noribo2000のブログ

特定のテーマにこだわらず、意見やアイデアを表明するブログです

自民歴史的圧勝、民主惨敗の理由

2005年09月13日 | 政治・社会

昨日の総選挙では、自民党が解散前よりも議席を大幅に伸ばし、一方民主党は多くの議席を失いました。自民党は非常にうまく選挙を戦った、一方民主党は後手後手に回ったしまったということが如実に表れています。

自民党の戦術として、今回特にハマったのが

  1. 争点を郵政民営化一本に絞り、国民の関心をその1点のみに集中させわかりやすくしたこと
  2. 民営化反対派議員の公認をせず「刺客」を送り込むことで、自民党でも改革が可能であることを強烈にイメージさせたこと。
  3. 「郵政民営化」=「改革」を有権者に意識付けすることで、野党を民営化反対派議員と同じく「抵抗勢力」に見せることに成功したこと

などがあげられると思います。これらの戦術はすべて、選挙にならないと支持政党が定まらない「浮動票」に対して非常に効果的だったといえるでしょう。

一方民主党の敗因としては、以下の点が挙げられると思います。

  1. 郵政民営化以外にやることがいっぱいあると主張してきたが、郵政民営化を後回しにして良い理由、与党の「改革案」を否決しなければならない理由が有権者に理解可能な形で提示されず、主張が何なのかが非常にわかりにくかったこと
  2. 郵政民営化法案に反対したことで、結局改革できる能力を持たず、与党の言うことは何でも「反対」するだけの旧来の野党のイメージから脱却できなかったこと


今回の結果を受け、以下の感想を持ちました。

(1)争点をわかりやすくした選挙は有権者の関心を集められる。本来難しい政治課題をわかりやすく説明する能力が今後の立候補者には求められる。

多くの有権者はテレビなどの報道で「郵政民営化」=「改革勢力(善玉)」「民営化反対」=「抵抗勢力(悪玉)」くらいの認識で自民党に投票したのではないかと思います。本当のところは自民党の主張と民主党の主張と良く比較した上で、どちらが自分の意見により近いかを吟味して投票するべきだと思いますが、いきなりそんなところまで有権者に期待するのはさすがに難しいと思います。しかし今回の選挙でまかりなりにも政策本位の選挙を経験したので、徐々に国民の政治への関心も高まってきたことと思います。次回以降は本当は複雑な争点をいかに適切にわかりやすくするか、という技量が各政党には求められるでしょう。

(2)自分をひいきにしてくれる特定の団体の利害ばかり考えていたのでは選挙に勝てなくなってきた

民主党は郵政民営化に反対する理由として、やっても効果がないとか、そのうちやらないといけないが今やら無ければいけない理由がない、などと主張してきました。しかし本当に民主党が郵政民営化に反対しなければならなかった理由は、全郵政など郵便局員で構成される労働組合を支持基盤として抱えているためです。彼らの支持を得るため、郵政民営化賛成に踏み切れなかったのではないかと考えます。しかし大半の浮動票はそのようなしがらみを持たない人たちであり、特定の団体の権益などはどうでもよく、「自分にとってどちらが良いか」「国にとってどちらが良いか」という評価軸で投票する政党を決めるので、今回の民主党の煮え切らない態度に不信感を募らせたのではないかと考えます。
これからの選挙は、いくら自分の党によくしてくれるからといって特定の団体の権益を守るような政治手法をとった党が、冷静な浮動票の厳しい目にさらされてしまうのではないかと思います。


特定の団体の権益を守ることで支持を得る政治手法と対極的にあるのが、ブログ党による党議拘束のない議員個人個人の意見で支持を集める政治手法と考えます。また本来は複雑な政策をわかりやすく国民にアピールする能力が必要です。わかりやすく伝えるには、テレビや新聞ではなく、インターネットのようにいつでもアクセスでき、動画も音声も自由に扱えるメディアが必要です。今回の選挙の結果を見て、ブログ党の必要性を再認識したところです。


最新の画像もっと見る