知財判決 徒然日誌

論理構成がわかりやすく踏み込んだ判決が続く知財高裁の判決を中心に、感想などをつづった備忘録。

周知例の追加を手続違背としなかった事例

2013-05-28 22:08:13 | 特許法29条2項
事件番号 平成24(行ケ)10199
事件名 審決取消請求事件
裁判年月日 平成25年02月14日
裁判所名 知的財産高等裁判所  
権利種別 特許権
訴訟類型 行政訴訟
裁判長裁判官 塩月秀平、裁判官 真辺朋子,田邉実

3 取消事由3(手続違背)について
 前記2のとおり,引用文献1記載発明に,審判長が拒絶理由通知で引用した引用文献2,3に記載の周知技術を適用することによっても,本願発明の容易想到性を肯定できる。なるほど,審決は,当業者が容易に相違点3を解消することができるとの判断を示す過程で,拒絶理由通知で引用していなかった引用文献4を引用したが,これは周知技術の認定の裏付けの一つとして掲げたにすぎず,上記のとおり引用文献2によっても同一の周知技術を認定することができる

 したがって,原告に対し引用文献4についての反論の機会を付与せずに,引用文献4を周知技術の認定の裏付けとして掲げた審決に手続違背の違法があるとはいえない。よって,原告が主張する取消事由3は理由がない。

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