今回、「鹿角万年筆」としての利用可能性について模索した結果、一段落しましたので報告です。
鹿角の利用というと、幼角を漢方に利用する、あるいは民芸品、ナイフのハンドル(スタッグ)、ペーパーナイフなどが思いつきます。
しかし、もう少し日常的に手にするモノへの利用ができないかという想いがあり、ふと自分の趣味?の一つでもある万年筆の軸材になるのではと脳裏をよぎったのは獣害の状況を知り始めた2年前のことでした。
ここ数年、万年筆も再び世間の脚光を浴びつつあり、雑誌で特集を組まれることも珍しくありません。
一部の愛好者の嗜好品というジャンルを超え、日常社会に浸透しつつあるのではと思っています。
そんな折り、昨年末に縁あって、個人で木材を加工して万年筆を製作されている方と知り合い、年明けには鹿の解体体験に訪れた場で鹿角を入手できる運びとなり、居ても立ってもいれずに試作を1月早々に依頼しました。
製作過程を横で見せて頂いたのですが、数時間に及ぶ作業で幾つか分かったことがあります。
・鹿角に巣があり、素材として使用しにくい。ただし、角の付け根部は密度が高い。
・インクコンバーターやカートリッジを差し込むために、穴を開ける必要があるが、角の軸芯を得ることが難しい。
・キャップと軸を後から合わせる必要があるが、楕円形であることが邪魔をして、少しでもネジがずれると、かっちり閉まらない。
・くり抜いた鹿角の中に金属パイプを挿入する必要があるため、最低でもφ12~13程度の太さが必要となるが、肉厚が足りず、結果としてある程度の太さの角になり、サイズが大きくなる
色々と試して頂いたものの、結果として、これを商品化するのは木軸を専門としていることもあり、この工房では難しいという判断でした。
ただし、ボールペンのように可撓性のあるリフィルであれば、やりようもあるようでしたが、どうしても「万年筆」にこだわりたいという想いが捨てきれません。
写真は、普通のボールペンと並べて写真を撮ったのですが、非常に大きなペンであることが分かるでしょうか。
とても携行するペンにはなりませんが、鹿角のほどよい曲線は手に馴染みよく、可能性を感じさせました。
その後、諦めきれずに国内大手の万年筆メーカーに手紙を出し、「鹿角万年筆の定番商品化」の可能性について検討して頂けないか、打診しました。
3月にアポをとり、鹿角10数本を持参し、技術を担当されている部署の部長にお会いし、話しをさせて頂きました。
が、一筋縄ではいかないという感触でした。
というのも、自然素材であるため、湿度・温度変化等で軸が変形し易いということ、場合によっては数ヶ月から一年は経過観察を要すること、工場製品のように大量生産できず手作業となること、自然素材で角の品質が均一ではないことも躊躇する一因のようでした。
待つこと1ヶ月、意外にも早く返事を頂きました。
結果はアウト
やはり、試作した際に感じたことが理由としてあげられていました。
残念ながら、「万年筆の定番商品」として鹿角を一定量利用することは現時点では困難となりましたが、判明しただけでも一歩前進だと考えています。
「農業・農村、万年筆、鹿角の3つの力(3本の矢をイメージ)」をコンセプトに、以下の目的を達成したかったのですが、また何かの機会に実現の道筋があればと願っています。
1.毎年、獣害駆除として処分され、捨てられているニホンジカの角を継続して有効に活用すること
2.万年筆を通じて、多くの人に獣害を知ってもらう機会を提供すること
3.獣害にあえぐ農村地域の人々にとって、活用を通じて少しでも農業を続ける活力につながること
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鹿角の利用というと、幼角を漢方に利用する、あるいは民芸品、ナイフのハンドル(スタッグ)、ペーパーナイフなどが思いつきます。
しかし、もう少し日常的に手にするモノへの利用ができないかという想いがあり、ふと自分の趣味?の一つでもある万年筆の軸材になるのではと脳裏をよぎったのは獣害の状況を知り始めた2年前のことでした。
ここ数年、万年筆も再び世間の脚光を浴びつつあり、雑誌で特集を組まれることも珍しくありません。
一部の愛好者の嗜好品というジャンルを超え、日常社会に浸透しつつあるのではと思っています。
そんな折り、昨年末に縁あって、個人で木材を加工して万年筆を製作されている方と知り合い、年明けには鹿の解体体験に訪れた場で鹿角を入手できる運びとなり、居ても立ってもいれずに試作を1月早々に依頼しました。
製作過程を横で見せて頂いたのですが、数時間に及ぶ作業で幾つか分かったことがあります。
・鹿角に巣があり、素材として使用しにくい。ただし、角の付け根部は密度が高い。
・インクコンバーターやカートリッジを差し込むために、穴を開ける必要があるが、角の軸芯を得ることが難しい。
・キャップと軸を後から合わせる必要があるが、楕円形であることが邪魔をして、少しでもネジがずれると、かっちり閉まらない。
・くり抜いた鹿角の中に金属パイプを挿入する必要があるため、最低でもφ12~13程度の太さが必要となるが、肉厚が足りず、結果としてある程度の太さの角になり、サイズが大きくなる
色々と試して頂いたものの、結果として、これを商品化するのは木軸を専門としていることもあり、この工房では難しいという判断でした。
ただし、ボールペンのように可撓性のあるリフィルであれば、やりようもあるようでしたが、どうしても「万年筆」にこだわりたいという想いが捨てきれません。
写真は、普通のボールペンと並べて写真を撮ったのですが、非常に大きなペンであることが分かるでしょうか。
