丼季報亭「8万時間の休息」

旅の記録や季節の便りそれに日々の思いを軽いトーンで綴ってみました。

579. 春が立ちここから季節が始まり

2022-02-03 05:16:20 | 季節の便り

 2月2日東京都のコロナ新規感染者は21,576人、初めて2万人を超えました。
 全国では94,930人を数え過去最多を更新しています。
 2月3日は節分、前日ファイザー社製ワクチンの3回目の接種を終えました。
 2月4日は二十四節気の第1「立春」にあたり、春の始まりを意味します。「立つ」は静かにしていたのが「立ちあがって」動き始めることで春の始まりは二十四の「節気」の始まりでもあります。

2月2日東京都のコロナ新規感染者は21,576人、初めて2万人を超えました。
 全国では94,930人を数え過去最多を更新しています。
 2月3日は節分、前日ファイザー社製ワクチンの3回目の接種を終えました。

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 2月4日は二十四節気の第1「立春」にあたり、春の始まりを意味します。「立つ」は静かにしていたのが「立ちあがって」動き始めることで 春の始まりは二十四の「節気」の始まりでもあります。

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 二十四節気は「実際の季節感とずれている」と感じることがあります。
 特に立春(2月上旬)、立夏(5月上旬)、立秋(8月上旬)、立冬(11月上旬)の4つの節気はそれぞれ「春夏秋冬」の始まりを意味しますが、4節気ともに「XXというにはまだ早い」などと感じます。いつも未曽有の大雪を体験するのは立春後になるケースが多くなおさらです。

 立春・立夏・立秋・立冬の4つを「四立」「しりゅう」と言い、それぞれ春夏秋冬の始まりの日として重要な節気となっており、夏至・冬至・春分・秋分を「二至二分」といい 四立を合わせて「八節はっせつ」と言います。

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 夏至は昼の時間の最も長い日、冬至は昼の時間の最も短い日です。 しかしながら夏至に最も暑くなり、冬至に最も寒くなるかというとそうではなく、実際にはそれより1~2か月ほど遅れて最も暑い日、最も寒い日がやってきます。 

 ただし二十四節気はこの「夏至を夏の中心」「冬至を冬の中心」そして「昼と夜の長さが同じ春分・秋分を春の中心と秋の中心」として1年を4等分し、春夏秋冬を決めました。そのため「立春と言われてもまだまだ寒く、冬と感じる」ということが起こります。

立春 七十二候
立春 初侯 2月4日〜2月8日頃
東風解凍 はるかぜこおりをとく
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(写真は八甲田山残雪と水芭蕉)
暖かい春の風が、冬の間張りつめていた氷を解かし始める頃。
いよいよ春の暖かい足音が聞こえ始めます。

立春 次侯 2月9日〜2月13日頃
黄鶯睍睆 うぐいすなく
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「ホーホケキョ」と、ウグイスが馴染みのある美しい鳴き声で、春の到来を告げる頃。その年の一番初めに聞くウグイスの声を「初音(はつね)」といいます。

立春 末侯 2月14日〜2月18日頃
魚上氷 うおこおりをいずる
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(写真は諏訪湖の有名な御神渡りですが今年は発生しなかったそうです。)


春の暖かさで湖や川の氷が割れ、氷下で泳いでいた魚が氷の上に跳ね上がる頃。
温かくなった水の中に、ゆらゆら泳ぐ魚の姿がよく見え始めます。

「立春」 旬の兆し 梅の開花
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 いち早く春の訪れを知らせる梅の花は、1月下旬から5月上旬まで、約3ヵ月かけて、ゆっくりと日本列島を北上します。まだ寒い早春を彩る梅の花は、古来から数々の歌に詠まれ、春の到来を待ちわびる歌人に愛されてきました。

「立春」旬の野鳥 めじろ
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鮮やかな黄緑色の羽を持ち、目のまわりをふちどった白い輪が特徴です。早春の梅の花にひきよせられ、二羽で追いかけあいながら仲睦まじく飛ぶ姿が微笑ましいです。

