いろはにぴあの(Ver.3)

ピアノを趣味で弾いています。なかなか進歩しませんが少しでもうまくなりたいと思っています。ときどき小さな絵を描きます。

プーシキン美術館展

2013年08月25日 | 気になる場所、風景

 昨日はプーシキン美術館展を見に横浜美術館へ行ってきました。プーシキン美術館と言えばロシアの首都モスクワにある美術館で、特にフランス絵画が充実している美術館です。広告にもなっているルノワールの『ジャンヌ・サマリーの肖像』の印象が目に焼き付いており、人が多いのは分かっていたもののぜひ原画を見たいと思って出かけました。幸い早い時間に行ったので混んでいながらもなかなか進めないということはありませんでした。

 最初は17~18世紀の古典主義・ロココの絵画でした。神話を描いた絵、そして背景が暗く人物が浮きだったような絵が多かったですがさすが人物の動きや表情が見事に出ていました。例えばシモン・ヴ―エの『恋人たち』やアレクシ・グリム―の『たて笛を持つ少年』は光が一か所にあたっているのですがその当て方がうまく人物の心情の伝わり方は手に取るようでした。またジャン=バティスト=クルーズの『手紙を持つ少女』の表情も印象的でした。

 フランソワ・ブーシェの『ユピテルとカリスト』という絵はローマ神話をもとにした美しい絵でした。しかし実は最高神ユピテルが女神ディアーナに変身しカリストを誘惑している絵であり、右側のユピテルの右には彼を象徴する鷲が描かれています。

 次は19世紀前半の新古典主義、ロマン主義、自然主義の絵画でした。このコーナーで真っ先に目に入ってきたのは、ジャン=オーギュスト=ドミニク・アングルによる『聖杯の前の聖母』でした。凛として気品に満ちた聖母の表情が印象的でした。ちょっとモナ・リザを彷彿とさせます。両側の男性たちは守護聖人だそうです。

 19世紀後半は印象主義、ポスト印象主義の絵画でした。広告に使われていたルノワールの『ジャンヌ・サマリーの肖像』もこのコーナーにありましたが、ほかにもマネ、モネ、ドガ、ロートレック、セザンヌ、ゴッホ、ゴーギャンなど華やかな顔ぶれの画家たちの絵がそろっていました。

 マネの『アントナン・プルーストの表情』、素朴な描写の中からも人物が動き出しそうなそういう雰囲気を感じました。

 モネの『陽だまりのライラック』では明るい日差しの下で美しく咲き誇るライラックとその下にいる二人の女性を描いていました。女性の元に差す木漏れ日を色違いの点で描写しているところがなんともいえず美しかったです。

 セザンヌの『パイプをくわえた男』のインパクトはすごかったです。実はセザンヌの絵、実物を見るまではどちらかといえば好きでも嫌いでもなかったのですが、『りんごとオレンジのある静物』の実物を見たときあまりのインパクトの強さに強く惹きつけられました。それ以来セザンヌの絵の実物を見ると期待以上のインパクトを受けているのですが今回の『パイプをくわえた男』もそうでした。ちょっとやさぐれたような男性がパイプをくわえ頬杖をついています。右上にあるのはセザンヌ夫人の肖像画だそうです。机の角度などのとらえかたはキュビズムらしく主観的で無駄がなさそう、伝えたいものを端的に探りだし的確に表現したような感じでした。こちらを向いている目の表情もなかなかですね。


  そして広告に出ていたルノワールの『ジャンヌ・サマリーの肖像』。愛らしい表情のジャンヌとピンク色の背景が見事にマッチしてみるだけで幸せになれそうな絵でした。ルノワールの輪郭をはっきりさせないやわらかい筆の使い方にはいつも心惹かれます。セザンヌと対照的なのですけどね。

 

  ドガの『バレエの稽古』、バレエに真剣に取り組む女性たちの姿が美しかったです。一瞬の動きをよくとらえていると感じました。

 ゴッホの『医師レーの肖像』はゴッホが耳切り事件を起こしたときに診察にあたったレー医師を描いた作品で緑色の模様のあるバックが印象的だ。ゴッホはレー医師にお礼の気持ちとしてこの絵を渡したものの、レー医師は気に入らなかったのか鳥小屋の穴をふさぐのに使ったそうです。

