いろはにぴあの(Ver.3)

ピアノを趣味で弾いています。なかなか進歩しませんが少しでもうまくなりたいと思っています。ときどき小さな絵を描きます。

ドラマチック

2013年04月30日 | 日記

 ドラマチック 


 


という言葉から皆さんは何を連想されますか?


 


ドラマチック、日本語でいうと「劇的」という意味ですが、なかなかこの言葉、使うのが難しいことが分かってきました。私はドラマチックという言葉をあまりにも多用しすぎる傾向があったかもしれません。


 


例えばベートーヴェンソナタの第5番、ドラマチックに弾きたいと述べたら、悲愴ソナタや熱情ソナタなら分かるけれど第5番はドラマチックというほどではない、と言われたことがあります。そのとき感じたことは自分の曲へのとらえ方の甘さとともに言葉の選択の甘さでした。しかしそれでもいいのでは、ドラマチックでもいいのでは、という思いも少し残っていました。少なくともその前に弾いていたソナタ20番よりはドラマチックなんだけどな、この曲はドラマチックに弾いたほうが思いを込めて弾けるのにな、と思ったり。


 


いや、熱情ソナタでも別の人にとってはドラマチックの定義に当てはまらない可能性があります、むしろ、あって当たり前かもしれません。激しく情熱的=ドラマチックだとは言えないこともあるのです。


 


ドラマチックだけではありません、音楽を言葉で表すことによって、音楽により近づくことができるかもしれませんが、安易に用いることは却って音楽から遠ざかる危険性もあるかもしれない、と感じるこのごろです。でもそういう危険性を恐れてばかりいたらそれはまたつまらないのですが。。。


 


 ちなみに昨日テレビで、三省堂の国語辞典の編集について、良友だった二人の国語学者が辞書についての考え方の相違がゆえに決別することになったものの、お互いがそれぞれの個性を生かし素晴らしい辞書を作った話を見ました。見坊 豪紀氏は辞書を「かがみ」であると捉え、言葉の実態を映す「鏡」の性格と、言葉を正す「鑑」の性格を持つものでなければならないという主張のもとに出来る限り多くの言葉を収集し客観的な記述を求め、「三省堂国語辞典」を作りました。一方、 山田忠雄氏は言葉の意味の定義に堂々巡りがあってはならぬ、辞書は語釈を楽しんで読むものであり、そこには社会風刺も含まれてよい、という考えのもとに説明を詳しくした、「新明解国語辞典」を作りました。たとえば、恋愛、動物園という言葉を新明解国語辞典で調べてみたらちょっと過激でリアルな説明が描かれています。一方三省堂国語辞典には時代に応じてウルトラマンが登場したり (第六版では退場したそうです)、第六版では「マスオさん」「耳をダンボにする」のような言葉もきちんと採りあげられています。辞書のように言葉を客観的に扱っていそうな書物の編纂でもこのようなことがあるのです。言葉は物事を的確には表し切れない、しかし人は言葉がなければ生きていけない。本当に、まったくですね。


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水彩色鉛筆の絵 花の国のポピー

2013年04月29日 | お絵かき

 久しぶりに絵を描きました。横須賀市の久里浜に、花の国というところがあり行ってきました。広い広い花畑が山に向かってずっと広がっているのです。そのような夢のようなところがあっていいのだろうか、そして無料で入れていいのだろうかと思えるぐらいいいところでした。 

 花の国に入ってすぐに広がっているのがポピーの花畑。色とりどりのポピーがのびやかに咲いていました。撮った写真の一枚をもとに絵を描きました。橙色の花が多かったのですがその中で赤く華やかに咲いていた数本が印象的だったのです。ぎこちない一枚ですが、描けただけでもよし、としたいです。


広島風お好み焼き

2013年04月27日 | 日記

 広島風のお好み焼きといえばこちらにきてからご無沙汰していた食べ物のリスト上位。常に食べていたいわけではないものの、ときどき懐かしくなるメニューの一つ。しかし美味しい店があるという情報が友人から入ってきました。そうだと知れば行かないわけにはいきません。ついに今晩実現。新橋のソニアという店に行ってきました。新橋駅から南に10分ぐらい歩いたところにあります。

 中に入った途端広島カープの選手のポスターと応援グッズメガフォンが目に入ってきました。上の方を見るとカープ坊やのかかれたシロップらしきものも。広島の観光マップも置いてあったりして、店内自体が広島になっていました。熱くて厚い鉄板であの薄い生地を焼いている店員さん。別のところで野菜、そば、お肉、卵を炒めている、あの光景、広島で何度も観てきた光景ではないですか。光景だけではなく味も期待できそう。もみじのイラストが描いてあるメニューを見て、主人はイカとエビ入りの海鮮デラックス、私はイカ天入りのソニア焼きをいただきました。イカ天美味しいのですよ!

