"彼女だって望んで女王になったわけじゃないのに50年もその職務をはたして来た人なんだ"
劇中、まずは職務優先、個人は二の次、といった台詞もあったけれど、ダイアナの死後一週間にフォーカスして、エリザベス女王が国民と王室の間で板ばさみとなり、激しく葛藤する様子を、当時のニュースを交えながら描いたセミドキュメンタリータッチな作品。
ある意味でイギリス国民のみならず多くの人たちが思い描くであろう、威厳があり、人間味も豊かで、さらにキュートでもある理想的な女王像を体現するヘレン・ミレンのなりきったような演技は確かにお見事。
そしてダイアナの死に対する王子たちの動揺を紛らすために、あろうことか「鹿狩り」(← まさに「ディア・ハンター」!)に連れ出すエジンバラ公や、その様子をパパラッチに撮られたら、そいつらを撃てばいいと言い放つクィーン・マザー(皇太后)といった、旧態依然としたロイヤルファミリーの面々の捉えかたも興味深かったし、いかにも労働党党首といったトニー・ブレアの普通の家庭生活描写や政策ブレーンとのやりとりも巧いな、とは思った。
そしてストーリー上では(生きていても死んでも厄介な)ダイアナの死をめぐって適切な対応を怠ったため国民と遊離しそうとなり、時代に応じた英国王室の在り方に苦悩する女王をトニー・ブレア首相がサポートする展開となって入るけれど、実のところ女王にとって彼は所詮10人目の首相であって、「気をつけないと、あっという間に追いやられる」といったような意味の忠告をしていた通り、そんな彼がイラクへの強行派兵以降、支持率が低下し、すでに辞任が決定している現実に対しての皮肉としても効いているとも思った。
ただ、全体的なことを言えば、どうしたって王室側からの一方的な視点で語られていることは明白で、エリザベス二世の一人の人間としての魅力は大いに伝わったけれど、トニー・ブレアのちょっとわかった風過ぎる格好よさも含めて、やはり何で今頃?といった疑問とともに、なんだか王室ご用達映画の範疇に収まってしまっている物足りなさを感じてしまったのだ。
今日の1曲 “ GOD SAVE THE QUEEN ” : Sex Pistols
ご存知「アナーキー・イン・ザ・UK」で76年に鮮烈デビューしたセックスピストルズの大ヒット曲。
「ゴット・セーヴ・ザ・クィーン」というタイトルこそイギリス国歌と同じなのですが、歌われている内容はあまりに過激で、BBCでは放送禁止となったパンクムーヴメントを代表する曲。
それにしても映画の中でも出てきたスコットランドにあるバルモラル城周辺の四輪駆動車で駆け巡るほど広大な敷地を目の当たりにすると、ジョニー・ロットンの苛立ちも判らないでもない気がしました。
お馴染みの動画はコチラ
劇中、まずは職務優先、個人は二の次、といった台詞もあったけれど、ダイアナの死後一週間にフォーカスして、エリザベス女王が国民と王室の間で板ばさみとなり、激しく葛藤する様子を、当時のニュースを交えながら描いたセミドキュメンタリータッチな作品。
ある意味でイギリス国民のみならず多くの人たちが思い描くであろう、威厳があり、人間味も豊かで、さらにキュートでもある理想的な女王像を体現するヘレン・ミレンのなりきったような演技は確かにお見事。
そしてダイアナの死に対する王子たちの動揺を紛らすために、あろうことか「鹿狩り」(← まさに「ディア・ハンター」!)に連れ出すエジンバラ公や、その様子をパパラッチに撮られたら、そいつらを撃てばいいと言い放つクィーン・マザー(皇太后)といった、旧態依然としたロイヤルファミリーの面々の捉えかたも興味深かったし、いかにも労働党党首といったトニー・ブレアの普通の家庭生活描写や政策ブレーンとのやりとりも巧いな、とは思った。
そしてストーリー上では(生きていても死んでも厄介な)ダイアナの死をめぐって適切な対応を怠ったため国民と遊離しそうとなり、時代に応じた英国王室の在り方に苦悩する女王をトニー・ブレア首相がサポートする展開となって入るけれど、実のところ女王にとって彼は所詮10人目の首相であって、「気をつけないと、あっという間に追いやられる」といったような意味の忠告をしていた通り、そんな彼がイラクへの強行派兵以降、支持率が低下し、すでに辞任が決定している現実に対しての皮肉としても効いているとも思った。
ただ、全体的なことを言えば、どうしたって王室側からの一方的な視点で語られていることは明白で、エリザベス二世の一人の人間としての魅力は大いに伝わったけれど、トニー・ブレアのちょっとわかった風過ぎる格好よさも含めて、やはり何で今頃?といった疑問とともに、なんだか王室ご用達映画の範疇に収まってしまっている物足りなさを感じてしまったのだ。
今日の1曲 “ GOD SAVE THE QUEEN ” : Sex Pistols
ご存知「アナーキー・イン・ザ・UK」で76年に鮮烈デビューしたセックスピストルズの大ヒット曲。
「ゴット・セーヴ・ザ・クィーン」というタイトルこそイギリス国歌と同じなのですが、歌われている内容はあまりに過激で、BBCでは放送禁止となったパンクムーヴメントを代表する曲。
それにしても映画の中でも出てきたスコットランドにあるバルモラル城周辺の四輪駆動車で駆け巡るほど広大な敷地を目の当たりにすると、ジョニー・ロットンの苛立ちも判らないでもない気がしました。
お馴染みの動画はコチラ
あの時は一大ブームが起こったのを覚えています。
エジンバラ公もいつも後ろに寄り添っていて「いい人」ムードをかもし出していたのに、この映画では王子たちを鹿狩りに誘ってる・・・・。
高貴な人達の考える事は分けわかんないと思った瞬間でした(笑)
皇太后の気質は結構有名ですよね。
皇室や王室ってベールに覆われているだけにちょっと興味があります。
それにしてもパパラッチの凄まじさには驚きました。
でも、圧倒的な女王の孤独が伝わってきました。
そして等身大の女王ぶりは確かに見ものではあったとは思うのですが…、いささかウームでありました(笑)。
ただ、一人の女性の何とも忸怩たる想いは確かに巧く伝わっていたと思います。
ブレアはすごい!
双方の面目を絶妙に保ったことで映画化に成功しえたわけでしょう。
ピストルズは大好きでした♪
ただスティーヴン・フリアーズの意図はどこにあったのか、いささか不明?
だったりします。
双方の面目は保った...う~ん、そうですね。
かなり、今、生きている王室の方々に配慮されている、と思いました。
チャールズも、息子達の生母であるダイアナを擁護している描き方だったので”ホントかな?!”と疑問でした。
ただ、王室の内部事情やヘレン・ミレンの演技は、面白かったです!