先日、舌のスペースの狭い補綴が気になる、と言うことを書きました。
今日は、同じく補綴、特にインプラント上部補綴の治し方に付いて、私の考えを書きます。
インプラントの上部補綴の治し方には、2通りの方法があります。
1つはクラッシックなスクリュー固定、後から出て来ているのがセメントでの合着固定です。
スクリュー固定は、ブローネマルク先生達が用いていた方法で、埋まっているインプラントと上部補綴、人工の歯をスクリューでネジ留めするものです。
これの利点は、取り外したい時にネジで外せるので、何かトラブルがあった時に対応し易い、と言う利点があります。
と言うよりも、それしか利点がないです。
弱点は、まず技工物モノとしての剛性に格段に劣る、と言うことです。
何故なら、貫通している穴がある訳ですから、その分剛性は劣るのです。
次いで、ネジで留めるので、技工精度に物凄くシビアーにならないといけなくて、製作が大変、誤差が生じ易く、その分狂いが出易いと言うことです。
これも、少数歯の治療でしたらまだマシなのでしょうが、多数歯になればなるほど、とてもシビアーになります。
ほんの少しの狂い、片寄りがあったら、ネジを順番に留めて行くのに合わせて、インプラントには下手をすると抜ける方向の力が掛かり続けることに成りかねません。
実際、臨床の現場では、ネジ留め方式の治し方をしたインプラント治療が、メインテナンス時のネジを外す時にインプラントまでが抜けてくっ付いて来てしまった、と言うトラブルの報告を良く聞きます。
ネジで留めるのは、インプラントに常時力が掛かり続けている、と言う困った問題が必ず付き纏うのです。
それを避ける為には、相当の精度で作製していただく他ありません。
相当の精度と言うことは、型取りする場合でも、何度もの大変な思いをする型取りを強いられる、と言うことにもなり、これも拙い点でしょう。
続けて、ネジで留めているので、歯には常に叩かれる、咀嚼、咬合する力が加わり、緩みの出る問題が生じ易いです。
上部補綴は繋がれて作られていて動きませんが、実はネジが緩んでいて、その隙間に汚れ、プラーク等細菌が住み着いてしまう危険性が高くなります。
この問題が生じると、患者さんは痛くも何ともないのに、歯茎、骨の炎症、いわゆる歯周病と同じ病態を生じ、痛むまでにタイムラグがあるので、病気が深刻化する恐れが生じます。
しかも、最近流行りの深く口蓋側へ植立する傾向のある治療だと、歯茎の深い部位でそう言う問題が生じて、メインテナンス始めとするリカバリー処置がかなり難しくなります。
これは今後の大きな問題となると、私は予言します。
カリスマDRは平気なのかも知れませんが、その教えを素直に信じて実行するDR皆がハイレベルな実力があるのかどうか?
ここが問題でしょう。
更に続きます。
ネジで留めているので、簡単には取れません。
患者さん自身で外すことは絶対に不可能です。
そうなると、咬合上の問題、噛み合せのことで治療時の調整が、相当にやはりシビアーになります。
そして、これが大きな問題として、私が指摘したいのが、咬合、噛み合せの位置関係は、治療時にかなりシビアーに調整したとしても、それが最終的に落ち着く位置関係とは限らない、と言う問題があるのです。
これは、私個人が考える、最も大きなスクリュー固定の問題点です。
何故か?
