俺の明日はどっちだ

50歳を迎えてなお、クルマ、映画、小説、コンサート、酒、興味は尽きない。そんな日常をほぼ日替わりで描写

「ブレージングサドル」 BLAZING SADDLES

2006年05月27日 01時40分33秒 | 時系列でご覧ください
映画「プロデューサーズ」を観たときに思い出したのが74年製作のこのメル・ブルックス監督作品。

舞台となるのは開拓時代のとある西部の町。鉄道敷設による利権確保のため住民を町から追い出そうと画策する悪党のボスは処刑寸前の黒人奴隷バートを保安官に任命し町に送り込む。
最初は思惑通り混乱するかに見えたが、やがて町の人々の信頼を得たバートは監獄の常連ジムと力を合わせて、無法者に立ち向かうことに…。
公開以来30年ぶりに観たけれど、単なるドタバタ映画に終始しているどころか、普通の映画としても充分に納得の素晴らしい仕上がりであることを再認識できて嬉しくなってしまった。

ある意味人種差別の固まりみたいな西部劇というジャンルにおいて、過去の作品にオマージュを捧げつつそうした人種差別の無意味さをチクチク突き刺す台詞とそれを包み込む笑いによって痛快なまでに描く過激な演出に拍手。

そして映画「バニシング・ポイント」で盲目のディスク・ジョッカーを演じていたクリーヴォン・リトルが主人公バートを演じ、お笑いはあるにせよ、心はまるで「夜の大捜査線」のシドニー・ポアチエ! そしてコンビを組むロッド・スタイガーならぬジーン・ワイルダーがまた(確かに儲け役とは言え)本当に魅力的。
もちろん監督本人もお馬鹿な州知事役とインディアンの大酋長役で登場し、相変わらずの怪演ぶり。



加えて今回印象的だったのは酒場でマレーネ・デートリッヒ風のドイツ人歌手リリーが歌うシーン。
「プロデューサーズ」並みにミュージカルしていて、何よりもバックに流れていたのがお馴染み" Springtime for Hitler (ヒットラーの春)" というのが泣かせました。

そしてミュージカルといった意味では映画という非現実の空間から日常に一気呵成に流れ込んでくる終盤の畳み掛ける演出、ハチャメチャながら映画的興奮に満ち満ちていてお見事のひと言。

カウント・ベイシーが突如出て来る唐突さ、KKK団の衣装を黒人保安官に着させる過激さ、さらには様々な映画のパロディと、とにかくメル・ブルックスの世界を堪能するに相応しい本当に楽しいオススメ作。見て損はないハズです。是非!



今日の1枚 “ Live AT Yankee Stadium ” : Fania All Stars

映画の中で、元々は悪党の手下だったモンゴが町にやってきたときに少年が「モンゴ!サンタ・マリア!」と叫ぶシーンがあるのですが、これは知る人ぞ知るラテン・パーカニストのモンゴ・サンタマリアをネタにジョークだったのでした。
で、そのモンゴ・サンタマリアも参加して76年に来日したサルサバンドがファニア・オールスターズ。
考えてみればブルーズにソウル、レゲエ、そしてこのサルサと、70年代という時代はドドーンといろんな音楽が本格的に日本にやって来た時代だったんだなと実感。
ただサルサに関しては信じられないくらい凄い顔ぶれでの来日ながらこのときの「中野サンプラザ」でのコンサートは、もちろんステージは無茶苦茶熱かったけれど、動員的には寂しいものがありましたけ。
とにかく今は廃盤となってしまっていてなかなか聴けない75年このライヴ盤、これからに季節断然イチオシであります。



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2 コメント

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わおッ! (ツボヤキ)
2006-05-27 14:50:27
大阪のライブ、当時はコンサートデスね。

行きましたぞ~~。

も、大阪は熱かった!

最高なノリでした。あのMCの伊達男振り!

ファニアのエネルギッシュ、でもまだ余力がある…

なんて凄さに圧倒されました。

今でも紙製のコースター(苦笑)宝です。

カッチョ良くって観客も踊りまくりの超豪華ライブ

だったです。

で、「ブレージングサドル」なんですかッ!

デヴィッド・ハドルストン。。。も

まったくぅ~(笑)凄いラインナップです。
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ファニア・オール・スターズ (nikidasu)
2006-05-28 01:14:38
■ツボヤキさんへ



もしかしたらと思いつつ、やっぱり行かれて

いたんですね。

本当に「熱い」コンサートでした。

勢い余って、翌年NYで写真家であり熱狂的なサルサ

ファンだった波田真さんに案内してもらって

サルサバンドのライヴを見たこともありましたっけ。



それはさておき、この映画、今改めて観ると

前に観たとき以上に面白くてとにかく感動でした(笑)。

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