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投資に重要な指標を紹介したい

通貨先物ポジションに影響を受ける米ドル円

2017-07-15 19:21:05 | 日記
(通貨先物市場の需給で小幅変動する米ドル円)

米国商品先物取引委員会(CFTC)が発表する、米ドル円の投機的通貨先物取引の差引残高(ポジション)は、7月11日時点(7月14日発表)で11万2125コントラクト(1コントラクトは1250万円)の米ドル買い(ロング)・円売り(ショート)まで、米ドルの買いが積みあがっていた。その時点での米ドル円は、三菱東京UFJ銀行が公表する対顧客為替相場仲値が114.22円と米ドル高が進んでいたが、さすがに通貨先物市場の需給関係からは、10万コントラクトを超えた米ドルロングの解消が週末にかけて進んだようだ。このところの米ドル円の変動率は低下しており、通貨先物市場でのポジションが大きく変化しても、110円~115円という狭い範囲での推移となっている。実際に、6月20日は4万9959コントラクトの米ドルロングで111.77円、27日は6万1350コントラクトに米ドル買いが増えたが111.95円。7月4日には7万5036コントラクトまで更に米ドルロングとなったものの113.21円で、10万コントラクトを超えた11日は114.22と115円を超えることはなかった。今後は、短期的に米ドルロングの解消売りで円高傾向になったとしても、5万コントラクト程度までポジション調整が起こるか110円に近付けば、再び実質金利差の拡大を背景に米ドルをロングする動きがみられそうだ。

(安定した配当利回りが基盤となるリート投資)

米国大統領選挙後は、米国リート指数とグローバルリート指数ともに、緩やかな上昇傾向に推移している。米国リートに関しては、ダウジョーンズ・エクイティリート・トータルリターン指数(米ドルベース)が、米国大統領選挙後の2016年11月10日に1531.10ポイントの安値を付けた後反発し、2017年6月26日には1751.17と安値から約14%上昇。昨年末からは、2016年12月30日に1643.09で、先週末2017年7月14日に1726.29となり、年初来で約5%の上昇となっている。ただし、2016年12月30日の米ドル円は116.49円、7月14日は113.53円と円高であったことから、円ベースでは年初来約2%の僅かな上昇という状況だ。また、グローバルリート指数は、S&Pグローバルリート・ネット・トータルリターン指数(米ドルベース)が、2016年11月21日に安値の333.99をつけた後、2017年6月16日には371.74と安値から約11%の上昇となっていた。昨年末からでは、2016年12月30日に353.77であったものの、2017年7月14日は364.36と約3%の上昇。ただし、為替を勘案するとほぼ0%と横這いの結果となっている。米国リートとグローバルリートともに4%近くの配当利回りで、安定的な賃料収入を背景とした収益を得られているが、リート価格の大幅な上昇が期待できる環境ではなくなっているようだ。また、為替変動の影響があるため、円からの投資収益は、今後の米ドルを中心とした対円での通貨動向に左右されることになりそうだ。一方で、為替の影響は受けないものの、需給関係の悪化により低迷しているJリートは、日本取引所が発表する月刊REITレポート(2017年7月版)によると、2017年6月末の東証REIT指数が1694.36ポイント、時価総額加重平均予想年間分配金利回りは4.01%となっていた。7月14日の東証REIT指数が、1620.38ポイントまで低下しているため、利回り水準は約4.2%と想定され、米国リート指数や、グローバルリート指数の配当利回りを上回っている状況だ。投資部門別売買動向では、2017年6月に個人の売越しは約104億円と、年初来売越し合計は約1168億円、法人の中での投資信託の売越しは、4月の約60億円、5月の約148億円に続き、6月は約162億円に拡大しており、投資信託の解約売りが継続していることがJREITの価格下落に影響していることがわかる。その反面、金融機関は、5月に約150億円の買越し、6月も約97億円の買越しと、4%を超えて割安な水準となったJREITに、下値の買いを入れ始めているようだ。リーマンショック以降、最も大きく下落したのが世界のリート価格だったが、その後、金融緩和の恩恵を受けて、割安になりすぎていたリート価格の反発(リバウンド)が、リート投資の収益率を大きく押し上げていた。しかしながら、そのようなリート価格のリバウンド局面は既に終了しており、今後は、賃料収入をベースとした4%程度の配当利回りをコツコツ積み上げる資産がリートということになりそうだ。したがって、高収益を狙える資産ではないが、安定した配当収入を蓄積できると考えるべきであろう。また、需給関係で極端に割安になった際には、魅力ある投資対象となる可能性があることにも留意する必要があるだろう。