。)。
このように、国民が制定した憲法によって国家権力を制限し、人権保障をはかることを「立憲主義」といい、憲法について最も基本的で大切な考え方です。
そして、国民の権利・自由を守るため国に縛りをかけるという役割をもっている憲法が、簡単に変えられてその縛りが緩められてしまうようでは困りますから、通常、立憲主義の国では、憲法を変えるには、普通の法律を変えるより厳しい手続が必要とされています。
憲法は、国民のために、国民の権利・自由を国家権力から守るためにあるのです。

■憲法は法律と何が違うの?
法律というと、私たちが守らなくてはいけないもの、そして違反すると処罰されることもあるもの、という恐いイメージがあるかもしれません。憲法は、そのような法律とは違って、私たちの権利・自由を守るためにあるのです。
法律の多くは私たちを縛る。憲法は私たちの権利・自由を守るため国を縛る。法律と憲法とでは、向いている方向が逆と考えるとわかりやすいでしょう。
日本国憲法も、まさに立憲主義に基づく憲法として、国家権力に縛りをかけることで、人権を保障しています。
すなわち、13条で「すべて国民は、個人として尊重される」と個人の尊重を宣明した上で、表現の自由(21条)や居住、移転の自由(22条)など多くの権利・自由を列挙して保障しているのです(詳しくは→「立憲主義の堅持と日本国憲法の基本原理の尊重を求める宣言」)。
そして、このような日本国憲法は、それが簡単に変えられてしまって人権保障が弱められることのないよう、96条で、憲法の改正には各議院の総議員の3分の2以上の賛成による国会の発議と国民投票が必要として、厳しい要件を定めています。


※参考
憲法95条で辺野古の新基地建設を阻止できるか

とよティーの喫茶室 2015年04月11日 豊永敏久(高校教員)

 昨年から政府は、沖縄県の宜野湾市にある米軍普天間基地の代わりに、同じく沖縄県の名護市の辺野古に新しい米軍基地を建設する工事を進めています。沖縄県民の世論は、昨年の名護市長選挙・沖縄県知事選挙・衆議院議員総選挙を通して、一貫して新基地の建設に明確に反対しているにも関わらず、政府は「粛々と」工事を進めています。その住民無視の態度はまったく許せません。

 この状況に関して、去る3月30日(月)のテレビ朝日『報道ステーション』で、ゲスト・コメンテーターとして出演した憲法学者の木村草太氏は、「米軍基地の設置はほんらい法律で定めるべき事であるから、政府が本当に辺野古に基地を作りたいのであれば、そういう趣旨の法律を制定することが必要で、しかもそれは憲法95条の規定――「一の地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定することができない」――によって、名護市の住民投票を経る必要がある。それをしないまま、いま辺野古に基地を作ることはできないはずだ」という趣旨の解説をしていました。
 これは彼が沖縄タイムスに連載しているコラムの第一回目の中心にある見解で、私は既に読んでいましたので特段驚きはしませんでしたが、米軍基地建設の問題を地方自治の問題としてとらえ、これを95条と関係づけるという視点は、確かに斬新で面白く聞こえます。
 4月8日(水)には参議院の予算委員会で「日本を元気にする会」の松田公太議員が安倍首相に対して同じ趣旨の質問をしていましたが、これも恐らく木村草太氏の議論を踏まえてのことでしょう。

 でも他方で、私はこの議論に非常に先行き不安な気持も覚えます。木村氏の言っていることは法的論理としては正しいかも知れませんが、その論理で政府をどこまで追い込むことができるのでしょうか。憲法95条を盾にすれば、本当に辺野古の新基地建設を阻止することができるのでしょうか。
 今から25年ほど昔、教職員組合や市民団体が「日の丸・君が代」の強制に反対する運動を盛んにやっていたころ、私もその一員として、「国旗と国歌が日の丸と君が代であることを定めた法律はない。ゆえに文部省は国歌斉唱を生徒や教職員に対して強制できないはずだ」という主張を論拠の一つに立てて、頑張っていました。これは法的論理としてはまったく正しかったはずです。ところが、反対運動が盛り上がってくると、政府(小渕内閣)は1999年に「国旗国歌法」を成立させて、反対運動の屋台骨の一つを外してしまいました。

 私は、辺野古新基地建設をめぐる木村草太氏の主張を耳にすると、「日の丸・君が代」強制反対運動をしていた当時の記憶・経験が重なって聞こえてきます。木村氏の主張は、要するに「辺野古の新基地建設には法的根拠がない」と言っているわけですが、これは、「法的根拠がない」という論拠で「日の丸・君が代」の強制に反対していた市民・労働者の運動と、話の枠組みとしては同じです。木村氏は、「日の丸・君が代」強制反対闘争の教訓を踏まえて話をしているのでしょうか。

