消えた翡翠博物館（２） ～エレベーターに閉じ込められたよ～

ＩＮＳビルの入り口は厳重にセキュリティオフィサーによって警備されていました。なにぶん日本では「"怪しい"が服を着て歩いている」と日ごろから言われているのでぶっ放されないかひやひやしながらでしたが、無事に通過しました



「ええと、エレベーターは・・・あ、あった。」
・・・ってなんじゃこりゃ

上の動画の絵ですが、これは公衆電話ではありません。日本でよく見るエレベーターの上下ボタンあるじゃないですか。その場所に替わって電卓が張り付いているわけです。といっても計算するわけじゃなく、行く階を押すと思われます。

（ほー、行く階を先に指定するのか。目的が決まってから乗るという姿勢がいいね。複数階の注文も対応してるのかなぁ？）

と、くだらないことを考えているうちにエレベーターが着ました。ビジネスマン二人が乗り込んでいるところでした。

「わわ・・待って～ ¡A moment, por favor! (Un momentを間違えてる。)」

プシューなんとか挟まれずにすみました。ビジネスマンの二人が怪訝そうにわたくしを見ています。まぁ、乗れたからいいや
エレベーターが動き出しました。

（さて、１１階のボタンを・・・）


（・・・あれ？）


「ボ・・・ボタンがないっ」

静寂の中、無慈悲にも上っていくエレベーター。迂闊でした。先に階を指定できるということは、後で指定ができないのです。想像できますか？エレベーターに乗ったらボタンが一切無いのですよ
怪訝そうな二人の視線が痛いです、だって階を指定しないで乗るなんて、どこに行くかわからないものに乗るということですから、絶対おかしい人と思われてます。

わたくしはこの状況を打破すべく、灰色の脳細胞をフル稼働させ問題の解決に乗り出しました。


ウーン、ウーン・・・

ウィィ～ン（エレベーターの音）

ウーン、ウーン・・・・ピコーン







「ま、いっか。」


つづく・・・

P.S.　なんて不親切なんだ！と思いましたが、よく考えると便利さと安全性をうまくトレードオフできていることがわかります。中に入ってから選べないということは駆け込み搭乗ができないということですから