「立春」旬の野菜 「蕗の薹」ふきのとう
雪解けの土の中から顔を出す春の訪れを告げる山菜です。
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近郊で採取した蕗の薹(フキノトウ)
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(2月5日の夕餉に近郊で採取した蕗の薹の天ぷら)

独特の香りとほろ苦さが春の息吹を感じさせ、冬の間にこわばっていた体を目覚めさせてくれます。冬眠から目覚めた熊は、最初に蕗の薹を食べるという話もあるようです。


「立春」旬の行事 初午はつうま
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初午は、立春を迎えて初めに訪れる午の日。古来より、この日に稲荷詣をするならわしがありました。初午は、豊作祈願と稲荷信仰が結びついたもので、この日京都の伏見稲荷神社はお祭りで賑わいます。

この項 参照 出典: 暦生活  および ウイキペディア
https://www.543life.com/season/risshun


閑話休題 : 試練は続くが...



働き盛りの壮年期 例によって降ってわいたように ドーンと 大きな不可抗力が二つ飛んできた。それは私たち兄弟の臓器に発生していた異変であった。 

 試練は弟にまで及んでいた。

二つの大きな不可抗力によって二人の人生がまたまた急変していく。

すこし安堵したのもつかの間、働き盛りに女神から与えられた試練は まさに生涯最大の危機であった。 

我が家の8代目として家督を継承すると言ってくれていた弟をむしばんでいた胃癌とその後の転移であった。彼の病巣はすでに末期であり、発見されてすぐに胃は摘出された。 全体への転移は胃の全摘から2.3年経過していた。

 終業間際の会社に母から電話があった。弟の余命は1-2週間である旨担当医から通告があったという。
無念そうに伝えてきた母の脇には弟が眠っていた。 最後の力を振り絞ったのか何かを感じたのか弟は瞬間的に目を覚ました。

一瞬目覚めた弟は電話に出て「兄さん痛いよ」「兄さん痛いよ」と繰り返し訴えた。 全身に転移した末期がんの痛みと苦しみを電話の向こうにいる兄に伝えたがっている。 最後に家族に甘える子供のように痛みを訴えてきた。

「わかった。明日朝神戸に向かうことにするよ。詳しくはその時に聞くけれど、しっかりしろよ。泣き言を言うんじゃないぞ。」
 弟の悲痛な叫びに胸を痛める兄、それが二人のこの世での最後の会話になった。 ‘94年12月29日午後5時過ぎのことであった。
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 その夜 電車を降りて駅の北口から出た帰路、前方の闇の中から突如発生したバスケットボール大の球形の闇が私の顔をめがけて飛んできた。 一瞬顔全体が闇に包まれたが、よく見るとその闇は、ピンポン球より少し小さな無数の黒い球体で形成されていた。 その一個一個が線香花火のようにバチバチと光を放ち その光は私の顔をちくちく刺して顔全体を攻めているようであった。

 急で予想外の出来事に混乱していたので何とか説明するとこういうことだが、遭遇した本人にとっては驚きと困惑だけで声も出ない。今わが身に起こっていることはとてもこの世のものとも思えない。 「いったいこれは何なのだ?」「今自分には何が起こっているのだ」と思ったとたんに顔を覆っていた暗い闇から突如解放され目の前からその黒いものは一瞬で消失した。

 それはジブリのアニメ作品に何度か登場した黒い煤やチリの塊で変幻自在に動いていた物体に似ていたようにも思えたが、光を発していた点と私を攻撃した点が根本的に違う。その夜の闇はまるで生き物のように、バチバチと私の顔にあたってきたのだから別ものである。現象的にはSFXの映像技術の極限を思わせるものであった。

 明らかにアブなどの虫ではない、他の通行人には一切目もくれず前方から飛んできて私の顔全体を覆ったのだから。一緒に電車を降りた周囲の人たちには見えていないように感じたことも不思議であった。それに他人の変事に関心もないとみえて 皆家路を急いでいた。

 帰宅すると息子が「神戸から電話があって、叔父さんが先ほど息を引き取ったと叔母さんから電話があった。」と伝えた。 確認のため神戸へ電話したところ、彼女が言うには時刻は駅から出た瞬間暗い闇が顔を襲ってきた時間帯であった。暗い闇の唐突な出現の意味が分かった。

 成人するまで家庭と真の母親の味すら知らず生きてきた弟が 逝く間際の渾身の力を振り絞って兄に苦しみを訴えていたのだ。あれはもっと長い時間をかけて苦しさや痛みを聞いて欲しかったのに「明日行くから」と電話を切ってしまったことへのクレームだったのか?「兄さん僕の痛みや苦しみをほんとにわかってよ」との抗議だったのか? 

