古寺巡礼日記

有名無名な古寺・名刹めぐりの貴重なる記録

初夏の「京都名刹」を訪ねる旅・その1

2013-06-29 11:50:22 | 日記

早くも初夏を迎えたこの時期、梅雨の合間をぬって「祇園まつり」が近づく京都へ、「名刹巡り」を楽しみ
に行って来ました。
かねてより巡拝しています洛陽三十三観音霊場めぐりをベースに、今回は目的の先、名刹「圓徳院」、
「両足院」の2ヶ寺に参拝して来ました。その模様を記録します。


         

            

     < 洛陽三十三観音第32番札所 廬山寺 / 上・表庭園、下左・裏庭園、下右・山門 >

廬山寺は、紫式部が「源氏物語」を執筆した紫式部邸宅跡で知られる寺院で、天台圓浄宗の大本山。
寺伝によれば、元三大師が天慶元年(938)に船岡山の麓に創建したのが始まりで、応仁の乱で焼失
後に、再建を経て、豊臣秀吉により天正13年(1585)現在地に移されました。
平安貴族の屋敷をほうふつさせる、苔と白砂が美しい「源氏庭」に、この時期、紫の桔梗の花が彩りを
添え、都の洛陽観音霊場にふさわしい気品に満ちた雰囲気を醸し出していました。


         

            

                 < 八坂神社 / 祇園舞妓さんの撮影会風景 >

名刹めぐり途上の八坂神社で、来月開催される「祇園まつり」のポスター用写真の撮影現場に、偶然
にも出くわせ、しばしその光景に引き込まれました。
京の都の三大祭りの一つ「祇園まつり」は、古都京都の伝統的な一大イベントですが、この様な一つ
一つの準備、苦労を通じ、あれだけの感激を与える見事なイベントにつくり上げられることを思うに、
観賞側にとってこの祭りにたいする思いも一入でありす。   

        

 

         


「三河三十三観音霊場」第4回巡拝・その2

2013-06-28 16:33:04 | 日記

既報「三河三十三観音霊場」の第4回巡拝について、今回はその2として、第28番札所「華蔵寺」に
ついて記録します。


        

           

        

              < 第28番札所 華蔵寺 / 写真は、山門と庭園 >

華蔵寺は愛知県西尾市吉良町にある臨済宗の寺院で、有名な「赤穂浪士」にかかわる、吉良上野介
の吉良家としての菩提寺です。この寺は、吉良上野介義央の曽祖父・義定公が吉良家を再興した際、
新たに高家吉良家の菩提寺として、慶長5年(1600)に創建。
禅宗寺院にはよい庭園が多いのですが、この寺の庭園も素晴らしく、枯山水の庭で石庭を主とし、花
や大樹などの虚飾を排して、ずばり心に迫る表現の庭であり、落ち着いた美しい庭です。
ご親切にも、お庫裡さんがわざわざご案内いただき、庭の美しさとともにお寺さまの心の美しさに感激
致しました。本当に印象的な素晴らしいお寺さんです。

        


「三河三十三観音霊場」・第4回目の巡拝

2013-06-26 10:13:08 | 日記

かねてより続けています三河三十三観音霊場の第4回目として、第19番札所「太山寺」から第28番
札所「華蔵寺」までの10ヶ寺について巡拝して来ました。
今回は、その巡拝のうち、2ヶ寺について記録します。


         

            

        < 第24番札所 宝珠院 / 上・鐘楼門、下左・山門、 下右・庭園の松 >

宝珠院は、愛知県西尾市吉良町にある浄土宗西山深草派の寺院で、本尊は十一面千手千眼観音像。
当山は寛正4年(1463)の創建で、比叡山の学僧栄俊が、東国巡回の途中に当地に立ち寄り、十一面
観音像を祀ったのが始まりとされています。
2基の鐘楼を持つ珍しく、かつ真新しい「鐘楼門」と、庭園にある見事な「黒松」が際立つ寺院です。


