都知事選やアリバイとしての護憲

2007年03月15日 | Weblog
先日のエントリーに対して、はじめの一歩さんからコメントを頂いた。それを踏まえて憲法改正に関しても、雑感を・・・

Unknown (はじめの一歩@東京都) 2007-03-14 01:23:18

変な方向に話を持っていくなと言われそうですが,コチラのブログから影響を受けている大勢の者の一人としてほんのちょっとだけ.
中選挙区制だった頃,最後の1議席を争っている共産党候補に何度か投票した記憶があります.その点,小選挙区制は面白くなく,不本意ながら民主党にばかり入れていることが多いです.
今回の都知事選についても,BLOG BLUESさんの記事を読んだり,品川正治さんが吉田氏を支持していることを聞いたりして,揺れるところも大いにあります.また,石原現知事を地道に追い込んだのも共産党によるところが大きいのも分かります.
でも,基本的に無党派だと自覚している立場からすると,ちゃんと勝てる可能性のある候補に投票したい,という思いがやっぱり強いです.

【私の考え】
単純に国政と地方議会と首長選を別ものだと、私は普段から考えています。それぞれの選挙で違う党の立候補者や無所属の候補者に投票することが多々あります。節操が無いと批判されるかもしれませんが、無党派はそれでいいと思っています。
今回の都知事選に関しては、仮りに投票率が50%になったとして有権者数は、500万です。前回、石原氏は300万票獲得しています。樋口氏は80万票しか取れませんでした。しかし、東京での民主党の基礎票は、100万~150万はあるでしょう。その一部も石原氏に流れたわけです。前々回の石原氏の投票は170万票で当選でした。今回当選ラインを200万ぐらいと仮定すれば、まず、基礎票30万~40万の吉田氏が200万に届くことはありえません。同じく、黒川氏もありえません。逆に言えば、500万のうち50万~80万ぐらいが吉田、黒川氏に流れたとして、残りの2者で200万を超えた方が当選するのではないでしょうか。私は反石原の立場ですが、彼は前回、極右から穏健保守(その中に民主党支持者もいた)まで、幅広く支持を集めた上での300万票だったと思います。今回、そこから穏健保守層の支持を剥がさなければ、落選させることは出来ないと思います。その場合、穏健保守層が共産党の吉田氏に投票するでしょうか。あまり、可能性はないと思います。その穏健保守層の票を集められてさらに無党派層の支持を得て200万に届きそうなのが、浅野氏だと思います。黒川氏についてはちょっとよくわかりません。

さて、そこで話は飛びますが、憲法改正の問題ですが、現在、明確に護憲を明言しているのは、社民党と共産党です。では、この二党とその支持者だけで護憲は実現するでしょうか。私は疑問に思っています。戦後、憲法改正を阻止してきたのは、この二党だけだと当事者たちが思っていたら、大間違いです。普段の国政選挙や、地方選挙で自民党に投票してきた穏健保守層や支持政党無しの無党派層にも護憲派はいくらでもいたと思います。
ですから、この層が、現憲法の方が少なくとも自民党の改憲試案よりずっといいと思えるような政治状況を作らなければならないでしょう。それをせずに、社民党と共産党の政局を読む能力だけに期待しては護憲派は負ける可能性があると思います。その場合、私が一番心配しているのは、またぞろ、社民党と共産党で憲法改正反対の方法論の点で、ココが違う、アソコが違うと言い出し、自分達の狭い範囲の支持者にだけ、結果的に憲法が改変されてから、「私たちはこれだけがんばったんだから。」というアリバイとしての護憲をアピールするという始末にすらなり得るのでないかと危惧しています。もっと言えば、安倍が強行採決しようとしている国民投票法案に対して、野党第一党の民主党に「共産党作成の国民投票法案」や「社民党作成の国民投票法案」を示し、これを丸呑みすれば、選挙協力をします、などのしたたかさを示せないものかな、と思います。と同時に民主党は自民党や自民党支持者の中のハト派にも手を突っ込む(9条の護持と引き換えに他の部分で取引する)ぐらいの蛮勇が必要かもしれません。また民主党の中のリベラルハト派に護憲派無党派層が働きかける必要もあるでしょう。私の考えは、純粋な護憲派の人からみれば、邪道で不真面目に感じるかもしれませんが、とにかく、共産党と社民党の力だけでは護憲派の勝利は困難かもしれません。
それは都知事選の構造とも似ているでしょう。

そうは言っても、私は今国会で審議されている国民投票法の与党案には明確に反対の立場ですが。