~ 転載 ~
農作物を食い荒らすイノシシの駆除が急増しているため、今治市・大三島の農家や猟友会が、同島の旧学校給食センターの一部をイノシシ解体処理施設として整備した。13日にはイノシシの豊富な捕獲歴を持つ猟師を招き、解体の研修を実施。県によると、駆除されたイノシシの処理施設を民間主体で整備するのは県内では初めてといい、関係者は「駆除後の処理に困らずに済む」と施設の役割に期待している。
県内で昨年度に有害駆除されたイノシシは4944頭で、10年前の3倍以上。今治市内でも、今年度は昨年の2倍となる601頭が駆除され、農作物被害額は2008年度で4700万円に上った。県によると、増加している耕作放棄地がイノシシにとって餌場となっていることなどが、増加の理由という。
この数年は、島嶼(とうしょ)部で著しく増加。市内にはイノシシの解体処理施設がなく、イノシシを捕獲した農家は自宅の軒先などで解体してきたが、処理が追いつかないために捕獲頭数を抑える必要があった。
このため、大三島でミカンなどを栽培し、3年前からイノシシの被害を受け始めた渡辺秀典さん(33)が、「安心してイノシシを捕獲できる環境を作ろう」と大三島や伯方島の農家、猟友会員らに解体処理施設の整備を提案した。今年6月に13人で「しまなみイノシシ活用隊」を結成し、食肉処理業の営業許可を保健所から取得。市の施設を借り受け、県の補助を含む約200万円で37平方メートルの処理施設を完成させた。
解体処理は同隊の会員自らが行い、会員以外の持ち込みも可能。解体後のイノシシ肉は食肉業者などに販売し、売り上げはイノシシを持ち込んだ人に分配される。渡辺さんは「施設の運営が軌道に乗ることで、農家が農業に打ち込める環境を取り戻したい」と話している。
読売新聞
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