存在としての断章

真の自己と覚醒を求めて幾星霜
その求道から解放された前後あたりからの日常の断章
いわゆるノンデュアリティ

『ある島にて』

2013-11-10 23:41:06 | 解放後・断章日記 (2012~)
時間のない島の先端に
砂紋で出来た小島がある
幻の波と音のない空が
鈍色の光を不意にちらつかせる
そもそもここに来たのはほんの偶然で
なんの期待もなくそこに座っていた
その出来事は実は出来事ではなく
そこにそうして在る、ただそれだけのこと

そこにそうして在る、ただそれだけのことを
人はほとんど見失う
だからここにそれを見つけることは
なにかの激しい恩寵とかいうものに違いない
安住を求めて彷徨う
探している、見つかるはずだと
だが求めても彷徨っても探しても
そこにはなぜかたどり着くことがない
それに気づくわずかな者を賢者と言った

何もかも投げ出してただ在ることの至福を
どのように知ろう?
ああ、それが奇跡であることすら
ほとんど誰にも知られることはない
だがこの時間のない島で
その奇跡が起きたのだ
一瞬とも永遠とも思えるその瞬間を
愛の中でつながるわれわれの存在に応えて