インプラント治療を大きくする患者さんは、相当数歯を失っています。
そうなると、噛み合せの位置関係は狂いが生じている、と考えて間違いがないのです。
ですから、大きなインプラント治療になればなるほど、噛み合せの3次元的位置関係、上下顎の関係、舌の納まり方、首の座り方が凄く重要なのです。
これを寸分の狂いなく再現しなければ、患者さんは快適に咀嚼始めとする機能を営めません。
ところが、ここに大きな問題があるのは、快適な位置関係を設定して差し上げられたとしても、人の体は一度快適な位置関係を与えられると、更なる良い位置に向けて動くもの、なのです。
これは、総義歯治療をしていると、とても良く経験することで、治療用義歯使って顎の位置関係を詰めないととんでもないことに成るのです。
しかも、材質を変えることで、噛み応えが違う為に、それに応じて又位置関係を動かして行くのです。
これが本当にどこで落ち着くのか否か、それの見極め、調整が予後の全てを決めます。
その時、ネジ留めしていると対応し易い、とネジ留めを主張するDRは言うのです。
それはそうでしょうが、その間、力が加わり続けることでのネジの破折とか顎関節の不具合とか補綴物の破壊とかは如何なものなのでしょうか?
セメント固定、それも仮着用のものとかで付けていれば、噛み合せの動きで外れてくれて、インプラントや顎関節を守ることに成るのではないか、と私は思うのです。
ネジ留めでは力が逃げませんから外れません。
外れないことで、ネジ折れたり、インプラントが揺らいだり、せっかく造った補綴が壊れたらどうするのでしょうか?
噛み合せの位置関係が正確に再現性のある位置に定まらないことは、非常に危険因子なのです。
そこへの配慮として、如何なものか?
私には分かりません。
後追加で、ネジ留めしている補綴をメインテナンスで外すと、必ず歯周病臭がするそうです。
これは持続的に病態があることを意味しているものではないでしょうか?
セメントの方ではそう言う臭いはしない、と分かって来ています。
以上のような理由で、私はネジ留めはしていません。
皆さんはどう思われますか?
決心がついたものの高額のものなので右の2本を今後破折する可能性があるということで、今回、一緒に撤去するということを迷っています。つかえれば使いたいですが、マイティスアローインプラントというものです。撤去の手術も非常に怖いです。
ただ、私の提議させていただいた趣旨とやや違うのではないかと感じられますので、担当医の先生と良くご相談の上、今後の治療をされることをお勧めします。
お大事に。
すみません。松本さまの趣旨に投稿内容が合ってないようなので、お時間のあるときに、私のコメントを削除してください。
お手数おかけしますがよろしくお願いします。
お願いします。私は投稿の削除はできませんので。
投稿内容が私の趣旨と違っておりましても、色々な疑問とか考えを持たれている方のご参考になるか、と思い掲載しております。
過去の投稿内容でも、非難されている内容でも一切削除せず掲載しており、私は基本的にはコメントに関してはいただいたものは削除しない考えです。
趣旨のあっているものしか載せないのは洗脳的な考えで、異議を拒否することになる、民主的考えではないと思い、私の信条で多論討論で行くべきである、と考えております。
又、余計な一言ですが、人の名前はその人にとってとても意味があるもので、苗字は先祖から受け継いで来ているものですので、お間違いになられないようお願いします。
失礼申し上げました。
但し、非常にご自身の思い込みが色々とあられるようですね。
35年以上無事と信じっ切っておられるセラミックブリッジもその土台とか、骨、歯茎がどうなのかは患者さん自身は把握できないと思います。
インプラントが電磁波を吸収するというお話も、科学的に何処かで証明されているお話なのでしょうか?
介護の現場で大変なのは天然歯が残っていて、虫歯になったり、歯茎が膿んだりして大変になっているのが現実で、統計上もきちんと証明されています。
インプラントを槍玉に挙げるのがお好きなようですが、介護の現場では、歯の方が怖いと言うのが本当のお話です。
レジンに関しても、チャンとした治療受けることで20年何ともない、と言う結果も出始めていますよ。
インプラントの撤去も骨ごと取るから大変、と言われますが、骨の中に虫歯になった根が残ってそれを取らないといけない時の方が、もっと骨が失われます。
全て現実のデータですから、本当の現場に行かれて現実をご覧下さい。
ドグマにとらわれた情報をネット内で鵜呑みにされず、現場での情報をどうぞ見て下さいませ。