         

            

       < 第27番札所 金蓮寺 / 上・阿弥堂、下左・山門、下右・三十三観音像 >

金蓮寺は愛知県西尾市吉良町にある曹洞宗の寺院で、本尊は十一面観音菩薩像。
この寺は国宝の「弥陀堂」で有名ですが、この堂は愛知県最古の木造建築物で、全国的にも数少ない
平安時代の阿弥陀堂建築の流れを汲む優美な建物です。
寄棟、桧皮葺の質素ですっきりしたお堂ですが、屋根のしなやかな曲りと、全体的に飾りを省いた力強
い構成が実に魅力的で、かつ印象的な雰囲気を醸し出しています。


「形原温泉あじさいの里」へウオーキング

2013-06-24 09:51:35 | 日記

週末の土曜日(6/22)に、私鉄主催ウオーキングに参加して、愛知県蒲郡市形原温泉の「補陀寺」と
「あじさいの里」へ行って来ました。
JR三河塩津駅をスタート、「岩上神社」、「補陀寺」、「形原温泉あじさいの里」、「蒲郡海鮮市場」、「蒲
郡市博物館」を経て、JR蒲郡駅をゴールとする11.1kmのコース。
今回は、そのウオーキングに関し、「補陀寺」と「形原温泉あじさいの里」について記録します。


         

            

            

             < 「形原温泉あじさいの里」のあじさいと「補陀寺」の山門 >

① 「補陀寺(ほだじ)」は、愛知県蒲郡市にある曹洞宗の寺院で、三河三十三観音霊場第8番札所。
   創建は神亀3年(726)と古く、本尊は釈迦牟尼仏。昭和26年(1951)に境内にて温泉が湧き出、
   形原温泉の起源となりました。
② 「形原温泉あじさいの里」は、「補陀寺」の隣接、形原温泉の中にあり、この時期大勢の見物客で
   賑わいます。東海地区有数のあじさいの名所で、約5万株が咲き乱れる中、毎年6月の一か月間
   「あじさいまつり」が開催されます。種類、数量はもとより、その色彩の鮮やかさは抜き出でるもの
   があり、時のたつのを忘れ、しばし酔いしれることができます。
   


熊野信仰の中心地・「熊野三山」に参拝

2013-06-22 15:51:46 | 日記

今回は熊野信仰の原点とも言うべき、和歌山県の「熊野三山」に参拝することとなり、青岸渡寺、熊野
那智大社、熊野速玉大社などと併せ、懸案の「補陀洛山寺」に参拝して来ました。
これまでこの地は、幾度となしに訪れてはいますが、いつも気にかけながら通過していた「補陀洛山寺」
に思いを寄せ、行程を作り上げたものです。


         

            

     < 那智山 青岸渡寺 / 上・那智滝と三重塔、下左・本堂、下右・熊野那智大社 >

青岸渡寺は和歌山県那智勝浦町にある天台宗の寺院で、西国三十三観音霊場の第1番札所として
有名。縁起では、仁徳天皇の時代にインドから来た裸形上人が、那智滝を見て観音を感得し、小堂を
建てて観音を祀ったのが始まりとされます。日本の信仰の原点である自然崇拝の地であり、また、隣
接の熊野那智大社とともに熊野信仰の中心をなし、歴史的にも大きな意義を果たして来た寺院です。
三重塔は昭和47年(1972)に再建されたものです。


         

            

            < 白華山 補陀洛山寺 / 上と下左・本堂、下右・渡海船 >

補陀洛山寺は、和歌山県那智勝浦町にある天台宗の寺院で、「補陀洛渡海」で知られています。青岸
渡寺を開創した上記の裸形上人によって開山された古刹で、平安時代から江戸時代にかけて、人々
が観音浄土である補陀洛山へと小舟で那智の浜から旅立った、宗教儀礼で捨て身行の「補陀洛渡海」
が歴史的にも余りにも有名な話です(記録に明らかなだけでも25件)。
境内には渡海船の模型が展示されていますが、想像するに非常に胸を打たれるものがあります。