 受話器を置いた瞬間私は涙が溢れ こみあげてくる悲しみに耐えきれず大声で泣いた。家族の前で大声で泣いた。人前で声を出して泣いたことなどかつて経験したことがなかった。しかし声をあげて泣くしかなかった。悲痛にくれたままその夜はなかなか寝付けなかった。 
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 ‘94年12月たった一人の弟を癌で亡くした。兄に替わって家督を継承し8代目を継ぐと言ってくれていたのに、母親に看取られ44歳の早すぎる旅立ちであった。 12月30日に通夜が 31日大みそかに告別式が施行された。 27年前 あの神戸の大震災の発生2週間前のことであった。 

 仮に担当医の言うように余命2週間を最大限生き続けてその日を迎えていたとしたら、葬儀のために集合した親族はあの震災に遭遇したことであろう。 自らの死期を早めることで近親者の身を守ったような気がした。

 あの晩私と直接会話して最後に伝えたいことは彼自身の生涯のつらさと痛みだったのに、わかってやれなかった。

 我が家では6、7、8代と続けて親より早く旅立ってしまう流れを変えることはできなかった。この流れが我が家の幸不幸に大きく影響している。運命の女神にここまで理不尽な試練を与えてくれる理由を聞いてみたいが、まだ何も終わっていないということであろう。

 顧みるに私自身の病魔との闘いも 胆嚢炎に始まり、胆石・胆嚢ポリープ・膵炎・心筋梗塞・肺気腫** 等々 それらは40代末に始まり、今や四半世紀に及んでいた。生涯を通して精神的に傷つき苦しんだうえに肉体的にも病苦を充分味わった気はするのだがそれだけではまだまだ済みそうにない。

 納得はいかなくとも 人生の終焉に向けたカウントダウンがすぐそこまで来て、始まろうとしているかにみえた。

 

Part.5 了  To Be Continued

** 喫煙経験のある中年以降の男性に特徴的な肺疾患が肺気腫です。
肺胞が弾力性を失うことによって、肺胞壁が変化、破壊される疾患です。
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2 コメント

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Unknown (愕然草)
2022-02-08 21:57:22
冬季五輪が始まりましたね。
開会式を観ていたらちょうど立春の表示が出て、以後二十四節気が現れて、あなたのブログのことを思い出しました。西洋の人はどう見たのかわかりませんが、我々には嬉しい表現でした。
それはともかく「虫の知らせ」というのは本当にあるのですね。例えは良くないかも知れませんが、カナブンの大きいのが、まとまってあなたの顔に向かって来たイメージでしょうか?あなたは勿論ですが、お母様の嘆きはいかばかりだったことでしょう。世の中には念ずれば通ずるということがあるのですね。
三回目のワクチンを打たれたとか、何よりです。早くピークアウトを迎えて速やかに減ってほしいものですが、そうは甘くはないでしょうか?どうぞお元気で続きをお聞かせください。
「8万時間の休息」 (丼季報亭)
2022-02-09 07:52:57
愕然草さん

いつも心のこもったコメントを有難うございます。
冬季五輪開会式を観ていたらちょうど二十四節気が次々に紹介されて、改めて和暦の起源は中国にあることを再確認しました。

虫の知らせはカナブンともアブなどの昆虫と言えないのはそれぞれが光を発した浮遊体であったことです。いっそ昆虫ならこの世の虫が知らせてくれたということになったのでしょうが・・・。

三回目のワクチン: 今回は私は筋肉痛 家人は発熱と 二人ともしっかりと副反応を体験しました。
尾身先生は高止まりと言っていますが、第5波に比べボリュームが異常に大きくなってきているのが心配の種で、早期収束も望めそうにないのが気がかりです。

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