 最後に20世紀、フォーヴィスム、キュビズム、エコール・ド・パリの絵画が展示してありました。

 アンリ・マティスの『カラー、アイリス、ミモザ』の鮮やかな色遣いは素晴らしかったです。緑、青、黄、白の上に程よく差したピンクが画面を引き締めているような気がしました。たくさんの色を使っているのに不自然になっていないのが見事だと思いました。

 それにしてもこれだけの素晴らしい絵が何世紀にもわたり、しかもフランスからロシアまでなぜ運ばれたのだろうか、ということなのですが、エカテリーナ2世を始めとしたロシア貴族はフランス語やフランス事情にたけており、莫大な資金を投じて美術品を収集していたらしいのです。その後ロシアの大貴族ニコライ・ユスーポフが『ユピテルとカリスト』、農奴の解放を行ったアレクサンドル2世が『聖杯の前の聖母』を手に入れたそうです。時代が下り19世紀後半になると、収集家の中心は貴族から実業家へと移りました。産業革命の中、紡績業などで成功を収めた商人や企業家が絵画の収集に私財と情熱を注ぎ込んだそうです。セルゲイ・シチューキンとイワン・モロゾフがその代表者です。(こちらのサイトを参考にしました)

 充実したラインナップの絵画を見ることができて本当によかったです。

 

 

 

 

 

 

 


気になるピアニスト クリフォード・カーゾン 

2013年08月25日 | ピアノ・音楽

 先月の今頃はいにしえの演奏家の演奏を聴くのにわくわくしているという記事を書きました。今もそうなのですが、先月書かなかったピアニストでかなり気に入っているピアニストがいました。クリフォード・カーゾン(Clifford Curzon)というイギリスのピアニストで、1977年にナイトに列せられたピアニストです。彼のこと、実はこの夏まで知らなかったのです。しかしtwitterでモーツァルトの演奏に定評があるピアニストとして名前が挙がっていて、興味を持ち始め、イシュトヴァン・ケルテス指揮ロンドン交響楽団による演奏のモーツァルトピアノ協奏曲23番、24番のCDを購入して聴いたところ、柔らかく流れるように自然な演奏に心惹かれました。こんなに素敵な音色のピアニストなのに今まで知らなかったことがちょっと残念で、でも知ることができて本当に良かったと思えるピアニストでした。かなりの録音を残しているものの、録音嫌いだったとWikiにはありましたが。。。私はまだまだカーゾンの音楽を知っているとは言えず、もっと聴きたいと思っているのですが、素敵な動画があったので貼り付けようと思います。

 カーゾンは作曲家としても有名なベンジャミン・ブリテンの指揮のもとでも演奏しています。以下の動画にあるモーツァルトのピアノ協奏曲第27番K.595第2楽章の天にも登ったような透明感あふれる音楽には次の言葉が出ません。

 シューベルトの即興曲Op.90 D.899の第3番変ト長調です。曲の輪郭をしっかりとらえた上に溢れんばかりの歌心。

 他にも動画がいくつかあり、中には本人の手の動きもうかがえるものもありましたが、埋め込みによる共有ができないものが多かったのでここまでにしておきます。もっと聴きたいと思われた方はCurzonで検索してご覧になってみてください。

 


北軽井沢に行ってきました

2013年08月25日 | 気になる場所、風景

 かなり前の話なのですが、お盆の最終日である16日、軽井沢に行ってきました。

 北軽井沢の白糸の滝です。有名なところだけあって人がたくさんいましたが滝の周辺はさすがに涼しくなっていました。滝の入口から堂々とした風貌です。激しい水音が聴こえてきます。

 先ほどの写真の上部、奥の方に見える平らな滝が白糸の滝です。白糸のように細く繊細な水が無数の列をなして落ちていました。まるで水のシャワー、素晴らしい風景でした。滝の写真です。

