新たな出会い

少し前になりますが、お世話になっているお客さまが、”僕に紹介したい”という方をお連れしてご来店されました。
その方というのは、水戸でオーダーメイドのテイラーをされている喜久蔵久米洋服店 (KIKUZO KUME)の久米さんです。
久米さんのお店は、なんと100年以上！！の歴史があり、5代目になるそうです。

”老舗テーラー”というと、お会いするまではスーツを一着も持っていない僕のような者には敷居が高すぎる気がしていました。
けれど久米さんは偶然にも僕と同じ大学出身（2学年下）で、同世代の感覚を持ったとても親しみやすい方でした。
実際に、久米さんのお店は若いお客さまも多く、オーダーの半分近くがノーネクタイで着られるようなジャケットなどということです。なお、価格も良心的です。



お客さまが着ているのは、久米さんのところでオーダーしたハリスツイードのジャケットです。
ハリスツイードと聞いただけで心ときめく方が多いと思いますが、ご存知ない方のために簡単にご説明すると、
スコットランド、アウター・ヘブリディーズ諸島のハリス地方で、その地の羊毛をその地の職人たちが手織りした、伝統的なツイードです。タグの右下にはシリアルナンバーが入っていて、そのナンバーで織った職人が分かるそうです。

僕は十代のころ、ハリスツイードに惹かれて、古着のジャケットを買った思い出があります。
サイズが合わなかったことと、背伸びし過ぎて、ほとんど着ることはありませんでした。
でもこの歳になって、しかもジャストサイズで着れるなら、ハリスツイード・ジャケットまた欲しくなりました。

このハリスツイードの生地と革を使って、今度は僕のところでバッグを製作させて頂きます。
バッグの裏地にもジャケットと同じ生地を使うというこだわりで、お客さま・久米さん・僕の思いが一つになったものができあがります。完成が楽しみです。

お客さまには、このような機会を作って頂き、とても感謝しています。
そして、久米さんと出会えたこと、とてもうれしく思っています。
お客さまの思い・期待に応えられるよう、これから僕と久米さんで一緒にできることを考えていきたいです。


今日は、里帰りしている妻と子を迎えに行ってきます。
この3週間、一人になって全く時間と気持ちに余裕がなく、2時間くらいの距離ですが会いに行く事ができませんでした。
なので会うのがとてもとても楽しみです。