ふくしまの里山を次世代に

鮫川村に秘密裏に建設された放射性廃棄物焼却処分場に反対する住民組織『鮫川村焼却炉問題連絡会』のメンバーによるブログです。

工事の白紙撤回を求める要望書提出

2012-11-15 04:21:18 | 要望書、質問書
公開質問状、再質問状、役場での話し合いを重ね、一旦工事を中止して地元にきちんと説明し同意を得ることを求めましたが、期限が目前に迫り、急きょ工事停止の要望書を提出しました。(修正前のものを掲載していることに気づき11月17日差し替えました。お詫びして訂正致します)

鮫川村
村長 大樂勝弘 殿

焼却処分場工事の白紙撤回を求める要望書

 青生野地区焼却処分場建設計画について以下の理由により直ちに白紙撤回することを求めます。

1. 焼却炉建設の必要性がない。
8,000ベクレルを超える放射性廃棄物の焼却実験とのことですが、対象のものはわずか28トンに過ぎません。どうしてもこの処理が必要ということであれば、これだけ一時的に保管し5年後に政府が作る最終処分場に持ち込めばよいだけの話で、焼却炉を作る必要はありません。
また600トンを焼却する予定ですが、堆肥原料落ち葉10トンは業務開始後に搬入、庭木・立木342トンは実施期間中発生の都度搬入となっており、要するに今後集めることになります。しかし、貴村は福島県内にあって非常に汚染の低い村であって除染の必要はなく、庭木、立木、落ち葉を広範囲に集める必要はありません。除染対象地区に指定されたのは昨年度でありその後1年を経て線量は0.1マイクロシーベルト台に下がっています。沢水など村民の生活に直結するマイクロスポットのみの除染で十分なはずです。

2. 処分場は放射性物質の二次汚染を引き起こす可能性が高く危険である。
  当会では処分場建設について専門家を招き、勉強会、講演会を重ねておりその結果として危険性の高い施設であると認識しています。建設予定地周辺には多くの住民が居住しており健康被害、風評被害が予想されます。
  他町村で行われた焼却実験では、200万ベクレル/kgを超える汚染灰が発生しています。貴村では焼却灰を10万ベクレル/kg以下に抑えるとのことですが、単に灰を希釈するかどうかの違いだけで、放射性物質の総量は変わらず意味がありません。焼却灰の保管は5年とのことですが、貴村が計画しているセメント固化は崩壊が早いこともあり、また万一の地震を勘案すれば充分な施設とはいえません。
  建設予定地は自然林に囲まれた水源涵養地であり3つの河川の源流となっています。国の天然記念物であるヤマネも生息する豊かな生態系があります。こうした地を二次汚染の危険性に晒すのは愚かです。

3. 地域住民の同意を得ていない。
  建設予定地は塙町、いわき市、北茨城市との境にあり、処分場建設による影響は貴村住民だけでなく近隣市町村住民にも及ぶものですが、建設が始まろうとしている11月になっても依然として貴村では地域住民への説明会すら行っていません。また当会で開催した専門家による勉強会に再三参加要請したにも関わらず貴村からは大楽村長はじめ誰一人参加せず、安全確保を図るためにあらゆる観点から安全性や危険性を把握しようとする姿勢が見られません。さらに、当会が求めてきた施設資料の開示すら応じていません。
こうした放射性物質の焼却処分場を作るのであれば、はじめに地域住民への説明を行って、どのような施設を作り、どのような業務を行うのか、その際の環境汚染やそれに伴う地域住民への健康被害はどれほどが予想されるのか、またその対処をどのようにとるつもりであるのか等を地域住民が納得するまで説明し、同意、了承を得るのが行政がとるべきやり方です。
大楽村長は放射性廃棄物を一掃して事故前のきれいな村にしたいと説明されていますが、焼却処分場を作っても放射性物質の総量は変わらず、単に一箇所に集めるに過ぎません。鮫川村から汚染物を近隣市町村との境に集めて迷惑施設を押し付け、地域住民には一切の情報開示も説明も行わず、自分達だけが綺麗になればよいというのは余りにも身勝手であり、住民の健康と安全を守る自治体の責務を放棄していると言わざるを得ません。

4. 貴村の信用とイメージが失墜する。  
貴村は大豆で村興しを掲げ、安心安全な農産物作りを行い全国から高い支持を集めていたはずです。貴村を大切にしてきた村民の気持や努力、多くの人の支持や信頼を失うことは、村政の汚点として村史に残るはずです。

5.公費の無駄遣いである。  
事業は3年間で7億円とされています。予定地は広大であり焼却せずに保管する方法も十分考えられますが、焼却による減容化により巨額の公費が投入されることになります。被災者の補償が進まず、未だに県内の線量の高い地域に多くの子供たちが生活しているのですから、これらの方々に少しでも回すべきです。

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皆様からも多くのご意見をお送りいただき感謝を申し上げます。
引き続き鮫川村へお声をお寄せ下さい。
宛先等詳細は一つ前のブログをご参照下さい。



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