リバーリバイバル研究所

川と生き物、そして人間生活との折り合いを研究しています。サツキマス研究会・リュウキュウアユ研究会

霞ヶ浦導水事業 漁協が国交賞を提訴へ

2008-02-20 19:14:22 | サツキマス研究会/長良川調査会
霞ヶ浦導水事業 asahi.comより 20080219

★テキスト版

霞ケ浦導水事業、訴訟避けられぬ事態に
2008年02月19日

 那珂川のアユに「壊滅的な打撃を与える」として、霞ケ浦導水事業の那珂川取水口建設に反対してきた那珂川漁協などに対し、国土交通省は18日、建設を計画通り進める内容の回答書を送った。漁協側は国交省の「ゼロ回答」を受け、今週にも那珂川を漁場とする他の県内2漁協と栃木県の漁協連合会とともに、建設差し止めに向けた訴訟の協議を行う方針だ。


 国と漁協の対立が表面化したのは昨年9月。国が4月にも取水口建設に着手する方針を示したが、那珂川漁協は「これまでの話し合いを無視した一方的な通告」と猛反発し、建設撤回を求めた。


 1月25日には那珂川漁協を含めた県内3漁協と栃木県の4漁協の連合会が「(導水事業は)アユやサケなどの魚類の環境に壊滅的打撃となる。先祖から受け継いできた那珂川の清流と漁業を守り抜く」などとする共同声明を出した。同28日には改めて取水口建設中止を求める要請書を国や県に提出していた。


 これに対し、国は18日に漁協に提出した回答書で、「漁業者の霞ケ浦導水事業に関する心配や不安を払拭(ふっ・しょく)するためには、(アユの)吸い込み防止効果をより精度良く評価するよう現地での実物大での試験が必要」と、従来通りの考えを強調。県も15日に「できるだけ早期に事業が完成するよう取り組んでいきたい」と回答した。


 霞ケ浦導水工事事務所は22日に取水口工事の入札を行った後、3月に建設業者と工事契約し、4月には着工する予定だ。同事務所は今月14日に導水事業の環境への影響を科学的に評価する検討委員会を立ち上げており、「漁協の皆様には委員会に参加していただき、一緒に議論していきたい」と歩み寄りを求めている。


 導水事業の着工は84年。当初の計画では93年度に完成する予定だったが、幾度の事業計画の変更を経て、完成年度を15年度に変更した。同事務所は「地下トンネル建設に必要な用地取得の遅れ」を理由にするが、市民からは「税金の無駄遣い」との批判の声も上がっている。


 茨城県と栃木県を流れる那珂川での年間のアユの漁獲量は、ここ数年600~900トンの間を推移しており、日本一を誇っている。


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