傍観者の独り言

団塊世代で、民間企業で「チンタラ・グウタラ」に過ごした人間の手前勝手な気儘な戯言・放言。

再生可能エネルギーだけではエネルギー問題は解決できない?

2011-07-26 07:10:59 | 民主党(菅政権)

13日に、ソフトバンクと35道府県が参加し、「自然エネルギー協議会」が発足し、自然エネルギーの拡大の動機付けになるでしょうが、休耕田の太陽光パネルを設置する電田プロジェクトは、性急な印象を持ちますね。
自然エネルギーも諸々あり、何が本命になるのか素人にはわかりませんね。

福島原発事故以来、原発を自然エネルギーで代替が世の潮流ですが、ソフトバンクの孫正義社長が立ち上げた電田プロジェクトが賑やかですが、自然エネルギーには諸々があり、素人には何が本命になるのかわかりませんね。

当方は、本ブログ「自然エネルギー:「石油を生む藻」は面白い!」で、筑波大学大学院、渡邉信教授が発見した「石油を産む藻」(ボツリオコッカス、オーランチオキトリウム)が面白いと書きましたが、「石油を生む藻」は、他にもあるのですね。

「フライデー」(2011年7月22日号)の掲載記事『農水省が着目「藻で作る油」は脱原発の救世主か 昼は太陽光、夜はLEDで培養可能! 日本の農家が〝石油王〟になる?』で、筑波大学系のベンチャー企業「筑波バイオテック研究所」の代表取締役・前川孝昭氏(68)の発見した藻(New Strain X:NSX)を紹介しています。

「NSX」は、農学博士(食品・生物資源プロセス工学)で、筑波大学名誉教授、国際農業工学会名誉会長などの肩書を持つ前川氏を代表に、千葉大学、群馬大学、北九州市立大学などの研究者からなるチームが組まれ、 '09 年12月にスタートした研究の成果だそうです。

6月20日、社団法人農林水産先端技術産業振興センターと農林水産省が主催の「アグリ技術シーズセミナー」が開催され、東日本大震災の被災地復興に役立つ先端技術として前川氏の研究成果が発表されたが、農林水産先端技術産業振興センターの岩元睦夫理事長が関心を持っているそうです。

また、再生可能エネルギーではないが、本ブログで予告紹介したが、TBSの「夢の扉」で紹介した「メタンハイドレート」は、注目すべきと思いますね。

ダイヤモンド・オンラインの記事『日本が資源大国になる?』ではないが、数年前までは科学的な研究対象でしかなく、メタンハイドレートの採掘や商業利用は夢の領域だったが、経済環境の変化、豊富な資源量、技術の進歩で、ここへきてメタンハイドレートを見直す気運と期待が急速に高まってきています。

TBSの「夢の扉」は、技術の開発の先導者のMH(メタンハイドレート)採取プロジェクトリーダー増田昌敬(東京大学工学部 准教授)が不遇・逆境の時代を若き研究員(今野義浩氏:産業技術総合研究所(札幌市))の支援をうけながらの技術開発を紹介していました。
番組の詳細については、ブログ『夢の扉+【メタンハイドレート増田昌敬東大大学院准教授】』を参照を。

当方は、メタンハイドレートについては名前を知っている程度で、TBSの「夢の扉」を視聴し、メタンハイドレートの将来性と増田昌敬准教授の苦労話を知り、メタンハイドレートに関心を持ち、石井 彰氏の「WEDGE Infinity」への寄稿『LNG戦略が日本のエネルギーの鍵を握る』を読み、日本のエネルギー問題は、脱原発を再生可能エネルギーで代替できても主力は火力発電であり、液化天然ガス(LNG)の安定的な確保が主たる問題を認識しました。

石井 彰氏は、
”「原発の再稼動はおろか、来年には全原発が停止するという状況も予想されるなか、当面の代替電源は、液化天然ガス(LNG)による火力発電しかない。そのため、LNGをいかに確保するかが、ここ数年の日本のエネルギーの鍵を握ると言っても過言ではない。