  次は浅間山の噴火によって出来た溶岩によってつくられ絶景となった、鬼押出し・浅間園に向かいました。名前通りまるで鬼が押し出して作ったようなごつごつした岩でおおわれていました。向こうに見えるのは浅間山です。あの山から噴火して流れ出た溶岩から作られているのですね。

 しばらく行くと灯篭が見えました。

 そしてもう少し進むと手前に松、背景に浅間山という絵になる風景が見えました。

  鬼押し出し園の火山岩の下は非常に気温の低いところがあり、なんと雪が解けずに残っているところもあるのです。雪だるま、きれいな形のまま残っています。夏の真っ盛りにです、びっくりしました。

 そして折り返し方向に近づいたところ、びっくりするほど高くそびえた急傾斜の岩に遭遇。どこからこんな岩がやってきたのかと思うような岩でした。中国の桂林や李白の描く漢詩の世界を思い出しました。

 

 絶景からしばし離れ昼食。秋の知らせを伝えるコスモスが咲いていました。軽井沢の秋は一足早いです。

 こちらもコスモスでしょうか?黄色の花びらもですが、まるでチョコレートのような中心が非常に印象的でした。

 

  ちょっと脇道にそれるとかわいらしいつりがね草に出会いました。1センチぐらいの小さな花でした。

 その後は再び滝へと向かいました。今度は浅間山周辺で最も大きな滝と呼ばれる浅間大滝です。水音も激しく堂々たる風貌でした。

  もう一枚浅間大滝です。音と涼しさを届けられたでしょうか?

 

  そして浅間大滝の近くにあった魚止の滝です。落差は少ないのですが幅が広く美しい滝でした。周辺も涼しく空気も澄んでいました。ずっとそこにたたずんでいたくなるような滝でした。

 

 美しい自然にたくさん触れリフレッシュした気持ちで帰りました。

 


水彩色鉛筆の絵 江の島 外洋に向かって

2013年08月14日 | お絵かき

 先週末は海が見たいということで江の島に行ってきました。暑かったのですが神社にも行き美しい景色を堪能することができました。江の島から湘南海岸側へ向かった風景も美しく、初めて行った時には早速写真に収めも描いていました。そのときはひとまず建物もきちんと描こうとしていたのですね。。。建物をきちんと描くのは今でも苦手意識が強いです。当時からほとんど進歩していないですね~。

 しかし、海はなんとかして描きたいものです。大好きな題材だから。今回は反対側、すなわち江の島から何もない太平洋に向かう方向でいいと感じた景観があったので早速写真に収め絵にすることにしました。私の苦手な建物はなく、ほとんど植物と海だけという嬉しいシチュエーションでした。

 右の岩場に向かって激しく波がうっているのが見えます。下をずっと見ていたら吸い込まれそうでちょっとあぶないです。右側の上にある木の間からもれる光がきれいでした。

 ずっと左の方を見て見るとこのような景色が見えました。

 木の間から見える海がとてもきれいです。ちなみにこれらの作品はほとんど水を使いませんでした。水面の光の具合を出しやすくしたかったから。木や草の緑も植物の種類や光の差し方の違いのために表情が違って見えます。

 それから少し視線を右の方に戻すと、海上に船が見えました。この船はいったい何のために使われいるのでしょう。かなり離れたところですが思わず声をかけたくなりましあ。木の間から見える海の水、光のおかげできらきらと反射していました。


水彩色鉛筆の絵 すいか

2013年08月14日 | お絵かき

 まさに猛暑、暑い日々が続いているこの頃ですがいかがお過ごしでしょうか?

 こんな暑い日にはやはりこの果物だろうということで、スイカをいただきました。水分たっぷりあまさたっぷり、涼しさと快適さを一度に味わうことが出来ました。たっぷりの水分と涼しさを目からも感じ取れるように赤い果肉のところは水で溶かしました。

 

すいか

 実はこのスイカの皮、料理に使えるそうなのです。考えてみたらスイカも瓜の仲間なのでお漬物や味噌汁の具材として瓜のように使うことができてもおかしくありません。残念ながらまだ使ったことはありませんが。