 ど~んと出てきたお好み焼きは、ぎっしりとそばと野菜とお肉とイカ天が入り、上にはお好みソースに青のり、そしてネギがたっぷりと載っていて広島のお好み焼きそのもの。なつかしさにあふれた気持ちでいただきました。あの濃厚な味とボリューム、しっとりした感覚も期待どおり、とても美味しかったです。しその大葉ととろろ昆布がいい味出していました。ボリュームもですが懐かしさとうれしさでさらにお腹がいっぱいになりました。

 東京近郊に住んでいて広島のお好み焼きが食べたい、と思われた方はぜひ。ただこのお店、平日は開店しているものの、土曜日は夜のみ開店、日曜日は休みです。ゴールデンウィークも3~7日が休みなのでその点は残念です。また混んでいることが多いので、予約を入れたほうが確実だと思います。


若き詩人への手紙・若き女性への手紙

2013年04月27日 | 読書

 先日あるところで無料の講演を聴きに行きました。その講演の会場に置いてあった本に、「人生を変える読書」武田修志著php新書 というのがあり、気になり手に取ったところ真っ先に目に入った本が、リルケ著の「若き詩人への手紙・若き女性への手紙」リルケ著・高安国世訳でした。著者の武田氏はこの本を何度も読み心の糧にしてきた、ということでした。私はすでに若いとは言えないのですが、この本から力づけられることが多そうな予感がしたので読むことにしました。

 武田氏の感想と私の感想、まさにほとんど一緒でした。本文から抜粋します。

「あなたは御自分の詩がいいかどうかをお尋ねになる。ほかの詩と比べてごらんになる、そしてどこかの編集部があなたの御詩作を返してきたからといって、自信 をぐらつかせる。それは(私に忠言をお許し下さったわけですから)私がお願いしましょう、そんなことは一切おやめなさい。あなたは外へ眼を向けていらっしゃる、だが何よりも今、あなたのなさってはいけないことがそれなのです。誰もあなたに助言したり手助けしたりすることはできません、誰も。ただ一つの手段があるかぎりです。自らの内へおはいりなさい。あなたが書かずにいられない根拠を深くさぐって下さい。もしもあなたが書くことを止められたら、死ななければならないかどうか、自分自身に告白して下さい。」

 この文章に出会っただけで、リルケ氏、そして武田氏に出会えてよかったと思いました。ここでは詩ですが、たとえば演奏や文章や他のものにもあてはまるでしょう。プロとしてやっていく場合はとくにそうかもしれませんが、そうではなくても、本質的にこの助言はなにかを作ろうとする者にとってはあてはまるような気がします。

 他にも心に残った言葉。

「もしあなたの日常があなたに貧しく思われるならば、その日常を非難してはなりません、あなた御自身をこそ非難しなさい。」

「必然から生まれるときに、芸術作品はよいのです。こういう起源のあり方の中にこそ、芸術作品に対する判断はあるのであって、それ以外の判断は存在しないのです。だから私があなたにお勧めできることはこれだけです。自らの内におはいりなさい。そしてあなたの生命が湧き出てくるところの深い底をおさぐりなさい。」

「あまり自分自身を見つめすぎてはいけません。」

 厳しい言葉といえば厳しいのですが、深い愛情が感じられます。とても力強く勇気づけられる言葉。何度も読み返しそうです。講演もよかったのですが、講演を聴きに行ったおかげでこの本に出逢えて本当によかったです。

 


コミック「ムジカ」 第1巻

2013年04月27日 | 読書

 久しぶりのブログ更新はコミックの紹介からいきます。先日、「ムジカ」 (かかし朝浩さん著)というコミックの第1巻が幻冬舎コミックスから発売されました。シューマンやその周辺の作曲家たちの生涯を描いた漫画で友人が紹介してくれました。シューマンの生涯をもっと知りたいと思ったし、何と言ってもシューマンを主人公にした漫画自体が貴重に思え、入れ込めそうな気がしたので読むことにしました。

 ロベルトがクララの父親ヴィークに弟子入りし、クララと出会ったところからストーリーが始まります。父親かつ師匠でもあるヴィーク氏のクララに対する技術を徹底的に鍛え上げる一方彼女の感情を封じ込めるスパルタ教育ぶりのすさまじさ、それを見て痛ましく思いながらもクララを応援するロベルト、その後ひょんなことで社交界にデビューし、さまさまな人物に出会うストーリーになっていました。ショパンに小犬のワルツをささげ支援したことでも有名なデルフィナ・ポトッカ夫人やメンデルスゾーンも登場します。

 史実とは少し違う所もあるということですが、それでも当時の様子を思い浮かべ楽しく読むことができそうです。ポトッカ夫人はちょっとくずして描かれているような気もしたのですが、おかげで彼女の生涯にも興味が湧いてきました。のだめカンタービレもそうだと思うのですが、クラシック音楽を広める上で漫画やメディアによる貢献は大きいと思います。のだめカンタービレのおかげで私も特にピアノ曲以外で聴くようになった曲が増えたような気がします。

 続きの発刊が楽しみです。