 ちなみに「国旗国歌法」は、大した法律ではありません。2つしか条文のない法律です。
 第一条 国旗は、日章旗とする。日章旗の制式は、別記第一のとおりとする。
 第二条 国歌は、君が代とする。君が代の歌詞及び楽曲は、別記第二のとおりとする。
これだけです。「日の丸」掲揚や「君が代」斉唱の義務なんて一言も書いていません。政府がこの法律を作ったとき、小渕首相は国会で「国旗・国歌の法制化に当たり、国旗の掲揚に関し義務づけなどを行うことは考えておりません。したがって、現行の運用に変更が生ずることにはならないと考えております」と答弁し、また官房長官だった野中広務氏も、「国旗・国歌の強制はしない」という趣旨の付帯決議をつけることに同意したくらいなのです。ところが「国旗国歌法」が成立してしまうと、2003年に東京都教育委員会は入学式や卒業式での「君が代」斉唱を強制する通達(悪名高き「10・23通達」)を出すなど、国旗国歌法が事実上「日の丸・君が代」強制の根拠に使われるようになっています。法律というものは、一度できあがってしまうと、立法当時の意図を離れて、時勢に応じてどんどん違う使われ方をするものなのです。特定秘密保護法に反対する理由もそこにあります。

 話を戻しましょう。辺野古新基地建設について、今の安倍政権は、国会をほぼ制圧していますし内閣支持率も高いので、木村氏が何を言おうと無視することができます。現状では仮に住民投票を実施しても否決されるのは明らかですから、敢えて辺野古だけを対象にする基地設置法をつくるわけがありません。上述の松田議員の質問に対して、安倍首相が「既にある法令にのっとって粛々と進めているわけでございますので、これに上乗せして法律を作っていく必要は私はないのではないかと。辺野古への移転については(憲法95条が定める)本来の住民投票の目的とは異なるのではないか。」と答弁したのも、ある意味で当然でしょう。
 しかし今後、もしかして木村氏の主張が支持を得て広がり、その論拠で辺野古新基地建設に反対する運動がさらに盛り上がってきたら、政府はどういう態度をとるでしょう?  いささか不謹慎に聞こえるかも知れませんが、もし私が安倍首相の立場なら、米軍基地は沖縄県以外の土地にもあるのですから、名護市あるいは沖縄県で住民投票をしなくても済むように、一般的・包括的な(国旗国歌法のような基本的なことだけを定めた)「米軍基地設置基本法」とでも呼ぶような法律を成立させ、具体的にどこに米軍基地を置くかについては「複数の設置自治体を政令で定める」という法律を制定するでしょう。そうすれば、簡単に木村氏の主張をかわして憲法95条の縛りをすり抜け、米軍基地建設に堂々と法的根拠を与えることができるからです。このような想像をめぐらすと、木村氏の主張は、辺野古新基地建設を阻止するどころか、かえって反対運動を挫折させる危険を内包している、ということも言えると思います。これは決して「杞憂」ではありません。「日の丸・君が代」反対運動がまさにそうだったからです。政治はある意味で戦略です。時には相手の立場で考える「ディベート的思考」を駆使することも必要なのです。

 私が言いたいことは、憲法の構造はたとえ沖縄県に有利でも、憲法の規定だけではなかなか政府を動かすことはできないだろうということです。憲法に「表現の自由」があっても、古賀茂明さんを番組から引きずり下ろす傲慢な首相が君臨できるのと同じです。仮に裁判に持ち込んでも、今の腐敗した裁判所はまともな審理をしない可能性があります(瀬木比呂志『絶望の裁判所』と『ニッポンの裁判』いずれも講談社現代新書をお読みになってみてください。日本の裁判所の病の深刻さに溜息が止まらなくなります)。

 結局、「米軍基地の問題は沖縄県だけの問題ではない」という意識(世論)を日本全体で高めていくことが最も重要なことなのだ、と私は思います。憲法95条をあまり強調することで、この問題を沖縄県や名護市の「住民投票」に「矮小化」してしまうことは、かえって問題の本質を曖昧にしてしまうと私は思います。
たとえ遠回りのようでも、戦争の反省の上に立つ憲法9条の下において、自然環境が破壊され、米兵の犯罪におびえ、戦争に巻き込まれる危険をも恐れながら、それでも米軍基地を置きつづけることが本当に正しいのかどうか、本質的なところからじっくり議論を積み重ねていくことが重要なのではないでしょうか。
 それはちょうど、「日の丸・君が代」強制反対運動の最大の論拠が、「この旗と歌は、戦争中に日本国民や近隣アジア諸国民を苦しめる役割を果たしたものだ」ということであって、法的根拠の欠如はいわば枝葉の議論だった(と私は思う)のと同じです。
 本質的なところから議論を積み重ねていくためには、憲法の理念や沖縄の現状、国際社会の現状について、報道機関がきちんと国民に伝えること、そして学校現場で教員が直接「国民」に語りかけることが、やはり必要だと思いますね。
 折しも、来年度の中学校で使用予定の教科書検定では、政府の見解を記述することが求められ、特に領土問題に関しては政府の考え方が強調される内容になってしまいました。権力者がこのような形で教育に介入することは決して許されないことですが、現場の教員の側でも、与えられた教科書をそのまま教えるのではなく、大切なことをしっかり教えるようにしなければなりません。

 沖縄から「辺野古米軍基地建設に向けた埋立工事の即時中止を要請する!」声明への賛同を呼びかけるメールが届きました。賛同できる方はぜひ応答してくださるよう呼びかけます。