「三河のあじさい寺・本光寺」に参拝

2013-06-20 19:28:16 | 日記

「あじさいを巡る旅」の今回は、愛知県額田郡幸田町の「本光寺」を訪ねて来ました。
本光寺は三河地区にあって、「厄除けみがわり観音の寺」としても有名ですが、他に「あじさい寺」、「椿
の郷」とも呼ばれ、東海地区でも有数な花の寺として知られ、年間を通じ多くの参拝客が訪れています。


         

         

            

              < 瑞雲山 本光寺 / 写真は、参道の風景とあじさい >

本光寺は、愛知県額田郡幸田町にある曹洞宗の寺院で、「あじさい寺」として広く知られています。
大永3年(1523)に深溝松平家の初代当主松平忠定によって開基された深溝松平家の菩提寺で、希
聲英音によって大洞山泉龍院の末寺として開山。
この寺は約1万本のあじさいが植えられており、なかでも山門に至るまでの参道は両側に咲き誇り、参
拝客、観光客はもとより、特にカメラ愛好家に評判の寺院です(あじさいの他に、椿、梅などが多い)。   


「あじさいの山寺・三光寺」に参拝

2013-06-18 17:18:42 | 日記

「あじさい」を巡る旅、今回は岐阜県山県市にある「あじさいの山寺・三光寺」へ行って来ました。
当山のあじさいは、「山あじさい」という、小振りながら日本古来の種類が中心で、これ程の種類を一
円に観賞できる場所は少ないと言われています。
「あじさい」の他、「沙羅葉」、「お砂踏み霊場巡り」など見どころ多く、まさに「あじさいおりなす花もよう」
の感です。


        

           

           

               < 龍王山 三光寺 / 写真は、山門とあじさい >

三光寺は、岐阜県山県市にある真言宗醍醐派の寺院で、通称「山あじさいの寺」、「あじさいの山寺」、
「美山薬師」などと呼ばれています。伝承によれば、大同年間に弘法大師がこの地に滞在したことが始
まりとされ、江戸時代の明暦年間(1656頃)に、春長律師が薬師如来像、阿弥陀如来像、聖観音像の
三体の仏像を安置し、三光寺と名付けたと言われています。
境内には140種、9千株のあじさいが植えられ、この地方では最大規模とのこと。美濃三十三観音霊場
の第8番札所でもあり、久し振りの参拝となりましたが、緑豊かな山、澄んだ空に囲まれ、まさに風光明
媚な所で、実に山寺の香りいっぱいの魅力につつまれたお寺さんです。
   


「あじさい寺・音楽寺」の円空仏を訪ねて

2013-06-15 15:35:58 | 日記

あじさいの咲く期間のみ「円空仏」が拝観できるという、愛知県江南市の「音楽寺」に行って来ました。
「あじさい寺」とも言われているこの寺は、延宝4年(1676)ころ円空上人が立ち寄り、鉈彫りの仏像の
薬師如来をはじめ16体の仏像を寄進したとされています。そして「あじさいまつり」の期間中のみ拝観
できると言うことで、この素晴らしいチャンスを生かすべく、勇んで参拝に上がりました。


        

        

           

           

      < 琴聲山 音楽寺 / 写真は「あじさいの花」、「円空資料館」、「円空仏」 >

音楽寺は愛知県江南市にある、浄土宗西山派の寺院で、江南市では一番古く、別名「あじさい寺」と
呼ばれています。寺伝によれば、元歴元年(1184)源詠法師の創建で、当初は大乗院と称していた
が、元応元年(1319)に音楽寺と改め現在に至ったようです。境内には15種、1,200本のあじさいが
あり、毎年6月には「あじさいまつり」が開催され、並行して「円空仏」の拝観が行われています。
さて、期待の「円空仏」ですが、薬師三尊像3体、十二神将11体、それに荒神像2体の計16体が祀
られていました。繊細さと鮮烈な荒々しさが同居する円空仏、その圧倒的な造形美にしばし酔いしれ
ることが出来ました。お奨めの「花の美と、心の美」のスポットです。   


