白寿を目指す抗衰老ライフへの誘い

慣れ親しんだ新容器野菜養液栽培に別れを告げ、新たに取組んだ老人の終末課題の経過発信を続けさせて頂きます。

ドワーフトマトの歴史

2012年06月23日 | トマト

日本では、苔は住まい周りに自然と生える事もあってか、苔を愛でる文化は育ったのですが、芝生は何故か、欧米のように建物を中心にして広く植栽する文化は生まれなかったようです。

西洋野菜のトマトも又、日本の気候風土に不向きな所為か、家庭菜園等で簡単に育てられ品種も少なく、人気の野菜で有りながら、その栽培は家庭園芸には未だ定着しているとは申せません。

 

―苔寺、西芳寺の苔―

其処には、日本の生活文化や食文化の違いもあるのですが、何と言っても、どちらの植物も日本特有の高温多湿な気候風土と酸性化しやすい土壌条件には適さない事が原因の一つと思われます。

 

―芝生の洋風庭園―Web Photoesより

トマトは過って、茄子やキュウリと共に露地栽培される夏野菜でありましたが、今では産地化が進み、品種も栽培法も季節をずらした旬の無い施設園芸栽培品ばかりとなり、時期に依っては野菜とは言えない高級品イメージの立派な果実のように扱われ、高値取引される其の陰では、規格外で摘果処分される廃棄損失も多くあり、コスト上昇要因となっているとも聞きます。

 

―温室栽培トマトーWeb Photoesより

其の所為か、日本のトマトは一般に高価であり、消費者にとっては、食の洋風化の中でそれ程豊富には食べられない野菜となり、需要はあっても消費が伸びない理由にもなって生産統計では頭打ちから減少傾向にあると言います。

 

―市販されているミニトマトパックー

それに多収穫が特色のミニトマトまで、高価に見せた少量パックで料理の飾り付け用に市場流通させるのは、一寸トマトを知らない消費者には気の毒なような気がします。

 

―アメリカの住宅を囲む芝生―Web Photoesより

 一方アメリカでは、芝生の植栽も家庭菜園のトマト栽培も対照的に断トツの普及振りで、日本の国土の26倍の面積と言うアメリカの全芝生面積は、なんと日本の国土全面積に匹敵する広さと言いますし、トマトは全米での家庭園芸栽培で、95%の人が育てていると言われています。

又、其の品種の多さは、エアルーム種のブームもあって驚くような数であり、言うまでもなく、広大なアメリカ大陸の東西南北の気候風土に適応する幅広い多様な品種が生まれています。

 

―トマト家庭菜園風景―Web Photoesより

さて、先のブログで紹介したドワーフ(矮性)トマトプロジェクトは、そのトマト栽培愛好家の有志の方が提唱して始まったのですが、元を正せば、矮性の商業栽培品種の可能性を求めて発表された品種です。

しかしながら、趣味栽培や家庭菜園用が中心であり、新品種としての発展に繋がらなかったようですが、今では数少ないドワーフトマトのエアルームトマトであり、何と100年を超える歴史があったのです。

 

―大玉のドワーフ トマトーWeb Photoesより

トマトを形態的に分けますと、弦性の次々と花房が形成されて着果し、主幹が数メートルにも伸びる多年性の一般的なトマト品種(インデターミネイト種)と一年性の叢生で大量に着花、結実して一期に収穫できる高い生産量を特徴とする加工品用のトマト品種(デターミネイト種)があります。

そして、盆栽で言うなら「姫性」と呼ばれる系統のトマトがあり、それが話題となっているドワーフ(矮性)種です。

しかも、弦性トマトのような着果特性を持ちながら、丈が短くコンパクトに纏まるドワーフトマトと叢生となるブッシュタイプのドワーフトマトがあるのです。

 

―鉢植えの中玉ドワーフトマトーWeb Photoesより

其のどちらのドワーフトマトも栽培には場所も取らず、容器栽培には最適なのですが、トマトの家庭栽培が遅れている日本では顧みられる事も少なく、一般には殆ど知られていないのです。

 

―ポンデローサ交配の大玉ドワーフトマトー

其のドワーフ(矮性)トマトの歴史について、先のドワーフ(矮性)トマトプロジェクトを立ち上げた提唱者の一人のMr. Craig LeHoullierは、Tomato Web Community の“Tomatoville”の中で明らかにしていますので、参考までにその一部を紹介させて頂きます。

 

―典型的なドワーフトマトの葉―

 弦性或いは半矮性トマトのグループを代表しているドワーフトマト品種の「Dwarf Champion」は、1862年、フランスの農園館、“Chateau de Laye”から出た、丈が50cmあまりの“Tomato de Laye”との交雑に依って生まれたと言います。1865年頃にフランスのパリーの種子会社、Vilmorinから、「ツリートマト」と呼ばれた「Dwarf Champion」に大変良く似た品種が発表されているとあります。

 

    ―ツリートマトーWiipediaより

其の“Tomato de Laye”との交雑で、最初に発表されたのが「Dwarf Champion」であり、其の後次々と新しいドワーフトマト品種が作られて発表されたとあります。

 

―ドワーフ チャンピオンの種子カタロクー

Dwarf Artistocrat - 1895年にLivingstonによって作出されたDwarf Championの赤色タイプの果実。Dwarf Stoneより果実は小さく、この名前での品種は消滅。

Quarter Century - 1905年にBurpee社より発表された緋赤色の果実の品種で, Dwarf Stone より、果実は若干小さい。

Dwarf Stone -1902年にLivingstonによって作出された品種であり、「Dwarf Champion」の発表に遅れる事、数日であったと言います。

Dwarf PonderosaDwarf Giant,  New Big Dwarf – 全く同じような品種が、異なる種子会社から時を同じくして発表されようです。Dwarf Giantは大きな果実を求めてDwarfChampionに、Pnderosaを交雑して作出された品種です。

Purple Dwarf -1905年にLivingstonによって発表された品種であり、「Dwarf Champion」より果実は若干大き目、しかし、この名前では最早存在しない。
Dwarf Yellow Prince - 1898年にLivingstonによって作出された品種であるが古くて不明。尚、同時期に Burpee社から Golden Dwarf Championの名前で発表されている。現在、本プロジェクトでも交配親として利用しているが、大変良い結果がうまれている。

 最後に、ドワーフトマトの歴史を振り返ったMr. Craig LeHoullierは、「このクラスのトマトには、いかに僅かな品種開発作業しか為されて居ない事は明らかであり、ドワーフトマトプロジェクトの取り組みは、トマト園芸家に多くの点で、容器栽培や無支柱で弦性トマトが育てられる選択肢を増やすことになる」と、其の抱負を語り、そして、「我々は、既に過去の優れた品種より、其の収量でも、果実の大きさでも、香りでも、はるかに超える新品種作成の可能性を見出している」と結んでいます。

日本の家庭園芸にも、日本の気候風土に適したそうしたドワーフトマトが作出できればと思います。

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