夫婦

父の命日に
母のホームに行って来ました

母には父の死は知らせていません
『死』という事が
上手く自分の中に受け入れられないと
パニックを起こして
スタッフさんにご迷惑をおかけするからです

以前、もっと認知の軽い頃
「叔父の法事に行って来るね」と
父と出掛けた後から

ウン十年も前に亡くなった叔父なのに
いつ死んだん？
知らんかった！
あんたは知っとったん？

などとくどくどと言って困ったことがあります


でも、やっぱり命日は母と過ごしたいと
行ってみました

「父さんはどんな人？」

「ええ人よ」

「頑固じゃったね」

「いいや、優しいええ人よ」

「ほんまに」

「ほんまよ
　真面目な優しい人よ」

「よかったね」

「うん、あんたの旦那もええ人じゃろ」

「うん」

頑固で短気な父は
母をよく怒っていました

けれど、母には優しい父の面影しか残ってないようです

夫婦って、いいもんですね

そしてそれが
父にとっての最高の供養のようで嬉しかったです