播州・但馬地区の「名刹の魅力」を訪ねる・その2

2013-06-14 16:10:53 | 日記

既報「播州・但馬地区の名刹の魅力を訪ねる」のその2として、今回は関西花の寺二十五ヵ所霊場の
2ヶ寺について記録します。
但馬地区のドライブは実に40年振りですが、高速道路が山深く張り巡らされている以外は、昔のまま
の山紫水明の日本の情景が続き、多くの雑念を忘れさせてくれ、目の前の素晴らしい景色にしばし酔
いしれることが出来ました。これぞ、地方霊場巡りの醍醐味かと、心が真から豊かになるのを禁じ得ま
せんでした。


        

           

      < 第1番札所 補陀洛山 観音寺 / 上・仁王門、下左・本堂、下右・庭園 >

観音寺は京都府福知山市にある真言宗の寺院で、関西花の寺二十五ヵ所霊場の第1番札所。この
寺の歴史は古く、養老4年(720)に天竺の僧・法道仙人の創建で、その後荒れ果てていた寺を復興
したのが平安時代の空也上人。
この寺は多種の花が境内を彩り、とりわけアジサイは1万本を越し脚光を浴びるようですが、参拝の
この日は誠に残念ながらタイミングがずれており(開花はこれから)無念のひと言。


        

                   

     < 第4番札所 西天目瑞厳山 高源寺 / 上・三門、下左・三重塔、下右・本堂 >

高源寺は兵庫県丹波市にある臨済宗の寺院で、本尊は釈迦如来。この寺は中国で学んだ遠渓祖雄
が、中国天目山に似ているこの地を選んで、正中2年(1325)に開山。
高源寺と言えば紅葉で、それほどここの紅葉は素晴らしいとのこと。時期が異なるため、紅葉の頃を
想定し境内を散策して、この寺の魅力を味わって来ました。見どころは三重塔で、重厚の中に渋い輝
きがあり、いかにも紅葉とマッチしそうな感がありました(現在の塔は寛政11年(1799)の建立)。


播州・但馬地区「名刹の魅力」を訪ねて

2013-06-13 16:31:42 | 日記

この度一泊二日の日程で、兵庫県は播州・但馬地区、それに京都府丹後地区の名刹を訪ね、合計
10ヶ寺を巡拝してきました。
区分別では、①西国三十三観音霊場・6ヶ寺、②関西花の寺二十五ヶ寺霊場・3ヶ寺、それに③新西
国三十三所霊場・1ヶ寺の合計10ヶ寺です。
今回は、そのうち兵庫県播州にあります名刹中の名刹「斑鳩寺」について記録します。


        

           

                   

     < 斑鳩寺 / 上・山門、中左・本堂、中右・鐘楼堂、下左・三重塔、下右・聖徳殿 >

斑鳩寺(いかるがでら、はんきゅうじ)は、兵庫県揖保郡太子町にある天台宗の寺院で、開基は聖徳
太子。伝承によれば、推古天皇14年(606)に聖徳太子が推古天皇から播磨国揖保郡の土地360
町を賜り、大和国斑鳩宮から移住し、当地を斑鳩荘と命名し伽藍を建立したとされています。
1,400年の歴史を持つこの寺は、太子信仰の中心地であり、再建された建物ではありますが、聖徳
殿、講堂、三重塔などの建物を通し今日に伝える太子文化は、非常に興味深いものがあり、往時を
偲び多いに楽しむことが出来ました(現在の三重塔は、永禄8年(1565)の建立・重要文化財)。