 あまり知られていないが、LNG市場を世界に先駆けて育ててきたのが、東京電力など日本の電力会社だ。日本に輸入される天然ガスの約6割が発電に使われる。加えて世界の天然ガスの輸送は9割以上がパイプラインだが、生産地から遠く海に隔てられている日本の場合、“液化”して運ぶ必要がある。液化のためのプラントや、それを専用に運ぶLNG船の開発には、長期的かつ多額の投資が必要で、日本の電力会社という大口の需要家がいたからこそ発達してきた。

しかし、全原発がストップするとなるとざっと見積もっただけでも、2000万トンのLNGが必要になる。ちなみに日本の年間需要量は約7000万トン、世界需要が約2.2億トンだから、2000万トンの増加というインパクトの大きさが分かる
。」”
と問題提起しています。

メタンハイドレートは、再生可能エネルギーではないが、脱原発後も主力となる液化天然ガス(LNG)の代替の可能性を秘めており、日本エネルギー問題の安定化につながります。
脱原発を再生可能エネルギーで代替は賛成ですが、それだけでは日本エネルギー問題は解決しないのです。

また、7月16日(土)の「ウェークアップ」で、『町工場で新エネルギー”下町の発明王”が水から作る”奇跡のガス”とは』で、日本テクノ㈱(東京・大田、大政龍晋社長)が開発した「OHMASA―GAS」と呼ぶ「酸水素ガス」なる物をやっていたが、世の中には、知らないもの面白いものがありますね。

「OHMASA―GAS」と呼ぶ「酸水素ガス」については、ブログ「話題のナレッジベース」様のエントリー『酸水素って!?日本テクノ㈱が開発した夢の液体燃料?』、ブログ「伝右の日記・日々考えること感じること」様のエントリー『水素と酸素の2:1液化混合物が爆発しない! 今までの常識をはるかに超える技術である 』らを参照されたし。
当方には、論評する知見などありません。

当方は、脱原発=自然エネルギーで代替=「自然エネルギー協議会」の「電田プロジェクト」、電力不足=節電の時流には短絡的という思いがあります。
本ブログ「自然エネルギーの買取義務化の前に、現実的な「埋蔵電力」の自由化の環境整備を」で、自然エネルギーの買取義務化の前に、「埋蔵電力」の自由化の環境整備を、本ブログ「電力不足への節電も結構だが、まずは「埋蔵電力」の自由化が現実解」で、鹿野農水相が孫正義社長の提起している耕作放棄地の「電田プロジェクト」に関心を示したと報道があったが、耕作放棄地・休耕田を太陽光発電に活用には、地主は、太陽光発電の賃貸料なりのなんらかの収入を得ることなり、農地の固定化になり、農業の再生に障害になる懸念を書きました。

脱原発を自然エネルギー発電で代替できても、電力不足を「埋蔵電力」で補完できても、日本のエネルギー問題は主力になる火力発電の液化天然ガス(LNG)の安定確保は不可避です。
菅首相の言っている「自然エネルギーの買取義務化」、「埋蔵電力での補完」などは、短絡的な部分解に過ぎないのです。
脱原発とエネルギー問題は、次元の違う問題です。



1 コメント

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水徒然 (tetsu)
2011-07-28 21:03:31
 こんばんは。最新情報を拝見いたしました。参考させていただきます。
最近「高温岩体地熱発電」を開発中との情報などもありますが、何が本命になるか?全く同感です。
 ご存じかと思いますが、以前調べましたWWFの試算では省エネルギーの進展を前提にして、2050年まで再生可能なエネルギー100%とのことですが、バイオマス関連(当面は廃棄物利用)のエネルギーの比率が多いことが特徴で、太陽光関連のエネルギー、風力、地熱関連の伸びを予測していますようです。
 いずれにしても、原発関連の予算を見直し・削減して、再生可能なエネルギーに加速をつけることと、我が国の自然条件にフィットした民意を集結・反映したロードマップを利害関係のない組織で作ることが重要かと思います。

 わが国の太陽光、風力発電は開発期間が旧く、他に比べて、勿論、即戦力として有望と想われますが、昨今の猛暑、豪雨、異常な強風などの気象条件では効率がさがると想われ、一事が万事の偏った施策でなく周到なる計画が必要かと想われます。税金の無駄遣いと財政逼迫を加速しないように。
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