日本刀鑑賞の基礎 by ZENZAI    刀剣女子のためにも

日本刀の魅力を再確認・・・刀のここを楽しむ

刀 丹波守吉道 Yoshimichi Katana

2016-10-14 | 
刀 丹波守吉道


刀 丹波守吉道

 大坂初代吉道の、同家のお家芸ともいうべき創造性に溢れた焼刃構成の刀。刃文としては縦方向に流れる構成で、いうなれば独風に過ぎるが故に、現代の愛刀家からはちょっと刀らしくないと見られている。ところが、この独創性こそ江戸時代の日本刀の美観を高めた根源に他ならない。京の吉道が、川の流れのようなこの刃文を生み出したが故、その後の助廣が濤瀾乱刃を編み出したのだ。刃文の独創は吉道一門から発祥している。これについて誰が言い出したのか「なんだ簾刃か」との評価。このように言う人は、江戸時代の刀についてもっと学ぶべきである。美術的要素が強くなっていると同時に、良業物に指定されているように良く斬れるのが吉道である。さて、この刀の背後にも相州伝があったことは言うまでもない。


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Unknown (刀装具ファン)
2016-10-15 00:22:23
毎日拝読しております。
今回の記事とは直接関係ないのですが、もしご存じでしたらご教授頂きたい疑問があります。
何故、数代の継承がある刀工は、代を重ねるごとに腕が劣っていくのでしょうか?
兼元や村正等、二代が初代より上手とされる刀工ももちろんいますが、それが例外と言えるほど、優れた刀工は初代とされているように感じます。
まだまだ浅学ですので、疑問そのものが的外れかも知れませんが、もし何かお考えがありましたら是非教えて頂きたいです。
優れているから初代になった (zenzai)
2016-10-21 08:57:57
いつもありがとうございます。
おっしゃることは、確かにありますが、そうとも言い切れません。時代背景や刀の使われ方などを総合的に判断すると、時代を飛び越えて、例えば鎌倉時代と江戸時代を、同じ地平で捉えることはできません。刀の存在意義が異なるからです。出来の良し悪しも、時代が違うと、製作の技法も違っており、さて、どちらが良いのかとは容易に判断できなくなります。鎌倉時代の太刀が好き、という方がいる一方で、江戸時代のがっしりした作が好き、戦国時代の片手で扱える刀でなければ刀でない、という人までいます。それはそのまま、良し悪しにも関連しているようです。
戦国時代後期から江戸時代にかけての二百年ぐらいに限定してみましょう。時代は全国的に流通が活発になり、刀鍛冶も各地を行き来するようになり、結果として作刀技術の交流が行われました。それによって古刀期には明確であった各地の特色が次第に薄れてきました。江戸時代に入ると、さらに顕著になり、そのころに主流であった鎌倉時代や南北朝時代の再現を通じて疵の少ない綺麗な地鉄を下地とし、刃文は刀工の個性が強く示されたものとなってきます。例えば國廣‐國儔‐國貞‐真改という流れをみても、地鉄の質と刃文構成の特質の変遷が判ると思います。それは國廣から真改に至る流れだけでなく、各地の刀工集団でも起こっています。
さて、「初代が一番優れている」というのは、即ち、その時代に最も人気があり、疵のない綺麗なしかも個性的な作を遺した刀工が流派の頭となり、その子や弟子が続いた結果、初代が最も優れているわけです。つまり、高い技術を備えていたから初代になったということ。その一方で、初代より二代が優れている例があります。戦国時代末期から江戸時代前期にかけて多いことですが、先の真改、國助、助廣、包貞等々みな二代目が評価を上げています。この頃は、古刀期から新刀期の綺麗な地鉄に技術がどんどん進化している時代であり、刀工も独創を見出そうと工夫を重ねていたものと考えられます。それが故に真改は霧の立ち込めたような沸の深い刃文を生み出し、助廣は濤瀾乱刃を考案し、國助は拳丁子を創り出しました。ちょっと時代が遡って、戦国時代の兼定、兼元なども同様に作刀技術の進化の時代を生きた刀工であり、初代ではなく二代目として知られています。
ところが江戸時代も、さらに下って、中期から中後期には刀が新たに製作されなくなっています。戦がなくなり、新たな刀が必要とされなかったからで、刀工が激減した時代があります。刀工が刀をつくらなければ技術も低下するでしょう。当然です。それが三代あるいは四代など代下がりの時代のことなんです。
Unknown (刀装具ファン)
2016-10-24 23:59:20
大変詳しく教えて下さりありがとうございます。
具体例や時代背景もまじえて論理的に書いて下さるので本当に分かりやすいですし勉強になります。
図録や押し形を見ているだけでは分からないままでした。

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