日本刀鑑賞の基礎 by ZENZAI  初心者のために

日本刀の魅力を再確認・・・刀のここを楽しむ

短刀 兼義 Kaneyoshi Tanto

2016-06-17 | その他
短刀 兼義


短刀 兼義

 刃長一尺三分だから、短刀とも小脇差とも言い得る作。寸法や呼称にかかわらず、腰に帯びて扱いやすい実戦武具だ。特に先反りが付いた姿格好に凄みが感じられる。兼義は特に有名な刀工ではない。だが内容は濃い。小板目肌鍛えの地鉄は良く詰んでおり、所々に流れ肌が交じって地相に動きが感じられる。細かな地景も交じって肌が縮緬状に立ち、いかにも切れそうだ。しかも刃文が綺麗だ。相州の作風を伝えており、互の目の頭がわずかに尖り調子で、互の目は大小高低抑揚がある。匂口閉まって明るく冴え、所々に沸が付いて匂と一体化し、刃中を流れ、砂流しや沸筋、島刃などを構成している。帽子も乱れ込んで火炎状に掃き掛けを伴い長く焼き下がっている。綺麗な状態で遺されているのだから、戦国の世の当時の人々も江戸時代の人も大切に扱っていたに違いない。

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