とても携行するペンにはなりませんが、鹿角のほどよい曲線は手に馴染みよく、可能性を感じさせました。
その後、諦めきれずに国内大手の万年筆メーカーに手紙を出し、「鹿角万年筆の定番商品化」の可能性について検討して頂けないか、打診しました。
3月にアポをとり、鹿角10数本を持参し、技術を担当されている部署の部長にお会いし、話しをさせて頂きました。
が、一筋縄ではいかないという感触でした。
というのも、自然素材であるため、湿度・温度変化等で軸が変形し易いということ、場合によっては数ヶ月から一年は経過観察を要すること、工場製品のように大量生産できず手作業となること、自然素材で角の品質が均一ではないことも躊躇する一因のようでした。
待つこと1ヶ月、意外にも早く返事を頂きました。
結果はアウト
やはり、試作した際に感じたことが理由としてあげられていました。
残念ながら、「万年筆の定番商品」として鹿角を一定量利用することは現時点では困難となりましたが、判明しただけでも一歩前進だと考えています。
「農業・農村、万年筆、鹿角の3つの力(3本の矢をイメージ)」をコンセプトに、以下の目的を達成したかったのですが、また何かの機会に実現の道筋があればと願っています。
1.毎年、獣害駆除として処分され、捨てられているニホンジカの角を継続して有効に活用すること
2.万年筆を通じて、多くの人に獣害を知ってもらう機会を提供すること
3.獣害にあえぐ農村地域の人々にとって、活用を通じて少しでも農業を続ける活力につながること
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鹿角万年筆、可能だと思いますよ。
勿論行程は殆ど手作りになりますし。
一本一本形状は違ったものに。
また単価もかなり高くはなりますが。
ブツが万年筆ならば「オンリーワン」として
充分許容されるでしょう。
ナイフなどでは、そうした製品例が普通に見られます。
当方も以前は企業で量産品を作っていましたから、
アプローチされた先方企業様のお気持ちは
よく分かります。
しかし、彼等の避けたがる素材を用いれば
大量生産品では得られない出来上がりになるのも
事実です。
諦めず、トライを続けられては。
HP拝見させて頂きました!!鹿角をあそこまで高めることができることに感嘆しました。
・・・欲しくなってしまいました(笑)
さて、鹿角万年筆について。
まずは、アドバイスをありがとうございました!感謝です。
万年筆メーカーの方も定番商品以外に職人的に取り組まれている方がいらっしゃって、その方が言うには、仰るようなオンリーワン商品は作れると思うということでした。
純粋に、マニア的感覚からすれば、そうした芸術的な万年筆も欲しいのですが、如何せん高価なものになるのもうなずけるところです。
しかし、難点は量を捌けないことと、手にする人たちがごく一部になることです。
つまり、日本全国で処分されている鹿角の需要を掘り起こし、農村に関わりのない方々にも知ってもらうという趣旨からすると、定番化の道は厳しいのかなぁと思っています。
ただ、諦めてはいませんよ!万年筆以外の用途でも日常的に手に触れることのできるモノへの加工を模索しています。
何にせよ、鹿角に日の目を当てることを優先すべきなのかなとも最近は感じ始めています。
また、ご教授頂ければ幸いです。
本当にありがとうございました。
御返事有難う御座います。
最近は皆さん、文書/手紙などは
パソコンで書かれるようになり。
手書きで何かを書く機会は
これから益々少なくなるように思います。
その中での「万年筆」は、既にかなり「特別な道具」になっていると見るべきでしょう。
万年筆を日常的に使われるユーザー層は非常に限定されておりますし。
だからこそ、こうしたトライにも可能性があるように思うのです。
勿論、鹿角で量産品を作ることも可能です。
一般的なのは、ボタンやビーズ。
それから緒締玉などですね。
今は皆さん携帯電話をお持ちですから。
ただ穴を開けて、紐を通しただけのシンプルな
鹿角携帯ストラップ等も多く流通しております。
これらであれば、旋盤/ボール盤などの機械加工が可能ですし。
単価も抑えられると思います。
また、粉末にして日本刀の磨き粉としたり。
弓道の滑り止めに利用もされています。
まあ、出来る事なら鹿角の美しさを活かせる利用法が
望ましいとは思いますが。
*******
時にnougaku_hiro様。
mixi(SNS)にアカウントはお持ちでしょうか。
当方、mixi内にて「Ψ 鹿角細工 Ψ」
http://mixi.jp/view_community.pl?id=3920624
というコミュニティを運営しておりまして。
世界各国の鹿角製品/関連サイト(現在80件ほど)
を紹介するトピックス
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=40390172&comm_id=3920624
なども設置しておりまして。
恐らくnougaku_hiro様の御参考になる記事も有ろうかと思うのです。
もし宜しければ、どうぞ御高覧下さいませ。
もしmixiにアカウントをお持ちでない場合は、御一報下さい。
入会に必要な招待状をお送り致しますので。
当方アドレスは、
rokusho-dou@mail.goo.ne.jp
となっております。
何度も申し訳も御座いません。
それでは。
とほかみ、えみため。
<(_ _)>
鹿正
とても参考になりました!
mixi、アカウントは持っていますが、持っているだけで一向に参加していなくて・・・。
まずは、数年ぶりにアクセスしてみますね。