日本刀鑑賞の基礎 by ZENZAI  初心者のために

日本刀の魅力を再確認・・・刀のここを楽しむ

太刀 長舩政光 Masamitsu Tachi

2017-02-18 | 太刀
太刀 長舩政光


太刀 長舩政光

 無銘で金象嵌が施された、南北朝時代の政光極めの作。政光は南北朝時代後期の刀工であり、南北朝時代とはいえ後期になると、鎌倉末期から南北朝中期にかけての寸が延びて幅広の豪快な造り込みとは異なり、鎌倉時代の太刀姿に戻った造り込みになると捉えればわかり易い。磨り上がって二尺三寸五分、反りは六分半、身幅の割りに肉が厚く仕立てられているところも時代の特徴。地鉄は杢目交じりの板目肌。地沸が付き映りが立ち、凄みがある。刃文は兼光風の逆がかる浅い互の目で、帽子は浅く乱れ込んで丸く返る。匂主調に締まり、小沸が付いてわずかに足が入る。華やかに、あるいは激しく乱れているわけではない。もちろんこのような出来も備前にある。
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